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Q1「実績に伸び悩む部下にはどう教育したらいい?」

平社員は実績が全て、という会社は珍しくありません。

管理職は己の実績を上げるのではなく、平社員の実績を足した数字が実質的な管理職の実績になります。

ゆえに、部下の実績を上げることが管理職である自分の評価を上げることに繋がるわけですね。



相談内容

「良くも悪くも真面目な部下がいます。
彼は実直に言われたことをこなし、丁寧な仕事をします。

しかし能動的に動くタイプではなく、能力が高いとは言えない。
丁寧な仕事だけで良スタッフの印象を与えているイメージです。
やる気がないわけではないものの、どうにも伸び悩んでいます」

上司の年齢:30代前半
タイプ:真面目、神経質、頭の回転が早い

部下の年齢:20代半ば
タイプ:真面目、器用貧乏、頭が固い



重要1 長期で改善を試みること

実績が伸び悩む要因の1つでよくあるのは、焦りです。
私がアドバイスをして最後に言うのは、

「実績は気にしなくていい。最終的にスキルが上がればいいんだから今は調整期間としよう」


落ち着いて、着実に1つずつ課題をクリアしていくことが先決です。

しかし自分の実績を気にする上司は、部下に実績を上げろとプレッシャーを与えます。

たとえアドバイスやメンタルケアをしても、結局は遠回しの「実績を上げろ」にしか聞こえないため、本人はより焦ってしまう。


重要なのは、上司と部下とで試行錯誤を繰り返すこと。

何が正しくて何がダメかは、人によって異なります。

無駄だと知ることも立派な成果です。

無駄を繰り返すことは非常に重要なことですが、その分多くの時間を費やしてしまいます。


無駄な期間を許容することが、まず最初に意識すべきことです。



重要2 実力不足の焦りは持たせる

たまに、実力不足を良しとしている人材がいます。

プレッシャーを感じているわけじゃないのに、アドバイスを受けて実直に実行する。

でもどこか悠長に構えていて、焦りがない。

様々な要因が考えられます。

・何から手をつけたらいいか思考がフリーズしている
・諦めている
・なんとかなると思っている

など。

対象がどのような人物でも、一つ一つを着実にこなすことが最良です。

そしてこなす項目は複数あるのが基本なので、一つ一つのスピードは意識させなければなりません。

ゆえに、このままでは問題だという焦りは常に持たせましょう。



重要3 多くの経験を与える

この場合の経験とは、他人の経験です。

実績が伸び悩む理由として考えられるのは、

・正しいやり方を知らない
・今のやり方が合わない

この2点が1番の問題で、解決が1番の改善策です。


そして経験とは、必ずしも己で行う必要はありません。

目の前で実演しているのを見て・聞くことや、他者からテクニックをQ&Aを用いて教えてもらうだけでも立派な経験です。


自分の世界に囚われないことを意識させましょう。



重要4 最初の目標は簡単なことから

私も、他の方も、耳にタコができるくらい常に言っていること。

『何よりもまず、自信を持たせることから始める』

ゆえに、一歩進んだと実感させ、それが自分の力でなし得たと思わせることが必要です。

いきなり大きな目標を与えるのではなく、そのために小さな目標をゴールに置きます。


しかし、小さな成功を与えるだけでは効果を望めません。

上司の仕事の1つにある、『褒める』を与えるきっかけを作るに過ぎないと認識しましょう。


部下は、上司に褒められることで成功を実感し、自信に繋げるのです。



重要5 与えるだけでは大きな成長は見込めない

社会人とは、実績を上げるスキルだけを目指せばいいわけじゃありません。

さらに言えば、実績を上げるためにも必要な行為。

それは、『思考力』です。


自分で考え、分析し、または蓄積する。

その蓄積したデータ(経験・知識)を使って他の事柄にも思考力の一部として活用をする。

これが社会人に共通して必要なスキルです。


上司の教育は、あくまできっかけ作りでしかありません。

成長するための思考フローができるようにならなければ、毎回躓くことになるのです。


上司は材料を与え、その材料を元に部下は思考を組み立てる。
または必要な材料を自ら見つけ出す。



まとめ

長期改善を意識させるが、悠長を許容するわけではない

固定観念から解放させる

褒めるきっかけを与える

自ら考える癖をつけさせる

実績を上げる教育そのものは、現場経験のある上司ならできて当然です。

教え方の良し悪しや現場スキルの加減によって得手不得手はあると思いますが、それほど悩むことにはならないでしょう。

悩んでいるのは、『人材教育という広い分野での方法を知らないから』


上司側にも、教育に関する固定観念を捨てなければならない人もいるかもしれませんね。

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