【勝因】『残り75分以上を守り切る決断』~プレミア・リーグ第27節ボーンマスVSリバプール~

試合結果

2022‐23 プレミア・リーグ 第27節
3/11 21:20K.O. @バイタリティ・スタジアム
ボーンマス(1-0)リバプール
28分 フィリップ・ビリング

スタメン

75分以上の時間を守り切ると決断した最下位のボーンマスが、2連勝かつ5試合連続無失点と復調を見せるリバプールを1‐0で撃破した。

前半は立ち上がりからリバプールがボールを握ってゴールに向かっていく。6分にDFトレント・アレクサンダー=アーノルドのCKをDFファン・ダイクが頭で合わせたシュートが枠を捉えるも、MFジェルソン・レルマがゴールライン上で掻き出した。13分にはFWダルウィン・ヌニェスの折り返しをFWコーディ・ガクポが押し込んでネットを揺らしたが、オフサイドでノーゴールとなった。

GKネトを中心に全員で粘り強く守るボーンマスは、29分に一瞬の隙を突いて先制点を奪取する。MFダンゴ・ワッタラーがDFファン・ダイクの背後から抜け出してPA右から折り返したボールをMFフィリップ・ビリングが流し込んだ。

ボーンマスは残り時間が75分以上も残っている中で、1点のリードを守り切ることを決断する。基本布陣を[4-2-3-1]から[5‐3‐2]に変更し、ゴール前中央に人数を集めて守備を固めた。この決断は消極的に思うかもしれないが、相手の強みを消す点で理に適ったものだった。

ボーンマスが完全に自陣に撤退することによってスペースを埋め、リバプールの強みであるスピード豊かな攻撃を封じることに成功した。FWモハメド・サラー、FWヌニェスに快足を飛ばしてゴールに向かっていくシーンを作らせず、ブロックの外からクロスを上げるように誘導することもできた。セットプレーからDFファン・ダイクにヘディングシュートを打たれる場面を何度も作られたが、DFマルコス・セネシを中心に粘り強く身体をぶつけて、シュートを枠に飛ばさせなかった。

後半はリバプールがFWディオゴ・ジョッタを投入して攻勢を強めてきた。49分には敵陣中央でボールを奪ったFWジョッタの鋭いミドルシュートが枠の右に飛んでくるも、GKネトがダイビングセーブでしのいだ。

ボーンマスは後半も守る、耐える、防ぐ。後半はシュート0本に終わったが、迂闊に攻めないことでリバプールに得意なカウンターを打たせず、守ることを優先していた。相手のミスから高い位置でボールを奪った時は、多くても3人でカウンターに出ていく場面はあったが、あくまでもリスクを削ぎ落すことを徹底していた。

67分にはDFジェームズ・ミルナーのクロスを頭で合わせたFWジョッタのシュートがDFアダム・スミスの手に当たってPKを与えてしまうも、FWサラーのシュートが枠を外れて事なきを得る。運も味方につけた。

終始、ボーンマスが自陣に撤退して守りを固めたことで、結果的にリバプールに大好物のスペースを与えずにスピードに乗った攻撃を許さなかった。75分以上の残り時間をしっかりと守り切って大金星を収め、順位を18位に上げた。

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