見出し画像

コーヒーと考察 Vol.03

飲食店等への協力金から考える今後

<現状>

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言に伴い感染防止対策協力金が飲食店や喫茶店等に支給されています。

一日につき6万円の支給です。飲食店を中心とした特定の業種への協力金ということで賛否を呼んでいます。

この協力金の第一弾は、1月15日〜2月7日までの24日間に対して支給されました。24日×6万円=144万円の支給額です。僕は飲食店経営者ではないのでこの支給額の捉え方、扱い方は正直わかりません。テナント料や管理費、人件費、その他諸々の諸経費を差し引いても十分なのかどうか。

↓はじめて首相官邸ホームページを閲覧。このサイトに支援策リンクが貼ってあります。

画像2

2月7日からの緊急事態宣言の延長によって、2月7日〜3月7日まで最大180万円の支援も決定されました。合計すると、条件をクリアしていればば、一店舗経営の場合はこのふた月で300万円以上の給付を受けられることになります。

ネット上では、1日につき6万円の支給ということで、年収に計算して批判している方も見受けられます。年収にすれば6万円×365日で2190万円。年収2000万円になってしまうじゃないかと。

しかし、現実としては1年間そのような支援は続けられるわけもなく、政府はおそらくこのふた月の支援金で元の状態に戻したいところでしょう。

<今後>

お店によっては6万円でも全く足しにならないところもたくさんあるはず。それでも中には一日6万円の支給で平常時よりも多い収入になっている小商いの方の場合もあると想像します。

しかし、僕はこの支給は一種の麻薬のようなイメージを持っています。コロナ前に1日6万円の収益もない小商い的な経営をしていた場合は、今回のこの支給はボーナス的に捉える場合もあるかもしれません。

その場合に懸念できることは、協力金の支給が終わった後の準備ができているかです。

間違いなく、客足は遠のきます。以前のようにはならないと僕は確信しています。その一番の理由は、コロナ禍を通しての個人の意識変化・価値変化が挙げられます。

僕個人の実感、また周囲の方々の様子をみていると、このコロナ禍で自分でトライしてみるDIY(Do It Yourself)がかなり進んでいる印象です。

例えば、家で自炊する率は間違いなく上がっていると思います。個人的な経験でも、外出がままならないので、家で料理を試してみる機会は格段に増えました。

そして、肝心な気づきは、良い食材を手に入れて、ネット上にあるレシピを参考にしながら料理をすると、自分でかなりクオリティの高いものが作れてしまうということです。(これは料理に限ったことではありません)

僕自身、コロナ禍の影響によってコーヒー豆の自家焙煎をはじめた訳ですが、正直なところ、その辺の中途半端なカフェよりもクオリティの高いものができてしまう実感を得てしまっています。

中途半端なレベルのサービスは間違いなく淘汰される。これをかなり多くの人が実感として持ってしまったのではないかと推測します。そしてその傾向が進むと、自分でつくれば、安くて、おいしくて、楽しいが故に外食することをさらに控えるということにも繋がる気がしています。

職場の同僚もソロキャンプをはじめました。そして案の定、アウトドアグッズでの自炊に目覚めてしまいました。「楽しい!うまい!もっと他のものも作ろう」状態です。

繰り返しになりますが、緊急事態宣言後の飲食店経営はコロナ前とは比較にならないぐらい厳しいものになると思います。

厳しくなるのを見越して、本当にクオリティをあげる努力を協力金を使ってするかどうか、自己投資に回せるかどうか。家庭ではできない絶対的な付加価値をどうに提供できるか。真剣に考えないと生き残れないと思います。

安さに走ってももう成功しないでしょう。どこまでそのお店に通いたいと思えるクオリティが提供できるか。オリジナリティーを打ち出せるか。

コロナの影響はこの先5〜7年も続くとの見通しもアナリストからは出ています。今まで手をつけなかったお店も多いかもしれないEC(E-Commerce)の分野にも目を向ける必要はでてきます。

<雑感>

僕個人がコロナが収束したとして、行きたいと思うであろう飲食店は、やっぱり自分には出せないクオリティのものが得られることが第一です。そして自分にはない知識を得たいとも思います。

おいしいお店のレシピや食材について提供者側から情報を得られることで満足感を得ることができる。

今まではお店同士が切磋琢磨しながら情報共有をしたりして、サービスの向上を図ってきた部分もあるかと思いますが、今後はお店同士のみならず、お店と顧客間の情報共有がとっても大事になるはず。

そういう意味では、飲食店が自信を持って提供するものに、どんな食材を使っているのか、どんなプロセスで作っているのかなどのトレーサビリティ要素の提供は大きな強みになると思います。

調理過程を体験するようなワークショップ(オンラインも含めて)も良いと思います。

飲食店が調理器具等の広報の役割を担うこともより大切になると思います。例えば、大好きな飲食店で使用されているフライパンや包丁といった調理器具を紹介して広告塔となるなどです。

ある意味ではファッション化かもしれません。憧れの人、素敵と思う人のファッション、持ち物を真似したくなるのと同じ要素が飲食にももっと入る隙間があると思います。

わかります、そういうことに嫌悪感を抱く場合もあることを。しかし、やっぱりなにか新しいことにチャレンジするか圧倒的なクオリティを提供しないと、本当に厳しいと思います。

<余談>

一方では、お金に頼らない物々交換的な要素がますます重要度を高める気がしています。

おそらく今後はさらに急速に経済的な格差が生まれます。しかし個々人の持つスキルは向上するかもしれません。何せ、ネット上には情報が溢れています。上手に自分の得たい情報を得て、実践し経験値を高めればセミプロレベルの方々がどの分野でも増えると思います。

収入を得ることは厳しいとしても、スキル的には他の人にはできないものを持つ人たち。お金での対価ではなく、モノとモノとの交換、モノとスキルの交換。スキルとスキルの交換。

現代版の自給自足スタイルがより浸透して良いはずです。そして幸福度の高い暮らしを実現する。

特に僕が関心があるのはモノとスキルの交換です。目に見えないスキルとモノとの交換はポテンシャル度が高いと感じます。

例えば、僕がコーヒーの焙煎(スキル)を教える代わりにお米を5kg対価としていただく。そうすることで自分のスキルアップもしながら、日常生活に必要なものを得られる。これはかなり素敵だと思います。

コロナ禍は本当に大変なことは間違いありません。その一方で、チャンスでもあります。新たな生活様式、働き方を考えるまたとない機会です。下ごしらえをする期間と捉えたいです。

<あとがき>

自分の書いたことを読み返してみて、なんと偉そうに書いているか。すみません。

自分が今この状況下で飲食店を経営していたらを妄想して書きました。自分ならどうするのか。経営者の方々が並々ならぬ必死の努力をされているところに水を差す文章になってしまっていたら申し訳ないです。

ひとりの人間の勝手な実感、アイデアと思っていただければ幸いです。

画像1

いつのまにか、アボカドの芽、プラムの芽もこんなに大きくなりました。世間がコロナで騒いでいる中、自然界は変わりなくそこに在ります。

陽の光に包まれて幸せそうな葉っぱたち。いいな〜。

土曜日です。皆さん、良い1日を!




この記事が参加している募集

#おうち時間を工夫で楽しく

95,466件

#最近の学び

181,634件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?