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もののけがたり

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幽霊、妖怪、怪異。昔むかしの話。 かつて怪談リーディングと称して催した、 『もののけがたり』の来し方行く末。
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『手負いの蛇』 〜 もののけがたりを振り返る其の三〜

『手負いの蛇』 〜 もののけがたりを振り返る其の三〜

 「手負蛇」は、
これも江戸時代の書物である『絵本百物語』から題材を採りました。
もちろん水木先生の関わっておられた妖怪図鑑にも記述がありました。
原本には手負の蛇は執念深い、くらいのことしか書かれていないのですが、
時代劇好き故の妄想で色々とお話を膨らませ、とても気に入っている一本です。
私の書くおばけの話は、怪談というわりに怖くない、とはよく言われてましたが、これもまた然り。
 最初は「お師匠

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『百々目鬼』 〜もののけがたりをふりかえる其の二〜

『百々目鬼』 〜もののけがたりをふりかえる其の二〜

こちらも私が主催した怪談語りのイベントのために書き下ろしたものです。
初演で加納昴流さんに読んでいただいたほか、
山本紗由さんがご自分のイベントでも読んでくださいました。
百々目鬼(どどめき)という妖怪は、
かの鳥山石燕の手がけた江戸時代の妖怪カタログ的書物、
『画図百鬼夜行』に記され、
現時点では同時代にもそれ以前にも他に記載されたものは見当たりません。
私が始めてその姿に出会ったのは、
幼い頃

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『振袖火事』〜もののけがたり』を振り返る。其の一〜

『振袖火事』〜もののけがたり』を振り返る。其の一〜

アカウントだけ作って、いつか何か書いたものでも公開しようと思いつつ、
これまでずっと放置も同然だったnoteですが、
思うところあって始めてみようと思います。
きままできまぐれな更新となることと思いますが。

『もののけがたり』と題して、
主に江戸期に伝わる怪異譚を朗読で楽しもうという企画を私が主催したのが、
かれこれもうなんと16、7年前。
朗読、といってもスタイルとしては落語や講談等をイメージ

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