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カザフスタンにおけるアスタナ万博前後の変化について

前回のエントリーの通り、カザフスタンでは2017年にアスタナ万博が開催されました。

私自身はアスタナ万博以前に2度(2015年、2016年)、会期中・以降(2017年、2018年)で2度、計4度カザフスタンを訪れているのですが、今回はpre/postアスタナ万博で感じたカザフスタンにおける変化についてまとめてみます。

スタッフの対応軟化

万博期間中、アスタナに到着して驚いたのは、空港スタッフの対応でした。

それまでの2回の訪問時、最も強く印象に残ったのは「無愛想さ」。

日本で生まれ育ち、アメリカ留学を経験していたこともあってスマイルだとか、お客への奉仕・サービスが卑しくも当たり前だと思っていました。

カザフスタンへは日本人ならば(30日間以内の観光目的であれば)ビザ不要で渡航できます。代わりに空港で出入国カードを記載し、入国時にカードにスタンプを押してもらい、それを出国時に渡すことで帰国できます。

ちょっと不親切な話ですが、空港のカウンターにカードだけあって、ペンがないことがありました。記入事項があるのでペンを借りたかったのですが、空港スタッフにペンを借りようとしても"нет (No)." …いや、ペンがないと入国手続きできないんです。。。ということを伝えようとしても取り合ってくれない。融通が利かないというか、いやテロや暴行防止的な規定で武器になりうるものを渡せないのかもしれない、でも話だけでも聞いてくれてもいいのに…そんな強烈な印象を、最初の2回までは持っていました。

それが2017年。

この時は空港カウンターにもペンがあったので難なくカードに必要事項を記入していると、空港スタッフが「書き方わかる?こう書くんだよ〜」的な声がけをしてくれたり(この時点でかなり驚いている)、入国時にパスポートをみて日本人とわかるなり”コニチワ!”、"Welcome to Kazakhstan!”と声をかけられたり、出国時は後ろが詰まるくらい「日本知ってるよ!あの映画がさ…」とずっと話しかけてくれたり…。

最初の2回が"ハズレ"だったんじゃないの?とは思われるかもしれませんが、街中のスーパーや博物館、レストランでも基本ノースマイル(誰かが話しかけるまで、窓口担当はイヤホンしてiPhone触っているなどザラ)だった過去に比べると、かなり態度・雰囲気が変わっていました。

正直「スタッフの対応軟化」がこのnoteで一番書きたいことと言って過言ではないほどに、私自身が日本・アメリカで当たり前だと思ってしまっていたサービス精神をカザフスタンでも体験できるようになったことが、最大の変化だと思っています。もちろん文化や歴史的背景も違うので、それが良い・悪いということを論じたいわけではありません。いち観光客目線で目に見えた変化のひとつが、スマイル・サービス精神なのでした。

英語対応の強化

カザフスタンは旧ソ連でもあるので、基本的にはロシア語表記・話者が多い特徴があります。

※現地語であるカザフ語を復興しよう!というムーブメントもあり、カザフ語も併記されているほか、年配者ほど両言語をそつなく使用できる一方、若者はロシア語は不自由なく使えるがカザフ語は簡単な表現だけ、という傾向があるといいます

じゃあ私は、というと日本語・英語のみのバイリンガル。アメリカ留学時代に知り合ったカザフスタン在住の友達を通じて、案内や伝達をしてもらっていました。

単独渡航したこともあり、ロシア語のガイドブック片手に乗り込んではみたものの、例えばレストランのメニューのロシア語は(大学で独学した程度の語学力で)多少イメージはつくものの、注文もスタッフのロシア語も聞き取れない、、、

ダメ元で英語で聞いてみたら、

「英語がわかるスタッフを呼んでくるから待ってて!」

…2015-16年頃はここまでの対応は見れませんでした。。もちろんその時はカザフスタン人の友達に頼っていたから、というのはありつつも、(空港スタッフはもとより)街中で英会話だけでカザフスタン旅行ができるとは思っていませんでした。

ちなみに、日本ではそこらじゅうにあるスターバックス。カザフスタンへは2016年に初上陸し、徐々に店舗数を増やしています。(過去ご紹介のテント型ショッピングモール:ハーンシャティール内に第一店舗がオープン)

今回、日本やアメリカと比較したサービスや英語対応の体験談を書き綴っていますが、スタバはバリスタとしての技術や接客に力を入れて教育しているだけあって、ここだけ不思議なくらい、”いつもと同じ”サービスを受けられます。

無愛想・ノースマイルが気持ち良かったわけじゃないけれど、ある種の"東側感"も感じていたので、カザフスタンのサービスが西洋様式にすり寄ったらそれはそれで寂しさもあるな、なんてどっちつかずのことを考えながらフラペチーノを飲んでいました。

ちなみに、バイテレクがデザインされたマグカップも売っています。カザフスタン限定デザインということもあって買ってしまいました。

あくまで4年連続で渡航するほどのカザフスタン好き、観光客、という立場に立って感じられたpre/postアスタナ万博における変化について書き連ねてみました。

2019年に建国(ソ連独立)以来の大統領変更に伴い、前大統領:ヌルスルタン・ナザルバエフ への敬意を表して首都名がヌルスルタンに改まり(これ自体は、多くの国民が反対していたと言います。。)、アスタナ時代と比べた街の雰囲気はどうなんだろう、と気になっています。

2020年5月現在で、ビザ不要の日本人であっても渡航ができない状態です。世界各国のコロナ警戒が緩和・解除され、またカザフスタンの風を感じられる日を待ちわびながら、今回の締めとします。

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