黒猫のミコト

趣味で短いお話を書いています。マンガより小説が好き。宇宙が好き。綺麗な景色が好き。世界…

黒猫のミコト

趣味で短いお話を書いています。マンガより小説が好き。宇宙が好き。綺麗な景色が好き。世界が好き。新しい物好き。心理学とか哲学とかも好き。人間観察も好き。いいな、と思ったらフォローお願いします。常に執筆中。更新不定期。ペンネーム変えました。

マガジン

記事一覧

幸せ

「何か"いいこと"ないかな。」 私はいつも、そう思っていた。 しかし、今日も同じような毎日の延長でしかなかった。私の目の前には、真新しいものなんて何もなくて、いつ…

25

なんの意味もないもの

「僕、死のうと思ってるんです。だから、今日でこの会社を辞めます」 僕は上司にそう告げ、会社を去った。 僕がそう言った瞬間の同僚達のどよめきは、何を感じてのものだ…

37

失敗

また…ダメだった。 僕はホントに、何をやってもダメな人間、だ。 これまでの人生を振り返っても、上手くいった試しなんて一度もない。役立たずで、クズで、ノロマで、不…

21

『リライト』 第一章 戒め

はっきりいって、僕は無敵だった。 なぜなら、僕は生まれた時から兵士、としての英才教育を受け続けてきたからだ。 そして、この世界では、身体能力を限界まで高めるメソ…

6

『リライト』 序章

この世界は、ずっと争っている。 なぜ、そんなことになったのか、今はそれを知るものすらいない。 戦いがあまりにも長く続いたため、この世界で、兵士といえば大半が女性…

6
幸せ

幸せ

「何か"いいこと"ないかな。」

私はいつも、そう思っていた。

しかし、今日も同じような毎日の延長でしかなかった。私の目の前には、真新しいものなんて何もなくて、いつもの日常が広がっている。

私は今日も、いつもと同じように朝6時に起きて、掃除洗濯をこなした後、家族を起こしてご飯を作り、皆を見送ったら後片付けをして、そこからパートに出て夕方まで働き、帰りにはスーパーに寄って、家に帰るとすぐに晩御飯

もっとみる
なんの意味もないもの

なんの意味もないもの

「僕、死のうと思ってるんです。だから、今日でこの会社を辞めます」

僕は上司にそう告げ、会社を去った。

僕がそう言った瞬間の同僚達のどよめきは、何を感じてのものだっただろう。

「私も。僕も。」なのか。
「勝手に死んでおけ。」なのか。
「止めなくていいの。」なのか。

それを知れないのが心残りだが、この会社にも、この世界にも、もう、未練はない。

僕は、死のうと思っている。

いつもの帰り道、

もっとみる
失敗

失敗

また…ダメだった。

僕はホントに、何をやってもダメな人間、だ。

これまでの人生を振り返っても、上手くいった試しなんて一度もない。役立たずで、クズで、ノロマで、不器用。おまけに、人と仲良くする事だって、僕にとっては難しい。だから、友達と呼べる人間なんて、僕にはほとんどいない。何をやってもダメなのは、自分でもよくわかってる。だってこんな人間が何をしたところで、上手くいく、ハズがない。けど…。

もっとみる
『リライト』 第一章 戒め

『リライト』 第一章 戒め

はっきりいって、僕は無敵だった。

なぜなら、僕は生まれた時から兵士、としての英才教育を受け続けてきたからだ。

そして、この世界では、身体能力を限界まで高めるメソッドが確立されており、そのメソッドに沿って20年間も教育され続けてきた人間は、男女全てを含めても、この世界で僕、ただ一人。

その甲斐もあって、僕は、これまでの戦いにおいて、いまだに傷ひとつ負ったことはなかった。

また、戦時中と言うの

もっとみる
『リライト』 序章

『リライト』 序章

この世界は、ずっと争っている。

なぜ、そんなことになったのか、今はそれを知るものすらいない。

戦いがあまりにも長く続いたため、この世界で、兵士といえば大半が女性だった。なぜなら、初期の戦いにおいて、男性は既に、大多数が死滅していたからだ。

そのため、女性が兵士として駆り出される事となった。が、もちろん、当初は女性が兵士をすることに対して、反対意見も多かった。

しかし、敵対勢力の攻撃が激しく

もっとみる