「なぜこんな簡単なこともできないの?」は自分ルールの押しつけ
こんばんは、経営者のこうたです。
イラついている上司が発する有名なセリフの中に、「なぜこんな簡単なこともできないの?」があります。
私も何度も思っていますし、できるようにならない合理的な理由すら思い浮かびません。
しかし、できない人はいくら言ってもできない。
それは反発心から故意に外しているのではなく、能力が追いつかないからです。
つまり、できない人に何度も言ったところでできるものではないのです。
ただ感情で言うだけでは意味がないということですね。
1.『簡単なこと』には2種類ある
例えば、
遅刻をしない
期日を守る
漏れをなくす
などは、社会人としてできて当たり前という認識になります。
当たり前としている人からすると、『こんな簡単なこと』と思いますよね。
できない人はできないものであることに変わりはないものの、これは社会のルールです。
「社会人が時間を守る」というのは、「大人が歩いて移動する」のと同じくらい当たり前にこなすべきこと。
私からすれば、時間を守れないというのは、ハイハイして移動しているのと同じくらいアホなことです。
一方で、「こう話していれば営業が成功したはずだ。簡単なことだろ!」など、業務の遂行方法に関しては答えが1つとは限りません。
2.自分ルールの押しつけ
仕事の仕方は千差万別。
私は部下に教育をする際、その部下にはどういうやり方が合うのかを把握することから考えます。
性格と仕事の仕方は切っても切り離せません。
上司が部下にイラつくという時というのは、基本的に能力差にイラついているわけではありません。
性格の不一致です。
つまりイラつく時点で、その上司のやり方は部下には合わないということになるのです。
であれば、「こう話していれば営業が成功したはずだ。簡単なことだろ!」は、上司のルールを押しつけているに過ぎません。
3.ルールを押し付けるのは、理解の放棄
仕事がうまくいかない人には、理由があります。
・モチベーションがない
・やり方を知らない
・やり方が合わない
モチベーションがないなら、仕事のことで何を言っても無駄です。
なぜモチベーションが低いのかから探る必要があります。
やり方を知らないなら、教えてあげればいいだけ。
知らないことを教えるのに、感情的になってはいけません。
やり方が合わないのであれば、合う方法は何かを模索する必要があります。
このように、理由が違うだけで対策も異なるのが当然です。
それなのに「○○の方法なら改善して当然」と思うのは、思考の放棄でしかありません。
4.上司はなぜ難しいのかを知っているはず
上司も部下と同じ道を辿っているはずです。
もし辿っていないのであれば、「簡単なこと」と言える根拠にすらなりません。
考え方を改めましょう。
しかし、同じ道を辿っていたのであれば、困難だった時期があったはず。
いろいろと試行錯誤をし、相談をし、思考と行動を繰り返した結果だったのではないでしょうか?
簡単に突破したのではなく、苦難の末に突破したはずです。
であれば、当時の苦悩した気持ちを思い出して共感することから始めましょう。
具体的な解決方法は難しくとも、どのように考えてどのように苦難を越えたかを教えるのはありです。
合う合わないではなく、こういう一例もあったという選択肢の提供と理解できる共感生の提示をするだけでも充分。
安易な言葉で片付けるのは、部下のことを理解するのが面倒だと思っているからです。
しかし上司はそのことにすら気づけません。
部下への理解も大切ですが、まずは自分自身の理解から始める必要がありますね。
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