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「noteを書く自分」へのインストール

本って、読むべきタイミングがあるんだな。
と、再読ならではの面白さを実感する機会が、最近ありました。

2023年の年末に、歌人の木下龍也さんの本『天才による凡人のための短歌教室』を再読したんです。

初めて読んだのは、2022年の5月でした。
その時も感銘を受けたんですが、noteで発信するようになった今だからこそ「読んでよかった…!」と、初読時とは全く違う驚きに胸打たれたんです。


この本は『短歌教室』というタイトルのとおり、現役の歌人でもある木下龍也さんが、短歌をつくることから生業にすることまで、大まかに分けて下記の章で解説しています。

第1章 歌人になる
第2章 短歌をつくる
第3章 歌人として生きていく
第4章 推敲編

「つくる」よりも先に「歌人になる」があるのも、読むと納得できるはずです。
最初の一歩を踏み出すためには、具体的な手法よりも心構えのほうが有効、ということもよくある話ですよね。


そして、第2章で語られる「具体的な手法」もすごい。
定形を守れ/助詞を抜くな/余白に甘えるな/目を閉じて、よく見ろ/文字列をデザインせよ/きらきらひかるな/……
これらひとつひとつを、簡潔かつ丁寧に解説してくれています。

あくまでも「短歌」における手法なんですが、短歌をつくるために活かすことを通り越して、もはや文章術や創作論の領域です。
それでいて「文章術」や「文章論」などの単語で、書店やAmazonで検索しても出会えない本でもある。

今のところ短歌を始める予定はない、という人にも刺さる内容が満載です。
特に「書く人」であればなおさら、短歌という主題を自分ごとの「創作」に落とし込める。そんな普遍的な示唆に満ちた一冊だと言えます。


私は【歌人をふたりインストールせよ】の章に倣って、昔よく読んでいた森博嗣さんの本をいろいろ読み返しています。
自分とは全く違う考え方がおおいに参考になる。
加えて尊敬する人の思索の成果を、時間をかけて読み込む行為そのものが、メンターとの対話のような実りをくれるものだと今更ながら実感している次第です。


ふたりであることによってそれらがあなたのなかで混ざり合い、「あの人っぽさ」から距離を取ることができる。

【歌人をふたりインストールせよ】より引用

「ふたり」のうちのもう一人、誰がいいかな。
もう少し考えてみます。


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