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或る中年男の告白

男は日々頭からあの政党のことが離れなかった。
春がきたか来ないかの頃、SNSで見かけた政党。
その時はそれほど気にしていなかったのだが、やがて毎日のように目にするようになる。
「反ワクチン!?」

男は流行病が始まってから一度もそのためのワクチンを打たなかった。
その実情や流行病の背景を知り
打ってたまるか!コンニャロー!!
と、思っていたのだ。
反ワクチンかぁ、
んん、しかし、よく見るSNSの反ワクチンアカウントが
その政党の事を悪く言っている。
反ワクチンな人たちがまっぷたつに割れているようだ。


おやおや、何なんだ!?
戦争!?
結構激しい。
国際金融資本からの独立!!??

すごいことを言ってるな。
しかし、反対側の意見もあるなあ。

男はSNSの反コ口ナグループに毎日上がってくる両極端な情報に目が釘付けになっていった。

夏の参院選が近づくにつれて、男の中でその政党の存在が大きくなっていた。男の周りでもその党員が増えていきっていたのだ。
それとともに、さらに反する強烈な情報を見ることも多くなっていた。

梅雨。
男はブログサイトでその政党のことを書いた。
その頃の男の気持は9割方その政党には投票しない事に決めていたが、残り1割くらいその政党を信じたい気持ちがあった。
ブログにコメントをもらった大多数はその政党には投票しないという意見が多数だった。
その結果とその頃男が見たYou Tube動画で男はその政党の危険性を確信した。

男はさらに自分のブログでも懐疑的な事を書き、その政党を応援する他のブログでも自分の思うところをコメントに書き残していった。

それで考えが変わる人がいれば男は喜び、変わらない人にはダメかぁとため息をついた。

LINEグループでもその政党、参院選のことは話題となった。
男は自分の持てる情報をすべて出して、その政党の事を語らった。

最初の頃に投票候補だったその政党ももはや投票先ではなくなっていた。消去法で決めるしかないなあ。男の生活する区域ではこれといった候補はいつもいない。選択肢がすくないのだ。どの選挙でもそのような状態だが、その中で決めるしかないのだ。

或る日、男はヨガをしていた。
男は6年ほど前から毎日ヨガをするのが日課となっていた。
ヨガと他のストレッチや体幹トレーニングの違うところは動作の中で内観をするということだ。足を伸ばし、呼吸をゆっくりと吐き出し、その時の体の感覚を見つめる。
ヨガをやっている間中、その内観を行う。浮かんでくる考えに囚われずポーズの中で感じる身体感覚に意識を向け続ける。
男は仰向けになり太ももをお腹に近づけて膝を両腕で抱えるガス抜きのポーズを行っていた。

「あの政党はやはり危険だ。党首はカリスマ性があるが、やはり投票するわけにはいかない。授権法なんていう危険な法律をホームページに載せていたんだ。しかし、凄い勢いであることには違いない。もし、あの政党が議席をいくつか取ったら。。。
演説の通り自民の改憲案に反対するだろうか。う〜ん、、、この国を本当に変えるのだろうか。う〜ん、、、」

男ははっとした。そして愕然とした。
「こんな時までおれはあの政党の事を考えているのか!!」
男はそして悟った。

「大切なヨガの時間、
内観の時にまで
あの政党の事を考えているなんて!
おれはそんなにあの政党の事が好きなのかぁ〜!!はっ!支持者だけでなくてアンチもあの政党に夢中なんじゃないかあ!!」

男は悟った。まるで僧侶のように悟った。
男は悟りを得てスッキリとした。
男は元々グレーなものが好きなのだ。
昭和という時代。
プロレス。
今より面白かったテレビ。
そして、陰謀論と呼ばれる
世界の支配の真実。

はっきりスッキリとした世界より
答えを求めて彷徨い
確信したようで、また、悩んだり
これはという裏情報を見つけたり。
そんな世界が好きなのだ。
悟っては悩み悟っては悩むのだ。

男はまたこんな情報を見つけた。

石川県議会におけるその政党の賛成、反対のPDFファイルだ。

議会議案第5号
緊急事態条項に関する国会審議を求める意見書
参政党○(賛成)
参政党の石川県議会議員は
ボードメンバーの川裕一郎氏

その政党は自民党改憲案、緊急事態条項に反対すると明確に訴えていた。
しかし、国会審議に賛成。。。
反対するのならば国会で審議することにすら反対すれば良いのだが。一体これは・・・
審議して採決されたらそれこそ大変なことになる。。。

男はもう一つ気になるところを見つけた。

請願第49号
食糧危機下で、国産食料の増産、食料自給率向上、農家経営支援強化を国に求める意見書の採択を求める請願
参政党✕(反対)

これには男も目を疑った。
何度もあの政党は食料の問題提起を演説でしていたはずだ。反対って・・・

この県議会議員はその政党の初期メンバーにしてボードメンバー。
目を見て、目を見れば違いがわかると党員、支持者はいつも言う。
しかし、それより何より議員の評価は政党の評価は実際の議会での行動だ。政治家の判断材料は百の演説より議会の行動だ。
これが答えだ。
ハッキリ、スッキリしてしまったのだ。

緊急事態条項国会審議に賛成

食料危機時の国産食料増産の請願に反対


男はうろたえた。
好きだったのになあ。
怪しいグレーなあの政党(いや、オレンジだけど)は上の表を見れば既存の権力追従政党だとよくわかる。
はっきりした答えが出てしまうとげんなりだなあ。

プロレスしようぜ。
1、2、3、ダァー!!
じゃなかった
1、2、あの政党ぅぅぅ、、、

7月10日(日)
参議院議員選挙!
投票に行こう~!!


男は今日もあの政党のことを考える。
考えなくてもSNSを開けばあの政党のことが出てくる。普通に暮らしてた人が工作員がどうのと書いている。
支持もアンチもみんな好きなんだなあ。
男はもう脱力していた。
あとは、自分のベターと思う投票先に入れるだけだ。結果は選挙後、社会的な事象として出てくるだろう。やれることをやるだけだ。

夕暮れ時、赤く染まった空を眺める。グラデーションのような夕焼け空にオレンジ色に染まった一帯を見る。
だんだんと空の色は暗くなりやがて星々が輝き始める。

熱い夏、もう数度、熱くなりそうだ。


私小説「或る中年男の告白」  完



あとがき

ご一読ありがとうございました!
さてさてどうなる参院選。
今回ほど調べて考えて語った選挙はなかったと思います。プロレスしまくってるなあというN国も面白すぎます。我が家に来た選挙公報のN国のスペースはNHKの支払いを辞める方法😂
すごいですね😂

私は、・・・当選できません。
やる前から負けることを考える馬鹿がいるか~!
byアントニオ猪木
猪木はショーマンとして優秀だった。
猪木信者達は猪木の狂気を孕んだ目に夢中になった。
ホーガンのアックスボンバーを食らって舌出し失神。
これもプロレス。
真実を知らなかった坂口征二社長は病室に運び込まれた猪木の部屋の前で朝まで待ち、
面会するもそこに寝ていたのは替え玉猪木の弟!
「人間不信」
と、書き残して坂口社長は数日失踪。。。
ホントは猪木がホーガンに勝って優勝するという粗筋の試合だったが、猪木が忙しくて休みが欲しかったと
勝手に筋書き変更したのが事の真相。
昭和〜!!


一人ひとりの想いを胸に。
投票用紙に託して。


追記

大事な大事な食料政策。

こちらの動画ご覧ください!
10分弱の動画です。

参院選は食料政策にもご注目!!
超党派議員によるローカルフード法。

知行合一さんの記事も素晴らしいです!


以上です!

ナマステ✨


おまけ

堤未果さんの動画より
(動画見るお時間ない方へ)

「口シアへの制裁により、
食料、エネルギー、肥料が入ってこなくなり、
さらに円安という4重苦になっている。

円安はウォール街が喜ぶ。
日本の土地、森林など
ハゲタカファンドにとって
タイムセール状態。

逆に口シアに習う。
食料自給率を上げる。
種を確保。

ローカルフード法
47都道府県の地域にある種を
外資に手を出されないように守る。
アメリカ、中国に翻弄されないように
食料安全保障を確立。
学校給食も無償で地産のものを入れ
農家も守る。」

上の請願第49号に反対するような政党は
日本の事考えてないんとちゃいますか~!!
参政党に限らずね!!😡🌋


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