読書メモ #4(『キリン解剖記』)

今回の本は、国立科学博物館に勤めるPDで、キリンをこよなく愛する著者がキリンにまつわる研究をするまでの記録を述べたものである。内容はほぼ著者の体験記であり、言葉の節々からキリンへの愛が伝わってくる。これほどまでにキリンを愛し、その好きなものについて熱中している様がストレートに伝わってくる本も珍しい。ここでは、本の結びに述べられているキーワードをご紹介する。

無目的、無制限、無計画。
出典:郡司芽久『キリン解剖記』

いま必要とされていなくても、100年後に誰かが必要とするかもしれないという考え方に基づいているようである。何をするにも何のため?役に立つの?といったことが問われてしまう時代の今、今すぐに役に立たないけど、(100年後に誰かが必要とするかもしれないという)意味があることには大きな価値があると感じる。そもそも、著者にとってこの研究はそれ以上に個人的な意味があるのだろう。

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