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おすすめサスペンス小説「鎮魂」

Audibleにて視聴、「鎮魂」(染井為人 著)。

社会から恐れられる反社会勢力を狙った殺人事件が、立て続けに起こっていくサスペンス小説。

さまざまな組織との抗争が日常茶飯事な現状から、対象がしぼり切れず、犯人の手がかりすら掴めない。

犯人は誰なのか。そして動機は?

亡くなった魂を鎮めるための鎮魂と、仇討ちである復讐の境界を揺れ動く人間の心理を感じられる作品でした。


〇ざっくりストーリー

反社会的勢力として名をはせた「凶徒聯合」。

組織の誰かがやられたら、組織総動員で報復に乗り込み、相手をとことん叩きのめしていくスタイル。

リーダー石神の極悪非道なやり方は、周りの人たちを恐怖に陥れ、内部の人間もその恐怖から鎖につながれているかのような結束力を持つ。

ある日、組織内部の人間が何者かに殺害される事件が発生。

警察は抗争した団体や、うらみを持つ人物を探っていくが犯人の手がかりすらつかめない状況が続く。「凶徒聯合」のなかには内部の犯行を疑うものも出る始末。

犯人の目的は何なのか?タイトル「鎮魂」に込められた想いとは。

どんどん展開されていくストーリーで読みやすい作品でした。

〇鎮魂と復讐

力で相手をねじ伏せたとしても、さらに強い力で押さえつけられる。

やったことがそのまま自分に返ってくる、いわば因果応報ですね。

仮に、本人が鎮魂のために行動したとしても、行為をされた側は事情もなにも知らなければ報復・復讐ととらえられます。

日常のなかで滅多に使うことのない言葉どおしではあるものの、本人の気持ちや目的次第でどちらにも転がってしまうので、判別するのは難しいなと思いました。

鎮魂と復讐を目指す人とそれを追う人の心情、心の揺れ動きなど、犯人捜しもさることながら、時間を忘れて読んでしまうストーリー。

憎悪、恨み、負の感情から始まる終わらない連鎖反応。


犯人捜しが小説一番の楽しみであるものの、強力だったはずの巨大組織がたったひとりの人間によって崩壊させられていく状況も、興味を惹かれる内容になっています。

鎮魂・復讐の行きつく先は?

おすすめサスペンス小説「鎮魂」。

Audibleにて聴けます。

気になった方はぜひどうぞ。

最後までお読みいただきありがとうございました。


おしまい。

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