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秘密罪 

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一人の不幸な少年と、それを取り巻く四人の少女の物語
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2024年1月の記事一覧

秘密罪 #40

秘密罪 #40

ブーッ ブーッ

〇〇:"はい。もしもし"

吉原:"おぉ、〇〇君。元気にしているか?"

〇〇:"はい。滞りなく"

吉原:"それは良かった。 今日は練習日時が決まったから伝えようと思ってね。来週の日曜なんだが、参加できるかな"

〇〇:"はい。大丈夫です。参加させていただきます"

吉原:"よし。では待っているよ。それじゃ"

プツッ

〇〇:ふぅ.....やっと練習できる...。

〇〇は楽

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秘密罪 #41

秘密罪 #41

年が明けて、〇〇はしばらく野球から離れていた。原因は父親だった。

正雄:しばらく野球は休め。一年の復習に使え。家庭教師も見繕ってつけるからな。

〇〇:ちょ、ちょっと待ってよ。冬の内に体力をつけておかないと・・

正雄:お前、学校の成績はトップだったが、全国模試は10位だったな。話にならん。日本代表入りを許可したんだ。俺の言うことも聞いてもらう。

〇〇:......わかったよ。

小さい頃から

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秘密罪 #42

秘密罪 #42

また新幹線に揺られている。1週間前に東京に行った事がひどく昔のように思える。それは昔の〇〇の記憶である日記帳に入り込んでいたからなのか。それとも〇〇の事を拒絶していたからなのか。それはわからない。

遥香:..........。

天知:なぁ!お前ら腹減ってないか?弁当くらい奢ってやるぞ。食うか。

禅:......食べません。そんな気分じゃありませんし。

天知:つまんねぇ奴らだな。せっかくの旅

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秘密罪 #43

秘密罪 #43

美空は4人をホテルの自室に呼び出していた。

和:......どう...だった?

美空:....やっぱり記憶は中学の頃のままで止まってたよ。

さくら:......そっか。

沈黙が流れる。皆んなは何を言い出せばいいかわからない様子だった。だが、美空だけが明らかに顔付きが違かった。

美空:.....私、〇〇の記憶を戻したいです。

遥香:えっ!?

美空:私は戻したいと思っています。今日話して

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秘密罪 #44

秘密罪 #44

禅:ま、〇〇?.....入っていいか?

〇〇:.........あぁ、入ってもいいよ。

静かに笑っていたが、それを思い出したかのように突発的にやめ、禅を部屋に招いた。

禅:.....天知に何されたんだ?

〇〇:ん?....特に何もされてないよ。それより..君は?

禅:何もされてないわけないだろ....。俺は小川禅。〇〇の友達。

〇〇:.......へぇ....友達ね。

禅:〇〇と一緒

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秘密罪 #45

秘密罪 #45

ガチャ

美空:和!入るよ!

家の中から返事はない。美空は〇〇の部屋へ向かった。

ガチャ

美空:和! .....良かった...いた...。

和:.....美空....これ...。

和は〇〇の部屋で、一枚の手紙を持って、涙を滲ませていた。

美空:....和にも...あったんだね。..とりあえず座ろ。

和と美空は二人横並びで〇〇のベッドに座った。

美空宛の手紙の裏にはこう書いてあった。

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秘密罪 #46 最終回

秘密罪 #46 最終回

実況1:さぁ、ついに最終回です。この第106回全国高校野球選手権大会。色々なドラマがありましたね。

実況2:そうですね。この決勝の神城学園対乃木高校。両エースである神宮寺君と小川君は1回戦から素晴らしいピッチングを見せています。

実況1:2回戦の夏間君と小川君の投手戦は痺れましたねー。

実況2:素晴らしい試合でしたね。かたや神城学園は神宮寺君を筆頭に危なげなく勝利しています。王者の貫禄といっ

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秘密罪 和の未来編

秘密罪 和の未来編

あの日から何年経っただろうか。僕は高校卒業後に念願のプロ入りを果たした。数年は成績は振るわなかったが、プロにも慣れ、周りのサポートもあり、ついに今年はゴールデングラブ賞を獲得する事ができた。

そして今日は年の瀬。怒涛のシーズンも終わり、帰省する人もいれば、せずにトレーニングする人もいる。

僕は帰省する予定だったが、とある準備の為、帰省を遅らせた。その間も、早く帰って来て、寂しいなどと"彼女"か

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秘密罪 美空の未来編

秘密罪 美空の未来編

僕が美空の手を取った日から一年。僕は大学一年生。美空は高校3年生になっていた。

僕は近所の大学に行った為、美空と自分の家を行ったりきたりしていた。

〜〜

和:ここ教えて?

〇〇:ん?どれどれ.....ここはね、この公式使って解いてみ。

和:わかった!

〇〇:偉いぞー。

ピロンッ

〇〇:....はぁ...。

和:美空から?

〇〇:うん。ちょっと行ってくるね。

〜〜

〇〇:美空

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秘密罪 さくらの未来編

秘密罪 さくらの未来編

男1:おぉ!君が〇〇君か! 思ってたよりずっと若いなぁ!

〇〇:そうですか?笑 まぁ....今後ともよろしくお願いします!

男2:おう!〇〇君!こっち来て飲みなさい!

〇〇:えーっと...お酒はあまり...

男2:そんなこと言わずにさ!

〇〇:まぁ...少しなら笑 

〇〇は大学に通いながら小説を書いていた。きっかけは秘密罪を書いたこと。そこから本を書くということに興味を持ちのめり込むの

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秘密罪 遥香の未来編

秘密罪 遥香の未来編

遥香:もー! そんな言わなくたっていいじゃん!💢

〇〇:遥香が料理教えてって言ったんだろ! 何回同じ間違いすんだ!💢

遥香:初めてだからしょうがないじゃん!

〇〇:にしても固すぎるわ! 春雨15秒でお湯から出すって....狂ってんのか!

遥香:だったら作ってる時に指摘してくれたっていいじゃん!💢

〇〇:遥香が言われるのやだって言って、最初は黙って見ててって言ったんだろ!💢

〇〇

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秘密罪 禅の未来編

秘密罪 禅の未来編

禅:ふぅ.....来い!呼ばれろ!

手を合わせながら祈る。周りには記者やカメラマンがいるが、特に目に入らなかった。向かいの席には家族がいる。

画面の向こうではMCが口を開いた。

MC:"第一巡選択希望選手・・

〜〜

パシャパシャ パシャパシャ

記者:小川禅選手!おめでとうございます!

禅:あぁ...ありがとうございます笑

記者:3球団競合でしたね。東北楽天ゴールデンイーグルスに入団

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