料理できる人はモテるの意味を完全に理解した
ヨーロッパではさ、料理できる人ってモテるんだよ。
そんなことを日本にいるとき、何度となく聞いたし言われてきたけれど、いまいちピンときてなかった。
ピアノ弾ける人は素敵だよね、みたいな話かと思ってた。
なんだってできないよりはできた方が良いに決まってるけれど、そんなに披露する機会なくないかって。
日本にいるときも、海外に出張したときもプライベートで旅行したときも、誰かと食事するのって外食ばかりだったから。
年々自炊の頻度は落ちて、東京にいた最後の2年は完全に外食だったから。お湯すら家で沸かした記憶がない。
こっちに来てからはお金もないし、外食は基本おいしくないから自炊してるわけだけど、これは必要に応じて行ってるだけで、特段なんの感情もない。可処分時間が減るからめんどくさいなぁとさえ思っているフシがある。そんなに調理を楽しんでいない。
それで、先日知り合ったチャーリーが料理が得意だというので、ファンの家のキッチンを使って自慢の料理を振舞ってくれることになった。
端的に言って感動した。調味料こそファンの家にあった、本来セントビンセントでは手に入らないものを少々使っていたけれど、それ以外の食材は全部、セントビンセントのもの。
ハタをカラッと中華風に揚げたもの、蒸し豚のスライス、セビーチェ、ヤギ汁、貝とショウガの炒め物…どれもほんとに素晴らしかった。
そこでようやく理解した。
料理ができる人がモテるんだよ、という意味を。
つまり、みんなを楽しませることができるからなんだな、と。
限られた環境の中で、与えられた制約の中でみんなをハッピーにすることができるからなんだなと。
日本を含めアジア圏にいたときにそれに気づけなかったのは、アジアって基本的に外食文化で誰かを招いてホームパーティーってそこまで一般的じゃないからだろう。料理の腕を披露する機会なんてそうそうない、というかまずない。
でも、ここも含めて欧米って誰かを招いての夕食会って自宅なんだろうなと。ホームパーティーが基本なんだろうなと。だから外食のバラエティーが少なかったり、味もイマイチだったりするんじゃないかなと。
ホームパーティーが基本なら、披露する機会多いから、食事でみんなを楽しませることができるなら、そりゃ魅力的だし、そりゃモテるなと。
思えば、月1回くらいの頻度で栄養士のAさんがカップケーキやシナモンロールを作ってくれるんだけど、あれほんとに嬉しい。この国じゃ悪くないマフィンやシナモンロールなんて存在しないから。やばい。
たぶん、日本で知り合うより4割増しくらいで魅力的に映ってる可能性がある。危ない、今までこのバイアスの存在に気づいていなかった。
そう、食のバラエティーに乏しかったり相性のいまいちなこの国では料理ができる人、得意な人っていうのは日本はもちろん、欧米でのそれよりもポイントがかなり高い。ほんとに。着物を着たら2割増しどころの話じゃない。
だって、おいしいものを食べるって素敵なことじゃない。すっごいハッピーになれるじゃない。
歌がうまい、ギターが弾けるっていうのも、みんなを楽しませることができるからモテる。
みんなを楽しませるって、要は感情を動かすことができるってことだから、感情を動かす人がモテるってことなんだろうな。
ぼくもちょっと料理がんばってみよう。
不純な動機だけど。
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