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子供を産むのは親のエゴ?

1、成長の途中


「子供を産むのも育てるのも親のエゴなんだから

子供は親に感謝する必要なんてない。」


そんなことを口にする中高生が、

私の肌感覚では増えてきているように思えます。


親として こんなことを言われたら

かなり悲しいですよね。


あるいは育て方が悪かったと

自分を責めてしまうかもしれません。


ですが、子供の視点から見ると

子供は自分なりの解釈で物事の理屈を何とか探し出そうと

頑張って考えている状況だとも言えます。


親にとってはショックな発言かもしれませんが

精神的な成長過程においては

こういうことは十分に起こるんです。


それに、これはある意味反抗期の表れでもあるので

子供の言葉を間に受ける必要はありません。


それに反抗期というのは子育てに成功している証であって

「ちょっとは大人になったな!」

と余裕を持って接して欲しいです。


子供の屁理屈に反応していては

売り言葉に買い言葉になってしまいますので

そういう摩擦はできる限り

避ける方向で対応した方がいいですね。


ですから、言葉の意味をそのまま受け取るのではなく

なぜその言葉を使ったのか、

常に言葉の裏側を察知するように心がけてください。


もしかしたら、思い通りにならない気持ちを

表現しているだけかもしれないですし、

何かツライ出来事があって人生を悲観している表れかもしれないので

そんな時は「何かあったの?」と聞き返すのが正解です。



  2、生きづらい世の中


今の世の中は、子供たちにとって

かなり生きづらい思います。


まだ十分に成長してないのに周囲からは大人扱いされますし

仲間同士では「空気を読む」ことは当たり前になっていて

もしも空気を読めないと

異質な存在として扱われます。


ですから、今の子供たちは生きる術を持つたないと

ストレスでやられてしまうんです。


例えば、出来るだけ仲間外れにならないようにと

目立った行動を取らないですし、

LINEで無視されないようにと、やたら言葉遣いを気にするし

イジメのターゲットにならないようにと

気を配りながら生きていかないといけません。


普段から気苦労し

時々嫌な思いもしているでしょうから

なぜ自分はツライ思いをしてまで

生き続けなければならないんだろうと

疑問に感じるのは当然です。


そして、その「やるせない気持ち」を外に向けて出すことができず

「親が私を産んだせいだ」と屁理屈に変換して

親に不満をぶつけるのです。


そう考えると、親に文句を言うのは

ツライ気持ちの裏返しですよね。


  3、宿命


もしも子供に「なんで私を産んだんだ!」

と言われたら、返す答えは一つ。


「私もそうなんだけど」と言うしかありません。


子供がそう言うのは、やり場のない気持ちを

遠慮なくぶつけられる相手は「親しかいない」という

本能的な思いがあるからです。


親に対する一種の「歪んだ甘え」ですよね。



自分のツライ気持ちを理解して欲しいと

親に対して厳しい言葉を浴びせますが

親としてはボクシングのサンドバッグのように

子供のパンチを受け止めてあげるしかありません。


子供から心ない言葉を浴びせられたら

一瞬「何でこんな子に育ったんだろう」と思うかもしれませんが

私がこれまで見てきた中で

親子関係がずっと順風満帆に続いているご家族はほとんどなく

親子間に起こる問題は成るように成っていると

私は思っています。


少しスピリチュアル的な話になりますが

何らかの因果関係があるからこそ

今の親子関係になっているんだろうということです。


科学的に見れば親子は遺伝的に似るはずですが

とても立派なお母さんの元にグレた子供がいたり

あるいは

母親が毒親であっても

お子さんが大人みたいに立派だったりと

普通の理屈ではとても説明できない

似ても似つかない親子をたくさん見てきたました。


つまり「親子関係は宿命」としか思えません。


たとえ、お子さんが他の子よりも劣っていたとしても

子育てを一生懸命頑張っているお母さんがいるからこそ

今の段階までお子さんが成長しているのであって

もしも、そのお母さんでなかったら

もっと勉強が出来ず、

もっと社会性がなく、

もっと知恵のない子に

なっているはずです。


逆に、毒親の元で立派なお子さんが育っているのは

毒親の世話をするために

その子が生まれてきたのではないかと

思えるようなケースもあります。


ですから、人間の思考を遥かに超えた宿命的な要素が

親子の間に必ずあるわけで

そういった深遠な人間模様を考えたら

「親のエゴだ」と子供に批判されても

小さな頭で考えたその屁理屈に

いちいち反応するのは馬鹿らしいと思えないでしょうか?


子供の言葉に過剰に反応して親子喧嘩をしたり

悲しくなって落ち込んだりせずに

「どうしたの?」「何があったの?」

と子供の話をよく聞いてあげることが

大切だと思いませんか?


常に「子供の言葉の裏側」に気持ちを向けるように意識したいですね。


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