通りすがりのヨシダ

サヨナラ シャンパーニュ ⑨(終)

シャンパーニュ産のワインの残りもグラス二杯となった。 時計の針は23時50分になっていた。 「そろそろ、最終列車の時間も近づいてきたな」シャンパーニュは言った。 「そ…

サヨナラ シャンパーニュ⑧

1993年7月22日木曜日午後3時 平日に有給をもらった鈴原慎司は 家に一番近いおもちゃ屋に向かって歩いていた。 近いといっても徒歩で15分はかかるが 嫁と子どもが車を使…

サヨナラ シャンパーニュ⑦

「その父親も同じことを思ってるのだろう」 シャンパーニュはワインを口にした 「どうかしら、私が小学3年生のころに亡くなったから、小さい頃の私しか見てない」 「お父さ…

サヨナラ シャンパーニュ⑥

絵莉がハンカチで手を拭き、ポケットにしまいながら、席に座った。 「お待たせしたわ」と言うと 「女性を待つことは苦ではない、男にしてみたら口説き文句を考える絶好のチ…

サヨナラ シャンパーニュ⑤

「この世に純愛なんてあるのかしら」 グラスを置いて、絵莉はつぶやいた 「なければそんな言葉はできやしない」 「ないから、作られたんじゃないの?」 「言葉の成り立ちな…

サヨナラ シャンパーニュ④

「また、失礼な事になってしまって、すまない」 「大丈夫よ、悪いのは津田優也という男だから」 「君に明確な殺意を持たせた男の名前か」 「えぇ、そうよ、かれこれ5,6年は…