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質問010:狙いはどのタイミングで定める?

ボールを打つ場所(狙い)はどのタイミングで定めるのでしょうか?
これは、ボレーするときもストロークの時も同じでしょうか?
集中しながらだと、狙いが考えられない状況になることがあります。

回答


▶ターゲットは「相手のグリップ」まで細かく絞り込む


狙って打つと一口に言っても、その局面は大別すると2通りあります。

ひとつは、サーブ、リターン(あるいはチャンスボールが飛んできた時も含まれる場合があります)。

これらのシーンでは、サービスなら相手レシーバーのバックを狙うとか、リターンならストレートアタックするとか、事前に狙う場所をある程度定められます。

この時ポイントとなるのは、できるだけ細かくターゲットを絞り込むイメージの設定

サーブなら、センター、ワイド、相手レシーバーの正面(ボディ)というのはもちろんですが、さらに「コーナーぎりぎり」とか、「相手のグリップ目がけて」とか、細かく絞り込みます。

リターンのストレートアタックなら、単にストレートではなく、相手前衛の左肩を狙うとか、シングルスサイドラインのオンラインとか、そういう細かいところまで明確なイメージを湧かせておく。

もちろん正確に狙えなくても構いません。

イメージを明確化するのに役立ちます

▶ゴミ箱にゴミを投げ入れるとき


お行儀の是非はさておき、ゴミ箱にゴミを放り投げるとき、単に真ん中を狙うのみならず、奥のふちに当てたリバウンドで落とし入れるとか、手前のふちに当てて滑り落とすとか、そんなイメージです。

これらは、プレーに入る事前にイメージを湧かせる準備ができ、実際に打つ時には「何も考えずにボールに集中できる」場合のボールコントロールの仕方。

▶とらわれすぎずにカンピューターに委ねる


とはいえターゲットは細かく絞り込みますが、狙うコースにとらわれすぎません。

ストレートを狙うつもりだったけれど、相手の配球やスピードいかんによっては、クロスやセンターのほうが狙いやすいかもしれません。

あまり固執しすぎず、また打ち手を決めつけすぎずに、そんなときはカンピーターに委ねるままに、柔軟性を失わない対応力を発揮します。

▶プレー中は「宣言練習」を使う


一方、ボールが高速で飛び交うストロークやボレー、あるいは追い込まれたシーンなどでは、このような対応は難しくなります。

プレーしながら狙う場所を「考えてしまう」と、肝心なボールに集中できません

では、どうすればいいか?

『あなたのテニスセンスを引き出す“ZERO式”30メニュー』を紐解きます。

■“ZERO 式”メニュー015:コースを打ち分ける

あなたは、コースを打ち分けるのが得意ですか?

上手く打ち分けられるようになると、ダブルスではクロスとストレートを駆使して、面白いように敵陣をかき乱すことができたりします。

ただし、コースを狙うといっても、打ちながら狙ってはミスします。

なぜなら、それは打ちながら何かを「考えてしまっている」から。

人間は、一時にひとつのことにしか集中できませんから、考え事をしてしまうと、ボールに集中できず、打球タイミングを外してミスしてしまいます。

では、どうすればいいか?

上級者は、どうやってコースを打ち分けているのか?

これは、相手が打った瞬間(あるいはその時の状況によっては打つ前から)、次に打つコースを、早い段階で決めているのです。

そうすれば、手元に飛んできて、実際に打つ時には、何も考えずにボールに集中するだけで、ボールは自動的にそちらの方に飛んで行ってくれるのです。

つまり上級者ほど、コース決定のタイミングが早く、打つ段となったら「無心」になれているというわけです。

練習としては、相手コートに1、2、3の的を、ストレート、センター、クロスに置いておき、どこを狙うかを宣言してから打ち返す「宣言練習」がお勧め。

初めは球出しで行ないます。

コースを打ち分けるのが不慣れな人だと、「宣言しながら打つ」ような、対応の遅さが現れがちです。

あるいは打ったあとに「3!」などと宣言する例も、実際に少なくありません。

早くコースを決める癖をつければ、簡単に、余裕を持って、ストレートでもクロスでも、狙えるようになります(※ただし想定外のコースに打たれた場合などの対応については後述)。

なお、「打つ時にも狙う意識がないと、狙えないじゃないか!」とご心配する向きもあるかもしれませんが、それは無用。

なぜなら、一度打つコースをイメージすると、次に「いや、こっちにしよう」と新たなイメージを沸かさない限り、体は必ずそのコースを狙うからです。

逆に言うと、そのコース以外は、狙えません。

イメージのないところに体はコントロールできないからです。

「昼飯はラーメンにしよう」と一度イメージしたら、「その口」になりませんか?

もう「その準備ができている」状態にスタンバイ完了。

「やっぱりパスタにしよう」とイメージを変えない限り、体はラーメンを求めるのであり、それ以外の寿司や、パンやステーキなどは、「求めようもない」のと同じです。

打つコースをなるべく早く決定しましょう。

決定したら、打つ時にはもう、狙う必要はありません。

狙ってはいけないのです。

『あなたのテニスセンスを引き出す“ZERO式”30メニュー』

以上、拙著『あなたのテニスセンスを引き出す“ZERO式”30メニュー』からの引用でした。

▶ひらめきに任せてコースを選ぶ


さてこうご説明すると、「1、2、3の狙いはどうやって決めるのか?」というご質問を、決まっていただきます。

想定外のコースに打たれた場合などは返球コースが「分からなくなる」というのです。

それに対して私は、その場その時の「直感」に委ねましょうと応えます。

先述したカンピューターです

頭で考えるのではなく、ひらめきに任せてコースを選ぶ。

そうすれば、ボールに集中した状態を保ったままコースを打ち分けるコントロールが可能になります。

▶人が飛び出してきたらとっさにハンドルを切る


例えば、人が急に飛び出してきたらとっさにハンドルを切る、そんなイメージです。

危なっかしいと思われるかもしれませんが、思考を介さない分、反射神経が鋭く反応し、かえって結果的に上手くボールコントロールできます

それよりも、別の考え事をしながら運転する方がよほど危険、とご承知ください。

▶「コントロールしやすくなる感覚」が出てくる


この場合は、上記サーブのように「狙いを定めて打つ」というよりも、「反射的に打ち分ける」感覚になります。

もちろん、狙いを定めて打つのと、反射的に打ち分けるのと、ハッキリ白黒つけられるわけではなく、グラデーションになっています。

つまりラリー中でも、20%程度は狙いを定めて打てる場合もあるかもしれません。

まったく狙えずただ当てて返すしかない場合もあります。

ボールに集中していると、狙える感覚は確かに強くなりますが、とはいえ「考えながら」狙っているのではなく、直感にゆだねた結果、反射神経による反応が鋭くなるために、そのように感じるというのが実際です。

上記のような内容を理解し、実践されますと、ボールをコントロールする技術、コントロールしやすいと感じる感覚が向上します。

▶的を置かない練習は「練習とは呼ばない」


逆に、的(基準)を置かないコントロール練習は、「練習」とすら、呼べません。

それはコンディショニング(調整)やウォーミングアップ(準備)の類です。

ですが、ターゲットを置かずにただ打ち返して練習した気になるプレーヤーは少なくありません。

これが「コースを狙えない」「当てて返すだけで精いっぱい」になる理由です。

▶的との乖離を脳が記憶して「コントロール情報」を獲得する


とはいえ、的を置いたからといって、必ずしもその都度、意識して狙わなくてもいいのです。

なぜなら的を狙うイメージはすでにできています。

先のラーメンの話と同じです。

なので無意識下で的を狙うスタンバイ完了。

あとは飛んでいくボールを見ていれば、その的との乖離を脳が勝手に記憶していくというのが、『究極のテニス上達法』で説明されている「コントロール情報の獲得」です。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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