なんでシナモンロールすぐなくなってしまうん?
だめだー、今週も成果なく1週間が終わってしまったーと朝起きたら、まだ金曜日だった。びっくりした。こんなことは人生で初めて。
よかった、まだ金曜日だ、がんばるぞ!と思うはずもなく、うわぁ行きたくねぇと思ってしまった。
疲れてるのかもしれない。
いや、疲れてる。だって進捗なにもないんだもの。
なにも言うことがないんだもの。
なにも浮かばなかったからって、なにもしてない訳ではなくて
なにも言うことがないくらいに なんでもない時間が素敵で…※1
とはならなくて、この気持ちをなんと表現すればよいのだろう。
小さな成果をだすために果てしなく長いドミノを立てているような、そして必ず途中で倒されているような、2歩進んで3歩下がったりなぜか左折したりするしんどさがある。
もちろん、シャワーを浴びてリセットしてちゃんと仕事に行った。
ほんとの週末を目前にして、ナイジェリアン女子に愚痴聞いてもらう?どうする?いっしょになって悪態つきまくる?とか考えていたら、栄養士隊員のAさんから「スフレチーズケーキ焼いたから週末食べに来ない?」というLINEが飛び込んできた。
スフレチーズケーキ!なんておしゃれな響きなのかしら。甘美な誘惑!抗えぬ本能!ぼくの口は既にスフレチーズケーキの口になっている!
もちろん行くわ、アフタヌーンティーね!
なんて返信した、翌日。
しっかり寝ぐせボンバーで徒歩3分のAさん家へ行った。
抜群においしかった。
フォークを立てて落とすとなめらかでお上品で、ほのかな甘さがあって。
至福の時間だった。
そうだ、ぼくの人生に欠けていたものはこういう上質なスイーツと過ごす優雅な時間だなと思った。
シナモンロールもつくっていて、もちろんもらった。おいしい。
Aさんはバリスタだからコーヒーもこだわりがあって良い。
このクオリティをカフェかレストランに求めると、このあたりだとニューヨークまで行かないとないと思う。片道6時間。ざんねんだけど、それが現実。
だから、ほんとに良い。
語彙力が貧困過ぎてぼくのこの溢れくるこの感動を表現できてないけど、チーズケーキにしろ、シナモンロールにしろ、ひとくち口に含んだときに、全身がポジティブなもので満たされていくのがわかった。
忘れていた重要ななにかを思い出したような、パズルのピースがうまくはまったような、大富豪で勝ったような、国境の長いトンネルを抜けると雪国であったような、鮮やかさと爽快さがあった。
冒頭の疲れはどこかへ飛んでいったような気がする。
このチーズケーキとシナモンロールがなければ、闇落ちしていたかもしれない。バーンアウト寸前まで来ていたのかもしれない。
週末はハンバート ハンバート※2 を聴いて、深いところまで一旦落ちようと思っていたもの。
なにをしても なにを見ても
虚ろな目は 死んだ魚
吐き出されたコトバたちが
部屋中溢れて腐ってる
人の胸に残るような
そんな歌がつくれたら
負けた、負けた、今日も負けだ
光るコトバ見つからない
酒だ、酒だ、飲んでしまえ
虎にもなれずに溺れる
って気持ちだったもの。
*****
帰りに、ベイクドチーズケーキとシナモンロールを1つお土産にもらった。
いつ食べようかなと思いながらルンルンで帰って、暑くてベトついてからシャワー浴びたら気づいたらなくなっていた。
どっちも。衝撃。
シャワー浴びてさっぱりしたままの勢いで食べてしまった。
なんでおいしいものはすぐなくなるんだろう。
もっと大事に取っておくべきだったのかな。
どうやったら取っておけるんだろう。
そんなことできるのかな。
マンガだったら1回味わっても減らないのに。感動は減っていくけど、気づいたら数十冊に繁殖してたりして生命力ハンパないのに。
なのに…シナモンロールもチーズケーキも生命力弱すぎやしないか。
ぼくは明日からそれらの思い出とともに生きていかなくちゃならない。
なんでシナモンロールすぐなくなってしまうん?
※1 EVISBEATS「いい時間」より引用
※2 ハンバート ハンバート「虎」
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