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手づかみ食べやってみてもらったレポ

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第三子に手づかみ食べを実践してもらった様子を歯科医師兼保育士の視点からレポします。
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2024年7月の記事一覧

答えは赤ちゃんが持っている!離乳食は【自分らしく生きる】ための練習の場

答えは赤ちゃんが持っている!離乳食は【自分らしく生きる】ための練習の場

最近一番あぐあぐしてくれたのは輪切りにしたゴーヤでした。

ゴーヤなんて苦いから、赤ちゃんはあぐあぐしないのでは?嫌がるのでは?
…というのは大人が勝手に考えた答えです。

赤ちゃんはもしかしたら、ゴーヤ好きかもしれない。手づかみで食べられるかもしれない。生えてきた二本の歯で噛みちぎれるかもしれない。噛みちぎったものを飲み込めるかもしれない。

すべての可能性と答えは、赤ちゃんが持っています。そし

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離乳食のエンドポイント設定〜健康のその先へ〜

離乳食のエンドポイント設定〜健康のその先へ〜

離乳食をはじめる、またはすすめるにあたっての目標設定(エンドポイント)について、考えてみませんか。

【赤ちゃんに栄養を取ってもらいたい】
離乳食の目標として、ここを目指している方が多いのではないかと思います。もちろん大正解です。食事の主たる目的は自ら作り出せない生命維持に必要なエネルギーや栄養素を体内に取り込むことだからです。しかしここを目標にしているが故に、「食べてくれない」「食べる量が少ない

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手づかみ離乳食【0歳6ヶ月】今日のメニュー何にしよう?を食育の機会にする簡単な方法

手づかみ離乳食【0歳6ヶ月】今日のメニュー何にしよう?を食育の機会にする簡単な方法

赤ちゃんはハイハイの前に、おすわりを習得しました。ずり這いをしているうちに重いお尻を起こしてよっこいせ…と座れるようになったようです。
座り始めはまだ背骨がまっすぐに立っておらず、頭が上下にふわふわ揺れる赤べこみたいになっていました。

【この時期の赤ちゃんの様子】

身体の状態
ずり這いを習得し自座ができそう。下の歯が二本見えてきた。手づかみであぐあぐ食材を口に入れ、歯でしごいて食べたり吸ったり

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離乳食、朝昼晩のどこで行うか問題〜食物アレルギーの可能性も加味して〜

離乳食、朝昼晩のどこで行うか問題〜食物アレルギーの可能性も加味して〜

離乳食を進めるにあたって親側が設定しなければならないことは、【食の環境】のみ。環境を細分化すると、以下の5点になります。

①なにを
②いつ
③どこで
④誰と
⑤どのような雰囲気で

今回はこの中の【②いつ】について考察していきたいと思います。

離乳食初期は「1回食」から始めます。1日のうち、朝昼晩のどこかで1回、食べ物をあげると言う意味です。

朝または昼に1回食をするメリット

・小児科の診

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離乳食の準備③「あぐあぐ」で噛む練習をしよう【0歳5ヶ月】

離乳食の準備③「あぐあぐ」で噛む練習をしよう【0歳5ヶ月】

離乳食の準備②では、味覚の窓へのアプローチとともに、嚥下の練習をしていきました。うちにいる赤ちゃんは嚥下が案外上手だったのと、自分で食べる!というやる気に満ち溢れていたので、嚥下の練習と並行して、「あぐあぐで噛む練習」もしてもらうことにしました。

あぐあぐとは

歯ごたえがある食材、簡単に飲み込めないような硬さの食材を7-10cmの棒状で提供し、赤ちゃんが自らの手で食材を持って口に入れ、あぐあぐ

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離乳食の準備②ごっくん嚥下の練習&味覚の窓を開けよう【0歳5ヶ月】

離乳食の準備②ごっくん嚥下の練習&味覚の窓を開けよう【0歳5ヶ月】

味覚の窓とは

4ヶ月〜7ヶ月に存在する、様々な味を受け入れやすい時期のこと。この時期に色々な味を試すと、好き嫌いが減るという研究があります。
更にこの時期、舌提出反射など哺乳に関わる原始反射が消失していき、喉も下がって口を閉じてごっくんと飲み込みができるようになってきます。
そこで、味覚へのアプローチ&本格的に離乳食を始める前の嚥下の練習の機会として、ごっくんできそうなものを試してみました。

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