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ヘミングウェイからサントリーホワイト、あいみょん

「日はまた昇る」

時代は1920年代。アメリカを出てパリで享楽に生きる男たちのひと夏。
友人と二人で出かける予定だったスペイン旅行に、元ボクサーの友人も、ひそかに愛している女性とその恋人も合流。
牛追い祭りに沸き始めるパンプローナで飲んだくれる。
そう、飲んだくれる話。
ワイン、強い酒、祭り、闘牛。

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僕は…

読み終えて、学生時代の小説にもならない自堕落な日々を思い出した。
昼に起きてアパートを出て学食に行く。大盛定食で眠くなり部活時間までロビーとかの長椅子で寝る。部活が終わると学生向けの居酒屋か、酒屋の裏の空き地で缶ビール。
友人とアパートで飲むときは日本酒か安ワインの一升瓶。
ウイスキーならサントリーホワイトだった。

これでなんとかなるだろう。これでいいのだ。恋人を旅立たせて、ある男と馴染ませる。次いで別の男に彼女を紹介し、そいつと駆け落ちさせる。そのあげくに、彼女をつれもどしにいく。そして電報の署名には、”愛している”と書き添える。そう、これでいいのだ。僕は昼食をとりにいった。
ー中略ー
平野の向こうに、マドリードが見えてきた。赤茶けた大地のはるか彼方の小さな崖の上に、密集した白い建物群の輪郭がくっきりと描かれていた。
       (日はまた昇る・ヘミングウェイ著・高見浩訳/新潮文庫)

久しぶりに男の小説を読んだと思った。
推理小説ではない。これぞハードボイルド(hard-boiled)。
この余韻のまま、古い友人を誘って差し呑みしたい。
熱狂と祭りのあとの静寂について語り合いたい。

なんてことを考えていたら、Musicアプリから流れてきた曲に耳が留まった。
あいみょん。

夢を見た 君と恋する夢を
塩辛い風が吹く場所を 手を繋いでさ
砂浜に 足がのまれすぎて
まるでふたりは駆け落ちして 親から逃げているようだ

暑苦しい僕と
「楽しいね」って汗を拭く君は 蜃気楼か

青春が夏風にのって君を連れてきたんだろうな
カレーライスの匂いなんかで 誰かを愛おしく思う夏に
恋をしたくなるんだろうな
きっと花火と金魚のせいだ
嗚呼 今日も夢を見る
                                                            (青春と青春と青春)

11月なのに、もう夏が懐かしい。

#読書  #旅行 #ワイン #世界史 #エッセイ #サッカー #アーネスト・ヘミングウェイ #あいみょん #青春と青春と青春

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