【プレビュー】『修正、代役、ジンクス』~第6節ジェフユナイテッド千葉VSファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

前節から修正するビルドアップと櫻川不在の前線をけん引する選手

今季初黒星を喫した岡山にとって今節は絶対に負けられない一戦だ。連敗をしているようでは上位を走る町田、大分に追いつくことはできない。目標のJ2優勝に向けて再び力強く踏み出す試合にしたい。

前節はビルドアップのミスから失点を許す悔しい敗戦だったが、岡山は今節も自陣からパスをつないで攻撃を組み立てることを継続する。さっそく今週の公開練習では2日間ともに、前節の反省を踏まえて自陣からのボールの動かし方を確認した。ボードの前に選手を集めた木山監督がレクチャーしてからスタートすると、選手たちが真剣に話し合う場面も見られ、狙いを表現しようと意欲的に取り組んだ。指揮官は後方の形に修正を加えた。特に輪笠と鈴木の立ち位置やプレー選択について細かい指示を送り、新たな配置も試した。また、ビルドアップの目的はあくまでもゴールに向かっていくことで、前線の選手は裏に抜ける動き出しも強く求められた。

今節に対戦する千葉は2連敗中で、ホーム戦未勝利のため、相当に意気込んでいるだろう。甲府と同様に前からボールを奪うスタイルを志向しており、前節のように圧力を掛けるためにシステムを変更することも考えられる。

強烈なプレスで襲い掛かってくる相手をかわしてゴールに向かっていくビルドアップに注視する中、全試合で先発中の櫻川が契約により今節に出場できないため、前線の構成にも注目したい。U-20代表から帰ってきた坂本と佐野は気合い十分で、ルカオも調子を上げてきている。5試合で2得点を挙げた背番号18の代わりに前線をけん引する選手に期待が高まる。

コラム

フクアリで13年未勝利のジンクスを打ち破るのは相性抜群の輪笠祐士

今年こそフクアリで勝利の喜びを噛みしめることができるのではないか。なぜなら、2023年の岡山にはフクアリとの相性抜群の輪笠祐士がいるから。

2021年3月。秋田に所属していた輪笠は初めてのフクアリで得点を決めた。1点をリードして迎えた17分、味方が右サイドから上げたクロスは相手DFにクリアされるも、素早い出足でPA手前にこぼれたボールを拾うと、左足を振り抜く。鋭いシュートをゴール右スミに流し込んだ。

自身にとってこれが記念すべきJ2初得点だった。記録に残る得点を決めた輪笠のもとにはチームメイトが続々と集まり、手厚い祝福を受けた。そして試合は2‐0で終了し、チームの勝利に貢献した。さらに輪笠はその翌年もフクアリで勝利を収めている。フクアリでの成績は2戦2勝1得点、相性は最高だ。

岡山にとってフクアリは鬼門である。通算成績は3分10敗で、リーグ戦で一度も勝ったことがない。何度も悔しさを味わってきた場所だが、今年のチームの中心には輪笠がいる。前節は開始3分の失点に絡んで悔しさを味わうも、今節はJ2初得点の喜びを思い出しながら自信をもってフクアリに乗り込むのではないか。今季から秋田でも付けた背番号6に変更している輪笠が相性の良いスタジアムで前節の屈辱を晴らし、彼が舵を取る今季こそチームとしてジンクスを破りたい。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

読んでいただきありがとうございます。 頂いたサポート資金は遠征費や制作費、勉強費に充てさせていただきます!