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『古事記ディサイファード』第一巻046【Level 6】 剣を追え!(2)

【ミッション12】法則性
 天叢雲劒が移動した経路に何らかの規則性、法則性が見られないか検証せよ

 まず、そもそも剣が最初に現れたのはどこだろうか?
 出雲である。
 八岐大蛇の尻尾から出てきた。
 それがアマテラスに献上され、ヤマトタケルに手渡され、焼津で草薙劒と改名され、走水へと至る。
 もしかすると出雲から相模へと繋がる巨大図形が存在し、それこそが〈八岐大蛇〉、あるいは〈八重垣〉の正体ではないのか?
 そうは考えられないだろうか?
 だとすればそこにどのような法則性、規則性が現出しうるだろうか?■


【解答12】

 もし出雲から相模に至る八重垣の図形があるとすれば、それは三カ所以上の座標が直線上に並ぶ所謂レイラインとは考えにくい。
 なぜなら出雲付近、太郎坊阿賀神社、伊勢神宮、焼津神社、走水という恐らくは八重垣に関係してくるであろう代表的座標を一見しただけで一直線にはならないことが一目瞭然だからである。
 では直線にならない場合、図形として意味をなす要件として何が考えられるだろうか?
 まずは二辺の距離が等しい二等辺三角形である場合、そして同じ距離の線、〈垣〉が連続して並ぶ場合である。
〈八重垣〉というからには八本の同じ長さの線が連続するのではないか、つまり九箇所の座標が等間隔で並ぶのではないかと推定することができる。
 言い換えるとそれは同時に二等辺三角形が8つ並ぶということでもある。
 さて、同じ長さの線が並ぶのだとすれば、それはどのような長さと考えられるだろうか?
 例によって各地に現れる96,66という数値がモチーフになっていると推理するのが妥当ではないだろうか?


【ミッション13】第一の垣
八重垣の一本の線の距離は何キロであると推定されるか? 

 つまり八重垣はチェンバレンが翻訳した通り、 eight-fold fence である。〈垣〉とは直線のことであり、〈八重垣〉は八つの直線が連なった巨大図形を暗示しているのではないかという推理が成り立つ。
 八岐大蛇の記述を思い返せばその特徴はとにかく巨大であるということ、そしてなんと言っても〈頭が八つ、尻尾が八つ〉あるということだ。
 直線が八本連続しているということは言い換えれば〈始点が八つ、終点が八つ〉であることを意味する。つまり〈頭が八つ、尻尾が八つ〉なのであり、まさに八岐大蛇ではないだろうか?
 ではその場合一本の線の長さはどれぐらいだと想定できるだろうか?■


【解答13】

 近畿地方では赤神山(太郎坊山)と熱田神宮の距離が66キロであった。

赤神山-熱田神宮 66km


 おそらくこれがその巨大図形、〈八岐大蛇〉の一部である可能性が高いのではないだろうか?
 霊夢に現れた点の羅列をご記憶だろうか?
 点の数はどういう並びになっていただろうか?
 次に熱田神宮、焼津神社の距離を見てみると132キロである。つまり66の倍だ。
 このことから、八重垣を構成するラインは66キロではないかと推定することができる。


【ミッション14】第二、第三の垣
熱田神宮と焼津神社の中間地点を捜索せよ

 焼津神社は社殿が江戸時代に水没し、現在の場所へ移動したと言われる。元々は現在の社殿から3キロほど南東のあたりにあったらしい。
 筆者が京都、近畿地方と同様な方法で焼津神社付近を分析し水没前の座標を推定してみたところ、図のあたりと思われた。

筆者推定による焼津神社の元の位置

 本書では以後この地点を仮に焼津神社の元の座標と考えて計算をしてみることにしよう。
 熱田神宮と焼津神社はいずれも確実に天叢雲劒、またの名を草薙劒が通った場所である。
 この二点間の距離を見るとなんとちょうど132kmである。66の倍だ。

熱田神宮-焼津神社 132km

 ……ということは……?
 もし66キロメートル単位で 8つのライン、つまり〈垣〉が連なる〈八重垣〉が存在するものと想定してみると、熱田神宮と焼津神社とのちょうど中間地点に何かがあるはずである。
 熱田神宮からも焼津神社からも距離が66キロメートルとなる地点に何があるだろうか?■

(つづく)

※ 最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。

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