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ことしのイノシシは洋食で。

この季節になると、毎年楽しみにしているものがあります。


🐗冬の恵み

それがこちら。

親戚が送ってくれる、山の恵み。いのししです。

ことしはたっぷり、約600グラムの塊が届きました。

早速切り分けて、スライスしたものを味見します。

アルミホイルに載せてさっと塩こしょう。

オーブントースターで焼き上げます。

香ばしい香りが漂ってきました。脂はぷりぷりで甘みを感じます。お肉の部分は旨味たっぷりの赤身。1年ぶりの滋味溢れるいのししに感激です。

🐗ことしのメニューを考える

さて、残りのお肉ですが、定番のいただきかたはぼたん鍋。はじめてもらったときは、赤ワイン煮込みにしたりカレーにしたり、けっこう手をかけた料理にもしてみましたが、いつしかお肉そのものの味を感じるには、シンプルなほうが楽しめるかなと思うようになりました。

そんなわけで、ことしももちろんお鍋でいただくつもりですが、今回は量がけっこうたっぷりあるので、ほかのメニューにもしてみることにしました。

さて、なににしようかなと考えた結果、洋食風に仕立てて盛り合わせることに。

  • いのししのしょうが焼き

  • いのししカツ

これなら比較的シンプルにお肉の味を楽しめそうです。

🐗いのししカツとしょうが焼き

🔪まずは下ごしらえ

まずはお肉の切り分け。しょうが焼き用は、お鍋にするときよりすこし厚めに切りました。カツには端のほうの、赤身の多い部分を使うことにします。

そもそもが締まった感じの肉質なので、火を通したあと食感が固くならないよう、包丁の背で叩いておきます。

カツのほうは、脂に格子状の切込みも入れておくことにしました。

カツの衣はいつもの水で溶いた天ぷら粉、パン粉の順。

付け合せにしいたけもフライにしてみます。このいのししがなにを食べて育ったかはわかりませんが、山のお肉には山の素材が合うと思います。

衣準備完了です。

🥕付け合せも用意します

 

そのほか付け合せは、洋食屋さん風に下茹でしたじゃがいも、にんじん、スナップえんどう。

バターでソテーします。

うん、白赤緑で彩りもいいですね。

🔥しょうが焼きつくります

さあ、メインを仕上げていきましょう。

まずはしょうが焼き。薄切りの玉ねぎとスライスしたいのしし肉を焼いていきます。

玉ねぎがしんなりして、お肉もいい焼色がつきました。

ここで登場、我が家の常備たれ。

そこにおろししょうがを追加して、お肉にからめます。粗挽きのこしょうもたっぷり。

たれがジュージュー音を立てながら煮詰まっていく瞬間。香りもこうばしくてたまりません。

焼き上がったいのししをお皿に盛り付けて、フライパンに残ったソースをかけたら、しょうが焼きは完成です。

🔥いのカツ揚げます

続いていのししカツ。

中温くらいの油で揚げていきます。

底になった面が色づいてきたら、天地を反転。

きれいなきつね色を目指します。

揚げ上がったらしっかり油を切りつつ、余熱で中まで火を通します。

5分ほど置いて切ると、こんな感じです。

🐗いのしし洋食Aランチ

空けておいたスペースにカツを盛り付け。

いのししプレート、おいしそうです。こういう盛り合わせって、洋食屋さんだとAランチみたいな名前が付いてたりしますよね。

ウスターソースも魅力的ですが、今回はより洋食っぽくしたいので、冷凍作り置きしておいたデミグラスソースを使います。

仕上げに彩りの刻みパセリをトッピングしてみました。

どうでしょう。2024年のいのしし洋食盛り合わせ。カツもしょうが焼きも噛みしめると弾力があって、ひと噛みごとに旨味が溢れ出してきます。

🐗いのししとの関係と山の恵み

ところでこのいのしし。いわゆる害獣として扱われるもので、畑の作物を食べたり、田んぼを荒らしたりするため駆除された個体です。

いのししにとっても生きるための行動で、やむを得ないところもありますが、生活する人間側の身にとっては、放置できないのも事実です。

人と動物の関係は、ある程度拓かれた街に住んでいると、ペットや動物園で観る愛嬌の溢れる姿くらいしかふれあう機会がないかもしれませんが、山や緑豊かな地域で暮らす人にとっては、生活をおびやかす脅威になってもいるのだと思います。

それでも人はむやみにその生命を奪うのでなく、まずは畑や田んぼ、人の生活圏にいのししが入りこまないように工夫します。しかし、動物にも知恵があり、経験に基づく判断力が備わっています。

そうして害獣除けの工夫を乗り越えてしまったとき、駆除という形でしか、こちらの暮らしを守る術がなくなってしまうということなのでしょう。

毎年いただく山の恵みの背景には、そんな切実な背景があることは忘れてはならないといい聞かせています。

🌹恒例のぼたん鍋

そしてやっぱり、恒例のぼたん鍋は欠かせません。

毎年土鍋でぐつぐつやってますが、ことしは食卓でお鍋しながら食べたいなぁと思って、このためにホットプレート付きの小さめサイズの電気鍋を買ってしまいました。

まずはお味噌を焼きます。

出汁は昆布だしが好みです。

具はきのこをたっぷり。山の動物なので、相性いいですよね。作り置きしてあった肉団子も使います。

食卓で煮るスタイルだと、具材をその場で追加できるのがいいですね。

この冬のいのしし、季節のごちそう。ことしも感謝しつついただきました。

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