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『なぜか惹かれる言葉』(著:能勢邦子)〜編集者が教える『言葉』の作り方


【内容】
元マガジンハウス編集者が教える、記事企画とタイトル作成のノウハウ。


【感想】
それほど期待せずに読み始めたのですが、大手出版社で活躍されていた著者ならではの経験談は、非常に興味深く、多くの学びがありました。特に、業界の裏側や仕事の具体的なノウハウなどは、他の本ではなかなか読めない貴重な内容だったと思います。
とはいえ、本書が2021年刊行ということもあり、一部の情報はすでに時代が変わってしまったように感じます。特に、流行りものは目まぐるしく変わるため、最新のトレンドを常に意識する必要があることを改めて実感しました。雑誌編集という仕事が、いかに時代と密接に関わっているかということを、本書を通じて理解することができました。
タイトルについては、内容の面白さに比べて少し物足りない印象を受けました。もう少しキャッチーなタイトルであれば、より多くの人に手に取ってもらえたかもしれません。
また、本書の後半部分では、お金よりも好きなことを追求する大切さについて触れられており、これまでのノウハウ本的なトーンとのギャップに少し戸惑いました。著者ご自身の経験に基づいた考えであることは理解できますが、本書のテーマとの整合性に疑問を感じる部分もありました。
しかし、著者の方自身も、長年の編集者経験の中で様々なことを考えられてきたのだろうと感じます。特に、最後に読者に語りかける言葉は、ものづくりに携わる人々にとって、大きな励みになるのではないでしょうか。
全体として、本書は、雑誌編集の裏側を知りたい人や、文章や企画のスキルアップを目指している人にとって、参考になる部分が多い一冊です。ただ、時代背景やテーマの統一性など、改善できる点もいくつかありました。

https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3896-5

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