『古事記ディサイファード』第一巻031【Level 4】北海道(9)
【解答 8】(2)
旧拙著小説を書いていたとき、数年前のミステリー・サークルでの体験が非常に面白かったことを想い出し、折角あんなに貴重な体験をしたのだから無理矢理古事記の暗号にこじつけて書いてやろうと思ったのだった。
どうやってこじつけるにせよ、まず取りあえず距離と方位角を調べてみることにした。それから何か最もらしいハイポセシスを考え出して無理やり繋げることはできないかと考えたのだ。
それで、とりあえず帯広のサークルと忍路環状列石の関係がどうなっているかと分析してみた一発目の結果がこれである。
忍路ストーン・サークル
- 帯広ミステリー・サークル
方位角 100度00分09秒
距離 192.098km
いきなり最初の分析でギョッとして度肝を抜かれた。
こじつけるまでも無い。
なんと……本当に関係があるのだ!
このときの筆者の驚きようをご想像いただきたい。
目を丸くして口をあんぐり開けた。
顎が落ちるとはこのことだ。
忍路環状列石から帯広のミステリー・サークルまでの距離が192キロ。96の倍。そして方位角がきっかり100度。
豊頃の百個のミステリー・サークルが現れた現場。つまり忍路のストーン・サークル、帯広のミステリー・サークル、そして豊頃町のミステリー・サークルは一直線上にある。そしてこの直線の方位角は100度。
気づいてしまえばわかりやすい謎かけである。
だが、百数十キロも離れた現場へ赴いて位置を確認し、緯度経度を割り出し、二百キロ近くも離れた忍路のストーン・サークルとの関係に着目し、正確な距離や方位角を計算して初めてこの事実に気づくのだ。
なぜ豊頃に百個なのかと思ったらそういうことだったらしい。
まるで方位角が100度であることに気づくよう念を押しているようである。
一種の添え書き、マーキングなのである。
もう、間違いなかった。筆者は間接的だけれど確かに接触(コンタクト)をしているのだった。これはオープン・コンタクトも同然ではないか。ただ気づくか気づかないかの違いだけである。
よく、なぜオープンコンタクトがないのか、という人がいる。
スタートレックでいうプライムディレクティブに相当する原則があるからというのが基本的な理由だが実は地味なオープンコンタクトは日常茶飯で普通にあるものなのだ。一般の人達が全く気付かないから実質クローズドになっているだけの話である。
この場合気付いているのは世界で筆者ただ一人と思われるので事実上はクローズドだが、サークル自体は公然と誰でも見られるオープンな麦畑に作られているわけでテクニカルにはオープンコンタクトと言えるのではないだろうか。
夕張岳はUFO目撃が異常に多くて有名なのでこの座標は外せないと思い分析してみると音江環状列石との間で例の数値が出てきた。
音江ストーン・サークル - 夕張岳
距離 66.202km
音江ストーン・サークル
- 帯広ミステリー・サークル
方位角 132度57分57秒
音江ストーン・サークルと夕張岳が66キロ。音江ストーン・サークルから帯広ミステリー・サークルへの方位角は132度、つまり66の倍。
夕張岳-忍路環状列石間の距離が80kmというすっきりした数値なのは意図的なのか偶然なのかこれは今ひとつはっきりしない。
ある程度予期してはいたものの、実際にこうしてデータが出てくるとやはり驚きを禁じ得なかった。
ミステリー・サークルはつい最近発生したものだ。
一方、ストーン・サークルははるか古代に作られたものだ。
古いものと新しいものが対となって図形を作り、あたかも同時に設計されたように一貫したデータを示している。
どちらも円形であるという共通点以外、全く無関係だとばかり思っていた。
しかし、こうしてデータを割り出してみると、これらが有機的に組合わせられ、まるで一貫して一つの事を訴えようとしているように見えるではないか。
サークルの現場では直径を測った。
滝川のチャネルで繋がれた二つの隣接した円の直径は一つが9メートル、もう一つが6メートル。
新聞の報道では9メートルに5メートルとあったが、筆者が測ったところでは確かに6メートルあった。写真で比率を確認してもやはり明らかに9対6である。(発生時刻の誤りといい、無責任でいい加減な仮説といい、新聞報道というものがいかにデタラメか気づき始めたきっかけはこれだった。)
そして帯広の方は6メートルの円が二つ。やはり96、66なのである。
御生山の夢に導かれて京都に見いだした数列がここでも出てくる。まるで数字につきまとわれている様な錯覚に陥るほどだ。
麦畑のキャンバスに描かれる模様が知性を持つ何者かから送られているメッセージであることはもう疑う余地はない。問題は一体何を伝えようとしているのかなのだ。
ニセコアンヌプリ
- 滝川ミステリー・サークル
方位角 51度11分42秒
これは一見無意味に感じられ見過ごしがちだが、イギリスのストーンヘンジの緯度と一致している。ギザの大ピラミッドの面角も51度である。
グロブリーキャッスルからストーンヘンジへの方位角も51度だった。
北海道とイギリスの遺跡とにいったいどういう関係があるというのだろうか?
それとも単なる偶然、考えすぎだろうか?
斜里岳
ー 滝川ミステリー・サークル
方位角 266度52分04秒
斜里岳
ー 大雪山系旭岳
方位角 266度19分54秒
大雪山系旭岳 ー イルムケップ
方位角 266度36分36秒
イルムケップ山
ー 滝川ミステリー・サークル
方位角 266度30分43秒
斜里岳、大雪山の最高峰の旭岳、イルムケップ山、そして滝川のミステリー・サークルは一直線上に並んでいる。
266度といえば京都でも出てきた角度である。翠黛山から半国高山屁の方位角だ。
忍路環状列石 - 斜里岳
距離 317.158km
方位角 77度14分28秒
259度53分9秒
利尻岳 - 斜里岳
距離 317.142km
方位角 300度49分17鋲
118度23分8秒
利尻岳 - 忍路環状列石
距離 222.48km
方位角 187度42分20秒
7度27分1秒
斜里岳から利尻岳までの離と斜里岳から忍路ストーン・サークルまでの距離が317kmと等しく、斜里岳、利尻岳、忍路ストーン・サークは巨大な二等辺三角形であり、その底角は何れも69度である。
ここでは忍路環状列石から斜里岳の方位角が77度だったり、利尻岳から斜里岳への方位角が300度だったり、利尻岳から忍路環状列石への挙が222kmなど、ぞろ目や切りの良い数値になっていることも気になるところだ。これらも意図的なものなのだろうか?
もしこれらの数値が意図的なものだとすれば芸術的ですらある。
さらに、忍路環状列石と樽前山間の距離が69キロと斜里岳-利尻岳-忍路環状列石の底角と共通している。これも偶然なのだろうか?
忍路環状列石 - 樽前山
距離 69.835km
方位角 143度55分48秒
324度16分19秒
そして忍路環状列石ー樽前山ラインと忍路環状列石ー斜里岳ラインの角度は66度である。
偶然だとすれば、あまりにも出来過ぎな偶然が多すぎないだろうか?
96、66、69とは一体何を意味するのだろうか?
(つづく)
※ 最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。
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