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鳥取のスナバにあったものとは?(鳥取砂丘編)

まとめ

・鳥取砂丘は風が生み出す砂丘特有の地形、植生が見られ、季節によっても表情を変える。
・日本海、砂丘の絶景だけではなく、ラクダ乗りやサンドボードなど日本各地でもなかなか体験できないレアな経験をすることができる。
・砂の美術館では世界の風景を砂像で再現。海外に行かなくても現地に行ったかのような錯覚に陥いる。2024年1月3日までエジプトの世界観を再現した展示を公開中。

鳥取砂丘 

 鳥取駅からバスで20分。東西に16km、南北に2.4kmにわたって広がる鳥取砂丘。昭和30年、国の天然記念物に指定。一般人が立ち入りできる砂丘としては、日本最大規模。ちなみに、日本で一番広い砂丘は、青森県下北半島北東部に広がる猿ヶ森砂丘。幅は東西2km、南北に17km広がり、鳥取砂丘の3倍もの広さを誇ります。防衛設備庁下北試験場が置かれ、銃弾のテストするための場所として利用されているため、一般人は入ることができません。当初は弾道が付近を通る道までとんできたという地元の方のお話を聴きました。現在では、安全に考慮し、道まで銃弾がとんでくることはありません。ロープで仕切られております。写真は、立ち入り禁止区域外で撮影したもの。荒々しい海と緑化が進んでいるように見えました。

猿ケ森砂丘

鳥取砂丘ができるまで

  1. 中国山地の花こう岩が風によってボロボロになる。

  2. 雨に流されて鳥取県東部を南北に流れる千代川まで移動する。

  3. 川によって、日本海までに運ばれ、下流の海岸に集まる。

  4. 日本海から吹く強い風によって内陸に戻され、砂が集まる。

  5. 1~4を繰り返して10万年かけて完成。

鳥取砂丘の課題

 最近は農地開発や植林により緑化が進んでいます。東部では、大学や県の研究機関により砂漠地帯での農作物の研究がされております。らっきょうは、乾燥、高温に強く、日中の寒暖差の影響も受けにくいため、砂丘で栽培するのに適しています。季節には、らっきょうの花による深紅の絨毯が広がります。確保の難しかった水も、1950年代に灌漑用スプリンクラーを導入し、解決。しかし、観光資源としての砂丘との共存が課題となってます。

緑化が見られる鳥取砂丘

砂丘のみどころ

砂丘特有の地形

 自然が作り出すアートのため、現れては消える、はかなくも美しい作品です。同じものをみることはほぼ不可能。また、高低差が大きいことも特徴で、すり鉢状のくぼ地から、丘の標高差は最大90mもあります。丘を登って眺めると、砂丘特有の地形と雄大な景色を堪能できます。

風紋

 乾いた砂に一定時間、同じ強さの風が吹くことによって、一面に波模様が残ります。風向きや風速によって模様は変化し、まさに自然の芸術です。馬の背の西、東となり付近で見られるチャンスが大きいです。

砂簾

 湿った砂が乾くときにできる模様。斜面から砂の流れ落ちる様子が、すだれを垂らしたように見えるから、砂簾と呼ばれています。

砂柱

 湿った砂に強い風が当たって乾燥すると現れるブロック状の模様。風が生み出す作品の中では、最もレア。冬、または台風通過後であれば見られるチャンス大!

馬の背

 高さ47mの丘。つかめるものもなく、足も砂で取られ、まさに登山。砂が靴に入っていくので靴を脱いで足袋を履くことをオススメします。素足でもいいですが、夏は高温になりやすいので火傷注意!頂上からは、広大な砂丘と雄大な日本海の絶景を一望できます。さらに、直線の海岸線も人々を魅了します。

写真奥が馬の背
馬の背を登頂中
馬の背から一望できる鳥取砂丘
馬の背から望む日本海


砂丘特有の植生

 砂漠は年間降水量が年間蒸発量を下回るため、砂を掘っても掘っても水が湧かず、カラカラ。一方、鳥取砂丘は付近の降水量が多いため、表面の砂を掘ると、水を蓄えた層が出現します。そこに根を伸ばし、コウボウムギ、ハマゴウ、ハマヒルガオなど砂丘特有の植生が育ちます。こうした砂丘特有の植生が見られるのも鳥取砂丘ならでは。

季節によって変わる砂丘の表情

 秋は、らっきょうの花が創り出す赤紫色の絨毯。
 冬は砂丘に雪が積もり、一面白銀の世界も見られます。

多種多様なアクティビティ

 鳥取砂丘で体験できるアクティビティはバラエティ豊富。ラクダ乗り体験、パラグライダー、サンドボード、ファットバイク、砂上ヨガ、セグウェイ、砂像作りなどがあります。今回は、ラクダ乗り体験を選びました。ラクダの乗り心地は、ウマと変わらず、おとなしいです。写真を撮ると、まるで砂漠のオアシスで撮ったかのような作品を作ることができます。さらに、海水浴、キャンプも楽しめます。また、ビジターセンターでは、鳥取砂丘の自然、成り立ちを映像や展示で知ることができます。

鳥取砂丘砂の美術館

 世界唯一の砂像専門の美術館。「鳥取砂丘の美しい自然の造形美を生かして、訪れる人に今までにない感動と感激を与えたい。」という創業者の思いから、2006年開館。毎年4月~翌年1月(コロナ禍により7月~翌々年1月)にテーマを変えて展示があります。2022年7月16日から、エジプトをテーマにした作品が展示され、ピラミッドやスフィンクス、アブ・シンベル神殿などが再現されています。2024年1月3日まで開催中。エジプトに行かなくてもエジプトの空気を感じることができる展示です。写真は2019年訪問時の南アジア編。ガンディー像からは平和へのメッセージを読み取りました。また、ガネーシャなどのヒンドゥーの神々も見られ、神聖なインドのヒンドゥー文化も感じることができました。ちなみに、展示終了後の砂像は砂に戻ります。

開館時間 9:00-17:00 (土曜日のみ18:00まで)
入場料  大学生以上800円 小学生~高校生 400円
休館日  2023年1月10日~2月28日

ガンディー
ガネーシャ

 長い年月をかけてできあがった鳥取砂丘。砂で再現した世界中の風景を堪能できる砂の美術館。砂丘特有の景色、砂の芸術を楽しみたい方にオススメです。砂の世界観が変わります。

予告(近日公開)

鳥取シリーズ

・ スタバとすなばの違いとは?
・ なぜ、鳥取ではカレーが盛んに食べられているのか?
 他にも、青森特集、四国特集、九州特集など近日公開。疑問に思ったことを解説するスタイルで記事を書きます。

参考文献

鳥取市観光ガイド 鳥取旅時間 鳥取市観光コンベンション協会


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