【レビュー】『セットプレーで迫るも遠かった1点』~第27節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

試合結果

2022 J2 第27節
7/18 18:00K.O. @シティライトスタジアム
岡山(0-0)栃木

スタメン

マッチレポート

セットプレーで迫るも、スコアレスドロー

岡山はセットプレーで確実にゴールに迫った。しかし、1点が遠かった。

立ち上がりこそ栃木が連動したプレスとサイドの幅を使った攻撃で主導権を握ったが、岡山が古巣対戦となった柳を中心にシュートを食い止めていくと、デュークを起点に敵陣に入っていく。今季初めてトップ下で先発した佐野も球際を強く戦う中で、徳元のロングスローを含むセットプレーでゴールに迫った。32分、右サイドから徳元がロングスローを投げ入れると、ニアでデュークがフリックして柳が飛び込むも、シュートはわずかに枠を外れる。背番号5はピッチを叩いて悔しさを表した。徳元はロングスローをニアとファーに投げ分けて、ポイントを絞らせない攻撃を演出していく。しかし、栃木の守備も集中していた。192㎝のグティエレスを中心にゴール前の競り合いは非常にタイトで、GKも果敢にゴールマウスから飛び出して放り込まれたボールを弾き出した。

セットプレーで押し込んだ岡山は前への矢印を強めていき、35分に佐野が相手のパスミスをカットしてPA内でGKに倒された。しかし、レフェリーの笛は鳴らず。39分には徳元のFKにデュークが頭で合わせたが枠を外れた。

後半に入っても岡山はセットプレーでゴールに迫った。河野の右足からも鋭いボールが入ってくる中で61分にはCKのこぼれ球から佐野がミドルシュートを放ち、CKを蹴った河野が左サイドからクロスを上げる。相手の逆を突いたボールがゴールに向かっていったが、枠を越えた。栃木が61分に東京FCから加入した髙萩とトカチを投入して好機を作り出すも、柳が体を投げ出してブロックした。岡山は2選手を投入して3バックに変えた81分以降も徳元がどんどんロングスローを投げ込んでゴールをこじ開けようとしたが、最後までネットを揺らすことができなかった

セットプレー、特に徳元のロングスローは相手に脅威を与えた。背番号41が投げ入れるボールは遠くに飛ぶだけでなく、力強い。栃木がタッチラインにクリアしてもCKやFKを与えていると変わらない。蟻地獄のような状況を作り出したが、枠内シュートは1本(スポナビより)に終わっている。新潟、横浜FC、仙台の上位3チームは共に複数得点で今節に勝利した。得点を取ることができないと、彼らに追いつき追い越すことはできない。


コラム

古巣戦で攻守に存在感を発揮した柳育崇

「昨年まで一緒に戦った選手と勝負をかけて戦えるのは本当に幸せでしたし、もっと強くなりたいなと感じました」

古巣の栃木をホームに迎えた柳は、立ち上がりこそ激しいプレスを受けて自陣でボールをロストする場面があった。かつて在籍したチーム、共に戦った仲間との対戦は特別な難しさがあるのかもしれないと感じたが、杞憂に終わった。

攻撃ではロングスローを含むセットプレーであと一歩のところまで迫った。32分には徳元のロングスローをデュークがフリックしたボールに飛び込む。その直後にもロングスローが作り出したゴール前の混戦からいち早くボールに反応したが相手DFのマークに遭ってシュートは打てなかった。栃木の選手は昨年に8得点を決めた柳の得点力を十分に知っている。厳しいマークの中でチャンスを決めきれなかった柳はピッチを強く叩いた。

しかし、5試合ぶりの無失点に大きく貢献した。ゴール前で何度も、何度も体を投げ出してシュートをブロック。48分、山本のシュートをスライディングで食い止め、64分には瞬時に寄せてトカチのシュートを足に当て、66分にも大森の折り返しに合わせたトカチのシュートに体を投げ出した。この試合で最多の5回のブロックを記録してピンチを防ぐ姿はゴール前の番人だった。

「非常に思い入れのあるチーム」との対戦は引き分け。試合終了の笛が鳴り、両手を膝に突いた背番号5は向上心を持って次節も古巣の新潟と対戦する。

ハイライト

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