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#247 「プロだから」という言葉の呪縛

さて、今日のテーマは「プロだからという言葉の呪縛」です。

これは以前から薄々感じていたことではあります。

専門職という仕事をしていると、「何かのプロ」として扱われることが度々あります。

専門職である以上、何かのプロであることには違いはありません。

ただ、「あなたはプロだから」という声掛けをされるときに違和感を感じます。

専門職が何かのプロであることは、専門だと決まった時点で分かりきっていることです。

それをわざわざ言葉にして相手に伝える必要はどこから来るんでしょうか。

その背景にある感情の要素についてフォーカスします。


自己紹介とお知らせ

僕は、某リハビリテーション病院で働く作業療法士兼、中堅管理職です。

対象者の悩みや課題はもちろんですが、スタッフのストレスやチーム運営などについても、中堅管理職として向き合っています。 

このアカウントでは作業療法士で中堅管理職の立場で、「周囲の人達と接する中で感じたこと」について、生活・人生・幸福という視点で紐解いていきます。

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それでは本題に入っていきましょう。


「プロだ」と発言する背景にあるもの


「プロ」とは「プロフェッショナル」の略です。

プロフェッショナルとは「ある物事を職業としていて、それで生計を立てている人、玄人」ということみたいです。

世間で ”専門職” と呼ばれる人はいわゆる ”プロフェッショナル” にあたるんだと思います。

それが玄人ほどのスキルや経験があるかはまた別ですが、専門職である以上は自分を ”プロフェッショナル” と名乗ることができるということです。

だから「あなたはプロだから」という言葉はわざわざ他者が言う必要はないわけです。

その人が専門職として生計を立てていれば、その人が何かのプロフェッショナルであることは百も承知のはずですから。

ただ、その言葉を発っして相手に伝える必要があるということは、そこには何かしらの意図があるんだと思います。

おそらくそこにあるのは「不安の共有」ではないかと考えています。


不安の共有


この「あなたはプロだから」という言葉が用いられる状況には2通りあるんじゃないかと思います。

それはこの言葉を向ける対象が、「自分」と「他者」のパターンがあります。

「自分」に対してこの言葉が向けられる時は「私はプロなので」と言葉にすることになります。

自発的に他者に対して伝えている状況であると思います。

これは「自分を奮い立たせる」といった意図で使われているんだと思います。

この言葉を発するということは、つまり背景にある「不安感」があるということです。

ただ、この不安があることを相手にそのまま伝えるわけにはいけないんです。

だから、「私はプロだ」と発言することで、不安感を隠しつつ、自分を鼓舞するように使用されます。

そん言葉は聞いた人は心強く感じるかもしれませんが、背景にあるのは「不安感」であるわけで、その不安感を共有したり分散させることがこの言葉の目的になっているように思います。


もう一つは、「相手」に対してこの言葉を使う時です。

その時は「あなたはプロだから」と問いかけることになります。

これは相手に対してプロフェッショナルであることを意識化させる必要がある時に使用されていると考えられます。

そうなると、この言葉を発した人間は何かしらの不安感を抱いている可能性があります。

つまり、あなたに対して不安を投げかけているようで、自分の不安感を表現している可能性があるということです。

自分の中の不安感を相手にそのまま「不安だ」と伝えるわけにはいかないんだと思います。

だから、「あなたはプロだよ」と伝えることで「私は不安なんだ、だからなんとかして欲しいんだ」と案に察して欲しいのかもしれません。

つまりこの場合も、「不安感を共有する」という点においては先ほどの場合と共通しているんだと思います。


「プロだから」という言葉の呪縛


そう考えていくと、「プロだから」という言葉の背景にある不安感が課題であることに気がつけます。

この言葉をわざわざ表現して相手に伝える必要があるということは「不安感を共有したい」という関心が隠れてきるかもしれません。

この「プロだから」という言葉は強い言葉で相手に不安を分散する力があると思います。

それを言われた側の人間は、その状況から逃げることができません。

だって、プロフェッショナルであることを否定することもできないと思いますし、そこと向き合う状況を半強制的に作り出すことができるからです。

でも「プロ」という言葉の圧力に屈することではないんです。

そこを意識しすぎると「なんとかしなくちゃ」という思いが強くなり、本来のパフォーマンスを維持できないかもしれません。

ここで注意すべきなのは「相手が不安感を表出している」ということに気が付くことです。

だから、この言葉が出てきた時には相手の不安が何かをしっかり想像して対話することが大事なんだと思います。

何に不安を感じているのか
どうしたら安心感を与えられるのか

不安感をしっかり共有して、そこから自分ができることが何かを考え、伝えていくことが必要なんだと思います。

まとまりのない文章ですが、不安感を共有することが大事だと思いました。


今日は以上になります。
頑張るあなたを応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。

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ではまた
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