みんとん

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最近の記事

読書メモ #5(『日本人と日本文化』)

司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談集。日本文化に関する気品高いやり取りが、読んでいて気持ち良い。深堀すると面白そうなトピックスを何点かメモしたい。 日本人の対外意識日本でできた初めての寺は四天王寺だったが、これは外国人(当時は中国人)向けに接待するためにつくられた。その心は、日本にも立派な文化があると対外的に発信する狙いもあったのではないかと説かれている。この日本の文化は、長期的に学んでいきたいテーマの一つである。 外国文化の受け入れ方中国文学が流行った時代の中でも『土佐

    • 雑感メモ #2(意味について #2)

      意味についての雑感メモコーナー。 意味を(あらかじめ)与えることについてここでは、「デザインとはものの意味を与えることである」に関して学んだことを振り返ってみたい。 昨今このデザインの対象が広がっており、モノだけではなくコトに対してもより深い意味をもった何かを創り出していくことが、商品開発の場で言及されるようになっている。これはインサイドアウト型のアプローチであり、自ら意味を創り出すという点でオリジナリティが出るものとして注目されており、アウトサイドイン型のアプローチであ

      • カスタマーサクセスメモ #2(『CSカレッジvol.4-カスタマーサクセス組織の作り方-』)

        今回はこちら「CSカレッジ Vol.4 – カスタマーサクセス組織の作り方-業界の先駆者から学ぶ CSMの育成や業務支援の方法 by Sansan & クラウドサイン-」に参加。CS初心者の私にとって、他社様がどのような取り組みをされているのかを知る貴重な機会であり、ここではキーワードをご紹介する。 https://connpass.com/event/164794/ 組織の構成要素についてここでは、組織の構成要素についてスタディ。組織の人が増えるにしたがい、採用より育成

        • 読書メモ #4(『キリン解剖記』)

          今回の本は、国立科学博物館に勤めるPDで、キリンをこよなく愛する著者がキリンにまつわる研究をするまでの記録を述べたものである。内容はほぼ著者の体験記であり、言葉の節々からキリンへの愛が伝わってくる。これほどまでにキリンを愛し、その好きなものについて熱中している様がストレートに伝わってくる本も珍しい。ここでは、本の結びに述べられているキーワードをご紹介する。 無目的、無制限、無計画。 出典:郡司芽久『キリン解剖記』 いま必要とされていなくても、100年後に誰かが必要とするか

        読書メモ #5(『日本人と日本文化』)

          読書メモ #3(『社員を大切にする会社』)

          原著『EMPLOYEES FIRST, CUSTOMERS SECOND』の翻訳版である。インドのテックカンパニーHCLの元CEOヴィニート・ナイアーによる、HCLの変革の物語である。組織の変革にあたって彼が実行してきた取り組みの数々が散りばめられているが、ここでは何点か光るキーワードをご紹介する。 信頼関係を築く変革の必要性について現状認識を深めた後、戦略の実行段階において信頼関係が必要であることを筆者は説く。この信頼関係には、4つの側面があるという。 ①信憑性 例えば

          読書メモ #3(『社員を大切にする会社』)

          読書メモ #2(『ファンタジア』)

          本日ご紹介する本はブルーノ・ムナーリ『ファンタジア』。著者はファンタジアを以下のように定義し、創造性を育むためのものの見方や視点についてのヒントを与えてくれる。 ファンタジア:これまでに存在しないものすべて。実現不可能でもいい。 (出典:ブルーノ・ムナーリ『ファンタジア』) ここでは本で紹介されているファンタジアの要素を列挙したい。ものごとに変化や動きを加えたり、表現したりする時のヒントになると思われる。 1.ある状況を逆転させたり、相反するもの、正反対のもの、補足的な

          読書メモ #2(『ファンタジア』)

          品質管理メモ #1(ヒューマンエラー)

          2020年4月から大学院でヒト×情報セキュリティ×品質管理を研究する予定である。特にヒトによるヒューマンエラーは情報セキュリティ分野においても課題になっており、人の特性の理解なくして有効な取り組みは期待できない。今回はヒューマンエラーに取り組む際に材料となりうる考え方やキーワードをご紹介する。 はじめにヒューマンエラーとは何かという具体的な説明はここでは割愛するが、本記事では一言で表現すると「標準を逸脱した行為」を指す。(意図的な逸脱はヒューマンエラーに含まないとする定義も

          品質管理メモ #1(ヒューマンエラー)

          対話メモ #3(対話型鑑賞@ミミクリデザイン)

          1月末にミミクリデザイン主催の対話型鑑賞に参加した。これはファシリテーターのもと複数人で一つの美術作品(アート)について対話するといったアクティビティで、未経験ながら多くの示唆が得られたためここに学びのポイントをご紹介する。 アートによる学習①作る学習 ②見る学習 今回の対話型鑑賞は②見る学習に相当する。Jstageでも多数の論文が検索できるほか、『学力を伸ばす対話型鑑賞』『教えない授業』といった文献が紹介されていた。 アートを見る学習による学習効果プレゼンテーション

          対話メモ #3(対話型鑑賞@ミミクリデザイン)

          対話メモ #2(KITイベント「ティール組織の人事ってどんなことをしているの?」)

          2020年2月5日(水)KIT(金沢工業大学院)虎ノ門キャンパスにて、ティール組織に関するイベント(参加者同士で対話するセッションあり)があった。日本のティール理論の第一人者で『ティール組織(英治出版)』の解説もされている嘉村賢州氏から様々なキーワードが示唆された。ティール組織っていったいどんな組織なの?という感覚を、メモを通して何となく掴んでいただけたらと思う。 ティール組織が見いだされるに至った背景フレデリック・ラルー(『ティール組織』著者)は、昨今、個人は会社や家族へ

          対話メモ #2(KITイベント「ティール組織の人事ってどんなことをしているの?」)

          対話メモ #1(ABD『Learn Better』)

          友人に紹介してもらい、英治出版主催のアクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)に初めて参加した。これは1冊の本を複数人で分担して一斉に読み(インプット)、その内容を要約し、参加者の前でプレゼンテーションした後、意見交換を行う(アウトプット)といった手順で読書や対話を楽しむアクティビティである。 限られた時間でインプットとアウトプットを楽しむことができ、(参加目的にもよるが)ポジティブな気づきを持ち帰ることができる点で、様々な場で活用が期待される。 今回ABDで取り上げた本

          対話メモ #1(ABD『Learn Better』)

          読書メモ #1(『日本語 表と裏』)

          今回は、『日本語 表と裏』読了メモとして、日本人の特徴を想起させるトピックスを抜粋して紹介する。 よろしく「よろしくね」というのは何をどうすることなのか。日本人にとって「一を聞いて十を知る利発さ」を相手に求めることが相手を尊重する心遣いである。つまり日本人は、明確な言葉を使うことは相手が何も知らないと決めてかかるようなことだと思っている。外国語にも訳しにくい、行間を読んでほしいとする日本人の性格も反映されていそうである。グローバルコミュニケーションにおいては物事をはっきりと

          読書メモ #1(『日本語 表と裏』)

          雑感メモ #1(意味について#1)

          この記事は、テーマにするほどでもないけど気づきメモを残しておくコーナー。 価値があるには、「役に立つ」という軸と「意味がある」という軸がある。役に立つ軸の方は追求していくと役に立たなくなるばかりか、究極的には差が無くなってしまう。一方で意味がある軸には多様な答えがある。「好き」という感情にも通じるものがあり、従って「好き」を探索することは意味の醸成につながりうるだろう。一方で、「役に立たないし意味がない」の代表格にアート作品がある。そのアートからどのような意味を読み解くかは

          雑感メモ #1(意味について#1)

          カスタマーサクセスメモ #1(STARTUP AQUARIUM@虎ノ門ヒルズフォーラム見聞記)

          私が現在所属している会社では、クラウドサービスの売上貢献を目指した品質保証を検討している。 今回は、昨今SaaS業界を中心に話題になりつつある「カスタマーサクセス」について、2/8(土)STARTUP AQUARIUM@虎ノ門ヒルズフォーラムに参加して見聞してきたことを踏まえて考察したい。 カスタマーサクセスとはカスタマーサクセスとはその言葉通り顧客の成功を指すが、この言葉を扱う時には2つの視点を区別して用いたい。 ①組織が目指すべき概念としてのカスタマーサクセス カ

          カスタマーサクセスメモ #1(STARTUP AQUARIUM@虎ノ門ヒルズフォーラム見聞記)