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シン・映画日記『終末の探偵』

シネマート新宿で北村有起哉主演映画『終末の探偵』を見る。

これ、ズバリ、北村有起哉版兼令和現代左翼リベラル版な「探偵物語」だね。もしくは、インディー版『探偵はBARにいる』とも。




ミニ歌舞伎町のような東京郊外のとある街を舞台に、ヤクザが仕切る裏カジノの借金をチャラにするために、主人公・連城が組長からある依頼を受け、時同じくしてフィリピン系の女性から行方不明になったクルド人女性の捜索依頼を受ける。

喫茶店を寝蔵にしたやさぐれ探偵に周りのアウトローな連中など、明らかな「探偵物語」インスパイアな作品ながら、『探偵はBARにいる』の大泉洋よりもやさぐれ、ボンクラ感がピッタリハマる北村有起哉。これでペスパにでも乗ればそのまんま令和版「探偵物語」になりそう。そんな北村有起哉がアウトロー絡みの事件を解決していく探偵もの。

これに、いつの間にかに外国系の店が増えた街並みや連城のフィリピン系の同級生、それと捜索該当者のクルド人女性にしても日本に住む異邦人と日本の外国人排斥問題・ヘイトスピーチをも取り扱う社会派的な一面もある。
が、この要素は最近アマゾンプライムビデオで配信された白石和彌監督が手掛けた「仮面ライダー BLACKSUN」と比べるとヘイトスピーチとか政財界・国を巻き込んでとまではなってなく、「今、方向的には外国人居住者や外国人の店が増えてるよね」という感覚。全部が全部ではないが、比較的ご近所レベルの問題が目立つ。
「仮面ライダー BLACKSUN」と比較するのは予算等のレベルが違うので筋が違うかもしれないが、
北村有起哉以外のキャスティングから考えても、その等身大、こじんまりとした作品になっている。

結果、北村有起哉主演にした社会派“風味”の「探偵物語」インスパイアなB級映画ではあるが、北村有起哉のやさぐれ感以外もヤクザや半グレ、町のご意見番役の麿赤児にいたるまでうらぶれ感はしっかり出ているので、続編があるなら見てみたい作品ではある。

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