DV加害更生の試み #未来のためにできること
「こんにちは! よろしくお願いします!」
Zoomにログインして、みんなの顔がみえると同時に挨拶をする。
みんなというのは、DV加害更生プログラムに参加するみんな。年齢は20代〜60代。職業は公務員、会社員、自営業等。居住地は日本全国、海外からも参加している。
みんなと私の共通点は男性であること、そしてDV加害者であるということ。
お付き合いをしたパートナー、結婚をした妻に暴力をふるい、子どもに虐待をしてきたDV加害の過去があるという共通点。
DV加害更生プログラムが始まると私たちは「心のスケール」を1〜10の数値で今の心の状態を打ち明ける。
「みなさん、こんにちは。私の心のスケールは7です。仕事の人間関係で少しトラブルがありましたが、自分自身に向き合い良い方向に動いたと思います。今日もプログラムで自分の思考癖、変わっていく点をみつめていきたいです。よろしくお願いします。」
私はプログラムに6年間参加を続けている。パートナーと現在別居。そのパートナーの前にお付き合いしていた方、私自身の母にも10代の頃から暴力行為を繰り返してきた。
プログラムに参加を続けているみんなは私のその過去を知っている。
私もみんなのそれぞれの過去を知っている。
互いの過去と現在を知っている私たちはお互いを「〇〇さん」と呼び合う。
尊重を込めて名前を呼び合う。
心を通わせて心を改める作業。
私たちはプログラム参加を通して、考え方を変えて、日常に生かし、心の根から変わることを試みている。変わってきたのかは答えを求めることが現時点ではできないと思う。ずっと変わり続けていかないとならないと思う。そして、願わくば社会と共に変化を続けていきたいと思う。
プログラムに参加するみんなと励み支えあい、みんなの声を聴いて、心から自分自身を改めて生きたいと思う。
街を歩く子ども達をみていて、どうか暴力が繰り返されることのない社会でのびのびと笑顔を失くさずに暖かい心で育くむことを祈り願う。
「ただいま!」と「おかえり!」が聞こえる家の中で、女性が叫び苦しむ声や子どもが助けを求める声をできるかぎり0ゼロに近づけていきたいと思う。
それはDV加害当事者である私たちに課せられた責任と約束。
プログラム参加は今日も続いている。
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