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書きとめておかないと忘れてしまうので

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#ライター日記

8月某日 自動運転

8月某日 自動運転

昨日は裏返しになって、にっちもさっちもいかなくなっている蝉を2匹助けた。自宅に戻っていいことしたなあ、蝉の恩返しなんてあるかしらなんて思いながら雑誌をめくっていたら、沢木耕太郎さんが同じく蝉をレスキューする話をお書きになっていた。うれしいけれど、沢木さんのような大家と似た行動をとってしまって、ああすみません、という感じである。

自動運転(自動運行装置)にまつわる道路交通法が気になっていたので少し

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『スーパーノヴァ』を観て

二日続けて、カラスが蝉を捕食する瞬間に遭遇する。ワシワシした声が急に変調して、ジジジとなって消え去るのってひとつのホラーです。

映画『スーパーノヴァ』を観ました。コリン・ファースとスタンリー・トゥッチのカップルが愛の素晴らしさを音楽のように全身で奏でます。ときに激しく、優しく、哀しさをもって。愛する人のためにできることとは何なのでしょう。答えはなかなか出そうにないけれど、年を重ねたらまた観たいと

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『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観て

『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観て

親友を傷つけた昔の同級生を断罪し、復讐をする物語。元医大生で現在はカフェ店員の主人公をキャリー・マリガンが演じます。彼女といえば『わたしを離さないで』『未来を花束にして』といった社会性のある映画が印象深いところ。聞いたところによると脚本を吟味して出演作を選ぶことで知られているそうです。そうと聞いたらますます放っておけませんよね。

映画は最初から度肝を抜かれます。キャリー・マリガン演じるキャシーは

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7月某日

昨夜はジャーナリストの江川紹子さんとノンフィクションライターの石戸諭さんの対談を視聴した。短い休憩を挟んで3時間、ほぼぶっ通しの濃密な時間であった。ともに新聞記者出身であり、今の報道に憂いをもつお二人である。首相会見や数々の取材現場に置かれる記者の現状について、思うところを自由に言い合っていた。報道の現在地を少し垣間見れたように思う。

もっとも興味をひかれたのは、二人の意見が交差しなかったところ

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7月某日

運転免許証の更新に行く。1時間ほどの講習を受けた。運転は決して上手といえない身分なので、ありがたい。交通安全と一言ではいうが範囲は広い。講師は1時間という短い間に、最近の傾向から地域の特例、近年改定された道路交通法について、コンパクトに伝えてくださった。前のめりなほどに早口で、かつマスクをしているので語尾が聞き取りづらいのではあるが、重要性はひしひしと伝わってくる。間に10分の動画も挟みながら、な

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7月某日

子どもが2歳ぐらいの頃。先生との連絡ツールであるお帳面にこう書かれた。「靴を揃えていました。物を大切にする心が育ってきていますね」。保育士の先生のご指導をありがたく感じると同時に、生き物っていうのはそういう力を少しずつ身につけながら人間になっていくのかと感心した。物を大事にするのは人として基本でもある。よし、よし、ふふふと思ったものだ。
 
あれから数年。子どもの机は物であふれている。椅子の下にも

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7月某日

扇風機を買いました。デザイン性と機能性に優れたあのカッコいいの、と言いたいところだけど、予算の都合もあってそちらは泣く泣く見送りました。

あまりにも暑いので今晩使いたくて、家電店で買うことに。ピンキリな扇風機がずらーりと並んでおりました。両サイド2列が2つあったのでざっと40台はあったでしょう。どこがどう違うのか、素人目からするともう選ぶ基準が価格しかなくて、困っちゃって困っちゃって。

でもし

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7月某日

昨夜、布団に入ると子どもから「生まれてきたときどうだった?」と尋ねられた。産んだときの話だろうと思って、「えっとあのときはね_と伝えたのだけど聞きたかった質問はそうじゃなかったらしい。私が生まれたときどんな気持ちだったか?だそうだ。覚えているわけないんだけど、子どもって面白い。

就職活動中の友人がオンライン面接を初めて受けるというので、微力ながら少しだけ準備のお手伝いをしている。彼はズーム未体験

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7月某日

川沿いのいつもの散歩道を行くと、ちょっと前までたくさんの花をつけていたツツジがしょんぼりしていた。もうすぐ恵みの雨が来るだろうか。

新聞、週刊誌、月刊誌に発表された書評を再録し、本好きにとってはたまらないであろうサイト『ALL REVIEWS』(https://allreviews.jp)。実はこちらのメルマガの巻頭言を1年ほど前から書かせていただいている。現在は5人で週替りで、本にまつわる話な

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6月某日 悩み相談をどこにするか問題

雑誌や新聞に必ずといっていいほどあるものに、悩み相談コーナーがある。長寿番組のAMラジオの人生相談、随分前だがみのもんたさんのテレビ番組でも電話で話を聞くコーナーがあった。境遇が同じなら身を乗り出して聴きたくなるし、そうでなくても回答者の答えは参考になることが多い。新聞を開いても活字を読む気にならない日でも、お悩みコーナーだけは読んだりもする。

ここにきて、今までまったく想定してこなかったのだが

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6月某日 検査

本格的な梅雨を前に少し怯えているこの頃。週末にキーボードにコーヒーをこぼしてダメにしてしまった。朝7:22に新しいキーボード届く。しかし今日、私が待っているのはこれではない。昼食がてらメールボックスをのぞきにいくとAmazonの封筒と各請求書が入っていた。Amazonは仕事の資料でこっちも大事なんだけど、待ち人?はこれでもない。今日一日気を取られていたのはPCR検査キットの到着だった。注文すればA

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6月某日 『サンソン』すごい芝居でした

6月某日 『サンソン』すごい芝居でした

雑誌が一つ校了したので、曇天だが晴れ晴れとした気分の週末。西鉄久留米駅内の老舗の甘味店で抹茶のかき氷を食べていざ、久留米シティプラザへ。『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男』を観る。演出は白井晃、脚本は中島かずき、稲垣吾郎主演の新作である。主人公のシャルル=アンリ・サンソン はルイ16世やマリー・アントワネットなどに関わった実在の死刑執行人で、18世紀のフランスを舞台に物語は描かれる。シャルルは代

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6月某日

熟しきったヤマモモが枝から落ちて、地面を赤く染めていた。明日には久しぶりに雨が降りそうだから、数日すると発酵したような酸えた匂いが立つだろう。レビューを書くために映画を再び視聴して、執筆。少しだけ仕事をさせてもらっていた媒体との契約が解除となる。お世話になりました。桐野夏生著『インドラネット』を読み始める。読む勢いが少しも落ちず、自分が今どこで何をしているのかを何度も忘れてしまう。