トキ タクミ

YAMAPでプロダクト・マネージャーをやりつつ、週末はだいたい岩か沢で登ったりしてます…

トキ タクミ

YAMAPでプロダクト・マネージャーをやりつつ、週末はだいたい岩か沢で登ったりしてます。常に何か考えるのが好き。考えていることの断片を何かしら投稿します。

最近の記事

「アジャイルリーダーシップ」から始まる、終わりのない旅について

こんにちは! 登山プラットフォームサービスYAMAPを開発している株式会社ヤマップでプロダクト・マネージャーをやっている土岐と申します。この記事は、YAMAP Advent Calendar 2022の12/18の記事となります。 「アジャイルリーダーシップ」から始まる旅というわいえで今回の記事のテーマは以下の「アジャイルリーダーシップ」という本です。実際に読んでとても面白く示唆に富んでおり、いろいろと考えせられたので、その過程の一端を紹介したいと思っています。 最初にち

    • 「ジングル」の作法 〜0円・30分でジングルを作る「ヤッホー」フレームワーク

      こんにちは! 株式会社ヤマップでプロダクト・マネージャーをやっている土岐と申します。この記事は、YAMAP Advent Calendar 2022の12/1の記事となります。 早速ですが、このAdvent Calendarのジングルを、本日の晩ご飯ができるまでの時間の30分で作ってみたのがこちらになります。 ※「VOICEVOX:四国めたん」および「VOICEVOX:雨晴はう」を使用 こんなジングルを作るには? というのが今回の記事の主題となります。 誰もが直面する

      • 登山の「想像力」は、生き延びるための力である仮説

        登山をする自分を想像する。 そこでの息づかい、見える風景。 感じる気温、ザックの重さ。 身体の疲労。 登山という行為の特異なところは、この想像力が研ぎ澄まされていくことであり、またそれは「なぜ登るのか」の本質なのでは、と思ってきた。という話を書きます。 超強烈な登山家、山野井靖史さんが登山のモチベーションについて以下のように語っていた。 最初に読んだときは、山野井さんレベルの最強のクライマーでも「そこを登る姿」がモチベーションになるのか、とシンプルに驚いた。「そこを登

        • 私は「もやもやする」から脱出しなければならない

          「なんか、もやもやするんですよね」。 この言葉を使い続ける限り、私はある領域からの成長は見込めない。ここから脱出しなければならない。そのための加速度を獲得しなければならない。そう思った。 この表現は大変便利で、ここ4・5年くらい、とても頻繁に使われるようになった。例えば、会社で上司の言動に違和感を感じたとき。例えば、同僚の言動に問題を感じたとき。コミュニケーションのあらゆる場面で「もやもや」である。これがモクモクと煙のように、あらゆる隙間に登場する。不思議なことに、この「

        「アジャイルリーダーシップ」から始まる、終わりのない旅について

          「観察」することの困難さと、4分33秒

          ただ「観察」するということは、とても難しいのではないか。最近その思いが強くなってきた。 近年、「観察」の意義が高まっている。例えばOODAループ。観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)- ループ(Implicit Guidance & Control, Feedforward / Feedback Loop)によって、健全な意思決定を実現するというこの手法。「観察」はすべての意志決定の先駆けになるもので、とても重

          「観察」することの困難さと、4分33秒

          「問い」の呪いを解かなければならない

          「問い」を発する力。 これこそが人類が持つ最強の力なのではないか。人類はこの力により知性を伸ばし、行動範囲を拡げ、社会を発展し、現在に至った。そのような仮説がありえるのではないか。私の中で「問う」ことの意味が年を経るごとに重要になってきている。 こう思い始めたきっかけは様々だ。1on1による対話、ワークショップによる熟考、一人の試行錯誤。ただ大きな変動要素になったのは、「問い」によるリフレーミングを知ったことだ。 安斎 勇樹さんの一覧の著作や文章は、「問い」の力をシンプ

          「問い」の呪いを解かなければならない

          アルコール=モラトリアムと思えば卒酒ができる

          お酒を卒業して9ヶ月経った。お酒を辞めるなんて思ってもみなかった。成人して約20年、気付けばほぼ毎日何かしらアルコールを摂取していた。休肝日はごくたまにあるだけ。お酒が大好きだったし、今でも好きだ。飲まないけど。 「なぜ辞めたのか?」。理由は両手に余ることがある。お金、体調、時間、数々の失敗。何が一番大きいか、と言えば、私の場合は「精神的な依存への恐怖」だ。とは言っても、「依存が進んでアルコール依存症になってしまう」という恐怖ではない(もちろんそれも大きな要素だ)。「あらゆる

          アルコール=モラトリアムと思えば卒酒ができる

          山に住む妖怪と、登山の「デカさ」

          登山についてうまく語ることができない。「あの登山どうだった?」と聴かれるとペラペラと喋ることはできる。山頂の景色。急登のしんどさ。ふと見えた岩肌の峻険さ。楽しかった会話。しかし、決定的に何か大切なものを語り損ねている気がする。 だいたい、山に行くと「もう二度と山に行くか」と思う。ひたすら続く長い登り。友人との会話も次第に途切れる。高鳴る鼓動。悲鳴を上げる膝。そしてようやく登頂。景色はガスって何も見えなかったりする。そして下山。下山が終わると「ようやく人里に降りることができた」

          山に住む妖怪と、登山の「デカさ」

          登山は「ほぼ無限」説 〜登山なんてやるかと思っていた

          登って降りるだけの行為なんて意味がある? 端的に言うと登山をやる人をバカにしてた。ただ登って降りるだけの行為。異常に長い行動時間(7時間歩くとかですよ)、その多大な労力。その時間と労力があれば生産的な行為なんて幾らでもできる。盛大な無意味の愚行。約10年前、30歳までそう思っていた。 運動神経が無く、体力も無い。体育の成績はいつも1だ。登山に連れていかれてもただ前の人の揺れるザックを追うのみ。景色? 写真でみりゃええやん。わざわざ行く価値がそこにある? と思ったら40歳では

          登山は「ほぼ無限」説 〜登山なんてやるかと思っていた

          組織に無意識は存在するか?〜「べき」を使わない倫理観

          普段「組織」に属して労働をしている我々にとって、組織というものにどのように対峙するかというのは悩みどころなわけで。最近ずっと考えているのが、人に無意識が存在するように組織にも「無意識」が存在するのではないか、ということ。これはスピリチュアルな集合的無意識ではなく、その組織の文化のようなもので。 組織の中のさまざまなコミュニケーション・振る舞いの中で「何となく」その形式を強制されているような気になっていることがある。このようなときにはこう振る舞うべき、この人にはこのように聴くべ

          組織に無意識は存在するか?〜「べき」を使わない倫理観

          「書きたい」という欲望に実直に答える

          最近、文章を書きたいという欲望が強くなってきている。なぜそうなのかを突き詰めて考えると、「考えたことを外に出したい」という根源的な欲望があることに気付く。誰かに認められたい、という承認欲求ではなく、そのままアウトプットしたい。脳髄の奥と世界とか直で繋げたい。 この欲望の質は登山やクライミングにも似ていて、誰かが見ることが重要なのではなく、常に世界へアクセスしている状態であることが重要だ。 フミコフミオ氏の上の本を読んだ。タイトルは若干ミスリーディングで、「文章をうまく書ける

          「書きたい」という欲望に実直に答える

          「まとめる」ための最強の方法、質的統合法(KJ法)思考を身につける

          これは、YAMAPエンジニア Advent Calendar 2021の12月2日の記事です。 「まとめる」って異常に難しくないですか?  普段、ミーティングや会話、チャットなどで怒濤のように多種多様の事実・意見・感情と向き合っています。他人とのコミュニケーションで世界が広がっていくのは楽しい。しかしその一方で、やはり仕事を進めたり、ビジネスとして一定の解を出す必要がどこかで出てきます。いわゆる「まとめる」というヤツですね。 この「まとめる」という方法、正解がありそうで無い

          「まとめる」ための最強の方法、質的統合法(KJ法)思考を身につける

          HOUDINIで岩のCG動画を作った話

          ※仕事は一切関係ありません(ちょっとだけ関係します) この記事は YAMAP エンジニア Advent Calendar 2020 の 20日目の記事となります。 人生には唐突に沸いてくる自分の欲求に答えざるを得ないときがあります。私の場合、今年の夏に「岩の3DのCG動画を作りたい」という謎のモチベーションが高まり、なんとかやり遂げました。 この話です。 実際できたものがこちら。 なぜ作ったかもう少し詳細に説明すると、「毎年山の日にやっているゴルジェという音楽ジャン

          HOUDINIで岩のCG動画を作った話

          臆病な自分がなぜ奮い立たせてカンファレンスでスピーカーをやったかという話

          この記事は YAMAP エンジニア Advent Calendar 2020 の 13日目の記事となります。 2020年10月27日、日本最大級のプロダクト・マネージャーのカンファレンス「プロダクトマネージャーカンファレンス 2020」(通称pmconf)でスピーカーとして登壇しました(今期はオンライン開催)。 プロダクト・マネージャーとしてまだまだ未熟で試行錯誤しながら日々の業務をこなしている私が、恐れ多くも錚々たる面々に囲まれ、数百人に向けてトークすることになったわけ

          臆病な自分がなぜ奮い立たせてカンファレンスでスピーカーをやったかという話