【レビュー】『チケット完売のCスタが熱狂した勝利』~第34節ファジアーノ岡山VSベガルタ仙台~

※薬の副作用によって体調が優れず、マッチレポートのみとなります。

試合結果

2023 J2 第34節
9/9 19:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(1-0)仙台
90+4分 ステファン・ムーク

スタメン

マッチレポート

またしても“救世主”ムーク降臨。満員のCスタを包んだ4連勝の歓喜

 その瞬間は、最後の最後に待っていた。木村が力強く右サイドを突破し、高木を経由してボールはゴール前のルカオへ。背番号99が反転から右足を振り抜いたシュートはGK林に弾かれて、10本目の CKを獲得。満員のスタンドを盛り立てた田部井のキックは相手のクリアに遭うも、こぼれ球に反応した柳が競り勝ち、ステファン・ムークが倒れながら落下地点に潜り込む。ムークのシュートがGKの脇をすり抜け、ネットに吸い込まれた瞬間、シティライトスタジアムが興奮のるつぼと化した。

 岡山は立ち上がりからセットプレーを獲得して仙台を押し込んだ。3分に田部井のCKに柳が頭で合わせてネットを揺らしたが、チアゴ・アウベスがオフサイドポジションでプレーに関与したと判定されてノーゴールに。その後は安定したビルドアップとサイドの背後を狙う動きによって相手陣内で試合を進め、20分にはチアゴとのワンツーで相手守備網を切り崩した坂本がシュートを打つも、わずかに枠を逸れた。ホ・ヨンジュンを起点とした仙台のカウンターには、チャレンジ&カバーの徹底で対応し、ゴール前中央に入ってくるボールは柳が力強く跳ね返す。際どいピンチは24分にFKから若狭にフリーで許したシュートくらいで、前半は枠内シュートを1本も打たせなかった。

 後半は仙台のペースで始まった。齊藤と松崎が高い位置からドリブルを仕掛けるようになり、両SBも積極的な攻撃参加からクロスを狙う。岡山は自陣で守る時間が続くが、末吉と高橋が粘り強く対応し、堀田が勇気のある飛び出しでクロス対応にあたっていく。55分から登場したルカオとムークの推進力で徐々に押し返すと、ルカオの突破からムークがシュートを放ち、クロスにルカオが豪快に飛び込んでチャンスを作った。仙台も途中出場のアタッカーを中心にゴールに向かう中、右サイドから切れ込んだ加藤のシュートはGKの好守に遭う。

 互いに仕留めきれないまま迎えた90+4分、Cスタは熱狂の渦に包み込まれた。クラブ記録に並ぶ4連勝を飾り、プレーオフ圏内の6位に浮上。チームとサポーターが一体となって呼び寄せた劇的な勝利は、昇格への歩みを加速させるに違いない。そう思わせるほど、岡山に関わる全ての人々が充実感に満ちていた。

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