私だけが芸人じゃない空間の中で思ったこと

私の心の中は
年中梅雨入り状態なくらいに落ち込んでいるし
大雨も降り注いでいるので
誰でもいいから太陽の代わりになって欲しいと
切に願う程の
現在全くと言っていいほど売れていない芸人が日々起こったことに対して
悲哀中心に書き起こす糞エッセイ

お気に召さない方はスキとフォローだけして閉じてください。


いつまで経っても懲りずに犯罪者でも出れるようなフリーライブに出ていた時の話だ

そのライブでトップバッターを担った私は
見事に後半部分を飛ばしに飛ばし
伏線回収も回収しないまま
ひたすらに出ないセリフを思い返そうと
あたふたして結局思い出せずに悲惨な空気にしたまま会場を後にした

誰も会いたくないと思いながら
小走りでライブ会場を後にしようとしたときに後ろから
「○○(私の芸名)さんお久しぶりです」と声をかけられた

以前キングオブコントで一緒に出た私の少なからずの芸人仲間だった
(その部分は前の記事に載せているのでそちらを見てください)

たまたま私と同じライブに出ていた

そう言って
「じゃあネタ頑張ってきます」と言ったので
滑って死ねと思いながらそのネタを袖から見ていた

普通にウケていた
私よりも

ウケながら帰ってきた表情を見てもどこか浮かない顔をしていて
それに対しても腹が立ったのだが

浮かない顔をしたまま私に向かって
「よかったらご飯行きません?」と提案された

正直に言うと行きたくなかった
何故ならそいつは事務所に所属出来ている
私よりも格上の存在で、世間一般的にもそいつの方が芸人と扱われる

しかし人と関わることで何か刺激になるんじゃないかと思った私は
二つ返事で「いいよ」と答えて
ご飯に行くことにした


道中その芸人が「他の芸人も呼んでいいですか?」と言った
もうこれ以上やめてほしいと思ったのだが
これもまた刺激になると思い

結局私含めた4人(男3 女1)で
歌舞伎町にある鳥貴族でご飯を食べることにした

話していくうちに
私以外の人は全員事務所に所属していることが分かった

ましてや全員年下
ただでさえ皆無に近い自己肯定感を更に失った

そうやって少し気まずい空間で話をしていて気づいたのだが

その3人は

凄いよく笑う
そして楽しそうにしている

芸人ならではのゲスい話から
お笑い考察の話まで

その空間に立ち入ることも出来ない私は
吞むフリをしてずっと聞いていた

「俺が先に売れるからな」と笑いながら言い合えているのが羨ましく思えた

何かこの3人には

将来への恐怖などが一切感じられず
今を全力で楽しんでいるように見えた


何か今の私が東京に来て失ったものが全て持っているように

私も芸人を志した頃は
ネタを書いている時が楽しくて仕方が無くて
ネタを披露している時は自分自身がこの中の一番の主役だと感じて
ネタが滑ったらなにくそ根性で書き直したりして

笑顔が多かったと思う

しかし苦労をしていくうちに
こういった底辺を這いずり回る生活をしているうちに
他の芸人のネタを見て滑って死ねとか平気で思うようになった

その3人とはとても簡単には埋められない差があると感じた

なにか悔しさにまみれた私はそこの呑みの代金を全て奢った
他3人からすれば凄く気まずかったと思う
無所属で一番売れることから程遠いような存在に奢られるのは

しかしそういう金銭面だけでも有利に立たないと
自分の存在価値が亡くなる不安に陥ったので
奢った 約14000円

私も最初はそういう感情だったんだなと目が覚めた

とてもいい勉強代金になりました


今日まで私は売れていない、しかし明日はもっと面白い私に出会える、明日は売れる、明日から売れる。


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