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『さらば時空勇者タマデラス』脚本公開に寄せて
「実現しなかった作品」
というものには、どこか抗いがたい、儚い魅力がある気がします。
今日は、そんな作品について少しだけ思い返してみようと思います。
「しゃべるな!マナジーがなくなるぞ!」
初音ミクのフィギュアを手に謎のミュージカルを繰り広げる頭髪に特徴のある勇者の動画が13年前にちょっとだけ流行ったのを、知っている方はどれくらいいるのでしょうか。
https://www.nicovideo.
映画業界のハラスメント、搾取について
ステートメントと銘打てるほどにまとまった考えは書けていないかもしれませんが、自身が自主映画監督として活動してきた上で改めて記しておきたいと思ったことを、今までにもTwitterなどで断片的に書いていたことも含め、少しだけ記しておかせてください。
映画に限らず、あらゆる活動において、その価値が関わる人の安全に優先されることはありません。
映画業界にまつわり、昨今報道されている出来事の数々に日々、
「アラサー」というチャプターを閉じる
あとちょっとで、35歳になる。
「アラサー」という属性を作り手としてもアイデンティティの一つにしていたところがあったけど、定義的には多分あと5分ほどで僕はそこには属さなくなる。
5年間の振り返りなどという大袈裟なことをやろうとするとまた大反省文大会になってしまいそうなので(実際、昨日試みて地獄のような下書きを生み出して病んだ)、最近の気分を記した軽めの文章だけ書いておこうかなと思う。
今年に
Life's a bi*** and then you keep living.
毎年、ブログなりnoteなりで大晦日になんか書くのが恒例行事になっているので、今年もやろうかなと思う…のだけど、一切の下書きもなくこの行に着手した時点ですでに18時半を迎えてしまっているので、今年は大したことは書けないかもしれない。
まとまらないなりの雑文です。
作り手として去年の暮れにここでも書いたけど、『パラレルワールド・シアター』の作り手である、ということに付随していた、怨念めいたものや
「こんなことをしている場合なのか」
新作を作ることにした。
以前のノートにも書いていた「今年の夏」を舞台にした短〜中編だ。
世の中の空気や状況とマッチしない気がして一度は手を止めていたのだけど、仕事もなく自宅に閉じ込められる日々に何か目的を設けないと狂いそう、という一心で、結局もう一度筆をとるに至った。そして5月の終わり頃、緊急事態宣言が解除される少し前に、初稿を書き上げることができた。
ひとまず「書き上げる」ことが目的で、実
これからの物語、今までの物語
前回更新してから1ヶ月ほどで、ずいぶんと世界が変わってしまった。
簡単に近況を書くと、今僕は全ての仕事がストップしてしまっていて(もともと、不定期なものと定期的なものと、両方でバランスを取っていたんだけど、どちらも止まってしまった)、完全な無職在宅状態になってまもなく1ヶ月ほどが過ぎようとしている。
すぐに生活に困るような状況ではないんだけど、やっぱり、入ってくるお金がほぼなく、出ていくお金ば
「何者でもない」をやめようと思った 〜映画『パラレルワールド・シアター』を振り返る〜
3年前、僕は何者でもなかった。
「作り続けてきた」という以外に特に突出した実績もない、売れない自主映画監督として30代に突入した僕は、2017年のはじめ、何の後ろ盾もなしに、長編映画を作ることを決意した。
自分の中に鬱積していた思いを作品に昇華したい、このまま作らなくなっていくのは嫌だという気持ちが、何よりの原動力だった。
「これは自己ベストを更新するための作品であって、ついてくる結果に過剰な