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コーヒーと音楽 Vol.106

Mary Lou Lord - Subway

追記:貼り付けていた動画+歌詞は削除しました(2022/08/21)

今回の「コーヒーと音楽」は、Mary Lou LordSubway という曲です。やっとMary Lou Lord の曲を紹介するにはもってこいの曇りの日になったので。

ずっと大好きな彼女の音楽を紹介したいと思っていたのですが、なかなかその気になれず。そう、彼女の音楽はいつでも聴くわけではないし、晴れた日、夏に聴くような音楽ではないのです。僕にとっては。

それよりも、曇りの日。ちょっと肌寒い日にこそ必要な音楽。

Mary Lou Lordの音楽に出会ったのはずっと昔、高校生のとき。全くもって晴れない高校時代を送っていた僕にとっては、Maryの曲ような音楽に救われていました。

特にこのSubwayが収録された、彼女の1st フルアルバム Got No Shadow は僕にとっての大名盤です。そんな大名盤もあまりにも過小評価されているのか、レコード屋さんの軒先セールスコーナーに埋もれているのを発見することもしばしば。

僕はこのCDが埋もれていると、すでに自分用には所有しているにも関わらず、救い出して(買って)あげて、それを友人たちにあげてきました。

とにかく全曲が良い。

そんな中で、Subwayを今回選んだのは、この曇り空をぼんやり眺める状態が、地下鉄で電車が来るのをぼんやり待つのに似ていると感じたからかもしれません。

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改めて調べてみると、このアルバムはメジャーデビュー作ともあって、ゲストミュージシャンも豪華です。

彼女と親交の深かったエリオット・スミス、ビースティ・ボーイズ周辺で活躍していたマニー・マーク、グラミー賞も受賞しているショーン・コルヴィン、はたまたバーズのロジャー・マッギン(!)まで。

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19歳の時にはじめてバックパックを背負ってアメリカを旅しました。NYCではユースホステルに泊まりながらブラブラ。そのユースホステルで知り合った日本人のケンタと一緒に地下鉄に乗って Knitting Factoryというベニューに行きました。そして、なんと Mary Lou Lord のライブを観ることができたのです。

思っていたよりもハスキーヴォイスのMaryは風邪をひいているって言っていたのを覚えています。不思議なのは肝心な演奏を全く思い出せないこと。そして、演奏は思い出せないのに、僕の目の前にいた観客のバッグにはHusker Duのバッヂがつけられていたことは今でもはっきりと覚えているということ。

ケンタはロンドンに行って画家を目指すと言っていたっけ。20年経った今、彼は何をしているんだろう。ふとそんなことをSubwayを聴きながら思いました。

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過ぎ行く時間の中で出会う人もいれば出会わない人もいて。地下鉄のプラットフォームで歌いながら人々を見つめる Mary Lou Lord の心境はなんとなくわかる気がします。だから彼女の音楽が好きなんだろうな。

土曜日。こんな天気のおかげで Mary Lou Lord の音楽を何年か振りにちゃんと聴いています。そして飲むコーヒーはとってもおいしい。

皆さん、良い1日を!

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9月25日 魯迅(1881 - 1936) 本名は周樹人。この日、浙江省紹興に生まる。一九〇二年から七年間日本留学。中国の新文学の創始者にして独創的思想家。

 私が、青年はなるべく、あるいは全然、中国の書物を読むな、と主張したのも、多くの苦痛を持ってあがなった真剣な言葉であり、決して一時の袂をむさぼる言葉でも、あるいは笑談、憤激の言葉でも何でもなかったのである。古人は、書を読まなければ愚人になる、といった。それはむろん正しい。しかし、世界はそうした愚人によって造られているものであって、賢人は絶対に世界をささえることはできない。ことに中国の賢人はそうである。(「墳」の後に記す)

桑原武夫 「一日一言」(岩波新書)より

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9月25日 グレン・グールド(1932 - 1982)この日生まれたカナダのピアニスト、作曲家。

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