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年収の高さと自分の時間のバランス

私の年齢になってくると、同世代のみんなの年収が1,000万円を超えてきます。
一橋の同期の優秀な人達は数年前から当然に超えていて、少し年下の子たちも半数近くが1,000万円を超えてきています。
私の世代の平均値で考えると1,100~1,200万円程度になるでしょう。

これはとても素晴らしいことで、彼らが今まで学び続けてきた努力が報われてきているということでもあります。

最も高い年収を得ている同世代の人(労働所得者の中で1番という意味)は、現在有名な外資コンサルに勤めていて、取ってきたプロジェクト次第ではありますが2,500~3,000万円ほど稼いでいます。

その次に年収が高い層は公認会計士と弁護士の皆で、平均的には1,200~1,500万円ほどになると思います。
ただ、弁護士の場合は労働所得ではあるものの、実態はただの個人事業主なので、弁護士会費と事務所の費用の負担を考慮すると、平均値は1,000万円ほどまで下がると思います。
街弁などをやっている人はもっと低いです。
ただそれでも一般の平均値よりはかなり高いはずです。

あと、勤務医の知人たちも、アルバイトの報酬を合わせれば1,200~1,500くらいになると思います。
※国立の病院に勤めている勤務医はかなり給料が安いので1,000万行かない人もいます。

上記のような状況を鑑みると、私のような変な生き方をしている場合を除いて考えれば、良い学歴を手に入れて、社会人になっても勉強を真面目に続けて仕事で必要な知識を詰め込んで、上司と喧嘩せずにそれなりに頑張っていれば1,000万円程度までは高確率で到達できます。
そういう意味では勉強して学歴を得るという行為はコスパの良い投資です。


しかし、同世代の人たちを観察している限り、年収が高くなればなるほど、自分の時間がほとんど無くなっているという点が気になります。

また、彼らのほとんどは保有資産で5,000万円を超えていません。
3,000万円超えている人も少数です。

多くの高所得者が資産を形成できていない原因は、彼らの生活費の高さにあります。
すでに結婚して、子どもがいる人が半数以上なので、支出がすごく多いのです。

家賃だけで25万円前後、生活費で20万円以上、教育費などでもさらに10万円以上かかっていて、そこからさらにクソ高い所得税や住民税が持っていかれます。
それゆえに貯金がほとんど残らず、資産が増えないという感じです。

一般的な家庭の人から見たら「いやそれ無駄遣いやん」と思うでしょう。
実際その通りで、私から見ても無駄遣いにしか見えません。

しかし、彼らには「家計のことを考える時間すらほとんどない」のです。

毎日早朝から深夜近くまで働き続けていて、土日も家族サービス及び仕事に関する勉強をしないといけないので、家計のことはすべて奥さんに任せてしまっているのです。

そして私の知る限り、年収が高い男性と結婚している奥さんの中で、投資家的思考を持ち合わせている人はほぼ皆無で、元々裕福な家庭で生まれ育っているご令嬢のような人ばかりなので、お金の使い方がかなり酷いです。
人間としてはすごく性格が良くて、お上品で、見た目もキレイなのですが、お金の使い方がヤバいです。
貧困層出身の私からしたら(言葉を選ばずに言うと)頭がおかしいのかと思ってしまうほどです。

そもそも家賃に25万円(ちなみにこの値段でも安い方)もかける意味がわかりませんが、絶対に生活の質を落としたくないそうで、ほとんどの人が職場に近い23区内の良い感じのマンションに住んでいます。
武蔵小杉のタワーマンションみたいなあまり価値が無さそうな割高物件に好き好んで住んでいる人もそこそこいます。
その他にも私の感覚では要らんやろと思う経費が諸々かかっていて、生活費で毎月60~80万円程度ぶっ飛んでいきます。

年収1,500万円の人でも手取りでいうと1,000万円まで減るので、それを月額ベースに引き直すと大体月額85万円程度です。
もちろんボーナスも月額に換算しているので、実際の月額手取りは更に減ります。
その結果、毎月の報酬はほぼ生活費で消し飛んでしまっていて、半年に1回のボーナスを切り崩して生活しているような感じです。

そして、ボーナスの残りがあれば、それが貯金になります。
まぁそれも年に1回の海外旅行で消し飛んで行っていますが。


私は旦那たち側としか親しくないので、奥さんが何を考えているかは正直わかりません。

たまに旦那たちと話す時に、そのままで大丈夫なのかと聞くこともあるのですが、彼らは「まぁ仕方ないよね。結婚しちゃったし、子どもも可愛いし。一生懸命働けばなんとかなるかな」と言っています。

本人たちが幸せなら……良いのかなと思います。


ただ、客観的に見ると問題が山積みです。
すでにお金の問題で揉めて、離婚の協議を始めているカップルも一部いるので、潜在化した問題がいつ顕在化するかわかったものではありません。

そういう事例を多く見る年齢になってきたからこそ、私自身もいろいろと考えさせられます。

たしかに、高学歴になると平均的な所得が上がります。
私の周りにも年収1,000万円以上の人がいくらでもいるので、高学歴になるということの効果と優位性を実感しています。

しかし、それと同時に、年収が上がるにつれて自分の時間のほとんどを失うのは、かなり大きなリスクだと感じています。

自分の家計のことすら考えられなくなったり、あまりお金の計算が得意ではない奥さんに任せざるを得なくなるのは、人生において損失しかないでしょう。
そういう状態に陥ったら、何のために心身を削って働き続けているのかわかりません。

だからこそ、高学歴の皆さん(女性も含む)は、報酬と時間のバランスをよく考えましょう。
高い年収を稼ぐことは素晴らしいことですし、尊いことです。
これは間違いないのですが、それによって自分の時間を切り売りし過ぎないようにしないといけません。

士師業(医師・公認会計士など)は特にその傾向が強く、自分の時間を犠牲にしまくって高い報酬を稼ぐという労働集約型なので注意が必要です。
自分の人生を犠牲にして稼いだお金をもっと有効に使えるようにするためにも、意識的に労働をセーブして、考える時間を持ちましょう。

そして出来ることなら、自分のお金は自分で管理しましょう。
知識量や賢さをベースに考えても、自分で管理して運用した方が効率的です。
家族といえども他人にお金の管理を任せるのは危険です。

完全に信頼できる良い奥さん又は良い旦那がいて、自分の資産をしっかり管理・運用してくれるという状況でもない限り、自分で管理すべきだと思います。


余談ですが、私の周りの同世代の労働所得者で、現時点で資産5,000万円を超えている人を何人か思い浮かべてみると、独身貴族のおっさんたちと、独身の女医・女弁護士しか思いつきませんでした。
私を含めてですが、それが幸せなのかと聞かれると、わかりません。
女医さんについては「全く幸せじゃない!結婚したい!良い男紹介しろ!」とこの前言われましたので、幸せじゃないらしいです。

彼ら・彼女らは忙しすぎて自分の通帳を見る時間すら取れないという感じで、そこそこ高い家賃の家に住んでいますが、ほぼ寝るためだけに帰るという日々を送っています。
時間が無いのでお金を使う機会もほぼなく、たまに高い買い物(マンションとか車とか)を買っているくらいです。
ただ、車を買ったおっさんいわく、休みがなくてほとんど乗れてないらしいですが。

私を含めて、すでに皆35歳を超えているので今後結婚できるかは怪しいですが、結婚できたとして、果たして管理できるのか。
それとも他の既婚者と同様に負のループに入っていってしまうのか。

今後の成り行きに、是非ご期待ください!

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