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離乳食のエンドポイント設定〜健康のその先へ〜

離乳食をはじめる、またはすすめるにあたっての目標設定(エンドポイント)について、考えてみませんか。

【赤ちゃんに栄養を取ってもらいたい】
離乳食の目標として、ここを目指している方が多いのではないかと思います。もちろん大正解です。食事の主たる目的は自ら作り出せない生命維持に必要なエネルギーや栄養素を体内に取り込むことだからです。しかしここを目標にしているが故に、「食べてくれない」「食べる量が少ない」ということで悩んでしまう親御さん方がおられることもまた事実です。

もちろん、支援の際には食べてくれない、もしくは食べられない原因を一緒に探し、そのご家庭に合ったアプローチの仕方を考え、お伝えします。その上で、赤ちゃんの側の準備が整っていなさそうなときには、「一つ上の視点で目標設定すると、悩みが解消しやすいですよ」とお伝えしています。

離乳食をはじめる、または進めるにあたっての目標として…

①赤ちゃんに栄養を取ってもらいたい←赤ちゃんの栄養視点
②赤ちゃんに健康に成長してほしい←赤ちゃんの健康視点(栄養より一段階上の視点)
③赤ちゃんと家族がみんな健康で過ごせるようにしたい←家族視点(赤ちゃん視点より一段階上の視点)
④家族全員が健康で幸せに過ごしたい←幸せ視点(健康視点より一段階上の視点)

というふうに、エンドポイントの視点を上げていきます。①→②→③→④の順に視点は上がっていきますが、視点が上がるにつれて自らの人生の解像度が必要になるので、無理に④を目指す必要はありません。②でしっくり来るようなら②で良いし、②より③が良いというものでもないです。自分と赤ちゃんの今の地点における、違和感のないゴール設定ができればそれでOKです。

基本的に「離乳食のやり方」とは、先程の食としての主たる目的である「エネルギーと栄養素を体内に取り込むこと」を説明するものです。つまり、前述の①を目標にしてあるんですね。なので、離乳食であれ補完食であれ、「エネルギーと栄養素を体内に取り込むこと」ができなかった時に、悩みや苦痛につながりやすいように思います。けれど、視点を上げてみればどうでしょう。

「食べてくれない」だとしても、
「食べる量が少ない」だとしても、
赤ちゃんと自分を含めた家族が健康で幸せなら、
それは「離乳食の問題」とはなりません。
「離乳食を食べない赤ちゃん」が問題なのではなく、「離乳食を食べないと問題だと思っている親御さん」が問題であるケースもあります。ゴール設定を違えてしまうと、解決策が見つからず、深みにはまってしまうこともあります。まずはゴール設定を明確にした上で、赤ちゃんを見ていくこと。「食べられる環境」を作るのは親の仕事ですが、「食べること」は赤ちゃんが自分の意志で、自分のやり方で行うことなのです。

栄養を取る目的は健康のため。
健康でいる目的は幸せになるため。
では自分の幸せは?赤ちゃんの幸せは?家族の幸せはどこにあるのか?を考えることで、離乳食に対する意識、ひいては子育てに対する意識も変わってきます。

離乳食を通じて、
赤ちゃんにどう育ってほしいのか?
わたしたち家族がどうありたいのか?
なにが自分の幸せなのか?
を考えてみませんか。人それぞれ、答えは違います。だからこそ、それぞれの答えを尊重できるような支援をしていきたいと思っています。

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