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秘密罪 さくらの未来編



男1:おぉ!君が〇〇君か! 思ってたよりずっと若いなぁ!

〇〇:そうですか?笑 まぁ....今後ともよろしくお願いします!

男2:おう!〇〇君!こっち来て飲みなさい!

〇〇:えーっと...お酒はあまり...

男2:そんなこと言わずにさ!

〇〇:まぁ...少しなら笑 


〇〇は大学に通いながら小説を書いていた。きっかけは秘密罪を書いたこと。そこから本を書くということに興味を持ちのめり込むのにはそう時間は掛からなかった。大学在学中にヒット作をすでに2本も出していた。

今日は小説家同士の会食会だった。


男1:それで?今は新作でも書いてるのかい?

〇〇:えぇ...まぁ新作と言いますか...書いてますけど...なかなか上手くいかなくて....

男1:ほう、〇〇君が上手くいってないと....まぁ焦らずやるんだ。いつでも休めるのがこの世界だからな。

男2:まぁ早く出さないと外野から言われるのも、この世界の特徴だけどなぁ

〇〇:まぁ...頑張ります。

男2:〇〇君は大学卒業したばかりだろ?恋愛とかはしてるのか?

〇〇:彼女はいます。

男1:おぉ!いいなぁ。この世界は特殊だからね。特殊な性格な人も多いんだ。彼女さんも覚悟があるんだね。

〇〇:彼女とは高校時代からの付き合いで...とても良い子です。

男2:じゃあ...早めに結婚とかしても良いと思うぞ。支えてくれる人がいると良い作品が書ける。

〇〇:...考えてはいますよ。今書いている小説が書き終わったら..

男1:何か考えがあるんだな? 吉報を待ってるよ笑 とりあえず今日は飲もう!

男2:ほら!乾杯だ!

〇〇:まだ飲むんですか笑

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〇〇:うぅん.....頭いてぇ....


コンコンコンッ


〇〇:ん、はーい。

さくら:入るよー。〇〇君。大丈夫?

〇〇:まだちょっと頭痛いけど....飲みすぎちゃったな..

さくら:お酒弱いんだから気をつけてって言ったでしょ。

〇〇:さくらが強すぎるんだよ笑

さくら:そうかなぁ。まぁ...お水置いとくから。

〇〇:ん、ありがと。


バタンッ

〜〜

さくらと〇〇は一緒の大学に通い、同棲したのは大学を卒業してから。ヒット作を2本も出したとなると、お金には割と余裕があり、生活には苦労していなかった。

ただ気になるのは一つだけ。大学の頃は学部が違かった為、時々デートしたり、時々泊まったり、その時に好意を伝え合ったりしていた。

だが、同棲を始めてから、それがなくなった。〇〇からは好意を伝えているのだが、さくらから伝えてくれることはなくなった。逆に伝えるとそっけない反応をし、すぐその場を立ち去ってしまう。

それがずっと気がかりで、あまり作品に打ち込めていなかった。

〜〜

〇〇:さくら、今日の夕飯何がいい?

さくら:うーん...なんでもいいよ。

〇〇:んーー...じゃ、ハンバーグにしよっかな。お味噌汁作ってくれる?

さくら:うん。いいよ。

〇〇:やった!さくらの作る味噌汁好きなんだよね。

さくら:ふ、ふーん。...ちょっと用事思い出した。


バタンッ さくらは自室へ行ってしまった。


〇〇:はぁ....また行っちゃった...。僕....なんかしたか..


心なしか自室へ行くさくらの顔は少し赤かった。

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〇〇:んー.....あぁ!書けないなぁ...。こんな気持ちでこの作品書いてもなぁ....。


数日間、ご飯、お風呂の時間以外は自室に篭って小説を書いていた。筆は進まなかった。


〇〇:....こうなったら、出てくれ!


〇〇はスマホを手に取り、通話画面を開いた。表示されている名前は「遥香」

通話ボタンを押し、表示されていた文字は「通話中」だった。


〇〇:もー! またか....最近ずっと誰かと通話してるな....。


すると隣のさくらの部屋から物音がして、すぐに収まった。


ブーッ ブーッ


スマホが鳴って通話を取る。遥香から掛かってきた。


〇〇:"もしもし"

遥香:"もしもし?どうしたの?"

〇〇:"いや.....その、ちょっと相談がありまして..."

遥香:"さくのこと?"

〇〇:"え...なんでわかるの"

遥香:"秘密。それで?なんかあったの?"

〇〇:"...うん。なんか....さくら、もう僕の事好きじゃないじゃないかって..."

遥香:"なんでそう思ったの?"

〇〇:"同棲してからずっとそっけないし...すぐ自分の部屋行っちゃうし...別れた方がいいのかな..."

遥香:"〇〇はさくの事、もう好きじゃないの?"

〇〇:"ううん。大好き。なんだったら結婚も考えてた。今も考えてるけど...."

遥香:".....ぷっ...あはは笑"

〇〇:"なんで笑ってんだよ!"

遥香:"あはは笑 ごめんごめん。まぁ大丈夫だと思うよ?"

〇〇:"軽いなぁ...まぁその言葉信じて頑張ってみるけど"

遥香:"旅行とか行ってきたら?休むのも大事だと思うし"

〇〇:"旅行か...うん。わかった。考えてみる"

遥香:"頑張れー"


ブツッ


そこで通話は切れた。


〇〇:ふぅ....旅行先調べてみるか...。


隣の部屋では再び物音が続いていた。

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コンコンコンッ


〇〇:さくら、料理できたよ。


ガチャ


さくら:ん、ありがとう。

〜〜

〇〇、さくら:いただきまーす。

〇〇:美味しい?

さくら:うん。

〇〇:....そっか。


目も合わせてくれなかった。その後も会話もないまま食事が終わる。

だか、いつも早々と部屋に戻るさくらが、食べ終わってもソファに座っていた。


〇〇:.........。

さくら:..........。

〇〇、さくら:あの!

さくら:あっ.....

〇〇:あ、、先いいよ。

さくら:ううん。〇〇君先いいよ。

〇〇:そう?....じゃあ...話すね。

さくら:.......うん。

〇〇:旅行行かない?2人で。

さくら:えっ!?

〇〇:最近休んでなかったし.....ダメ...かな。

さくら:あ...えっと......うん。行こ。

〇〇:えっ!?ほんと!?

さくら:うん。行こ。

〇〇:良かったぁ...で、さくらの話は・・

さくら:何でもないよ。


バタンッ


そう言ってさくらは自室に戻ってしまった。


〇〇:これ....成功したのか?


部屋からは、また物音が聞こえていた。

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旅行の日程を決めた。その日までに〇〇は小説を仕上げた。

出来上がった小説をバックにいれ、旅行の準備をする。

〜〜

〇〇:さくら、準備できた?

さくら:うん。出来たよ。

〇〇:じゃ、行こっか。


2人が行くのは温泉旅行だった。〇〇は密かにとある計画を立てていた。

〜〜

新幹線


〇〇:...すーっ....すーっ....

さくら:...〇〇君寝ちゃってる...疲れてるのかな。

さくら:....私のせいだよね...はぁ...どうしよ..。

さくら:.......よしっ! 決めた!

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旅館


さくら:うわぁ...良いお部屋..。

〇〇:ちょっと奮発しちゃった笑

さくら:これから何するの?

〇〇:今回の旅行はね、さくらがしたい事しようと思って。何がしたい?

さくら:え? 〇〇君はいいの?

〇〇:うん。さくらがしたい事しよ?

さくら:...うーん....じゃあ食べ歩きしたい。

〇〇:おっ! じゃあ行こうか!

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さくら:うまっ!

〇〇:ふふっ笑 良かった

さくら:っ....あんまり笑わないで...。

〇〇:え、あ、ごめん。

さくら:あっ、違くて(なにしてんだろう、私)

〇〇:つ、次は何食べる?

さくら:みたらし団子.....

〜〜

さくら:うまっ!

〇〇:僕のゴマ団子も美味しいよ。食べる?

さくら:いいの?

〇〇:うん。いいよ。はい、あーん。

さくら:へっ!?// やっぱりいらない!

〇〇:え....あ、そう...。

さくら:...........。

〇〇:旅館....戻ろっか?

さくら:.....うん。

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旅館


さくらは飲み物を買いに自販機へ出かけた。


さくら:はぁ.....全然ダメ.....どうしよ。


ジュースと、〇〇が欲しいと言っていたコーヒーを買って部屋に戻った。

〜〜

ガラガラガラッ


さくら:〇〇君、買って来たよ....って

〇〇:.....すーっ.....すーっ....

さくら:寝ちゃってる......かぁ...

さくら:よいしょ...。


さくらは〇〇の頭を少し上げ正座している自分の脚に置いた。


さくら:.....ごめんねナデナデ


さくらは寝ている〇〇の頭を撫でながら話し始めた。


さくら:....高校の時みたいにずっとくっついてたいんだけどね、同棲するってなった時、なんか結婚とか意識しちゃって.....

さくら:そしたら、なんか好きが溢れちゃってね...すっごい意識しちゃって//

さくら:でも....〇〇君小説書くので忙しいから、ずっとくっついて迷惑かけられないし私もちゃんとしないと!って思っちゃって....だからなんか冷たくしちゃって...

さくら:毎日かっきーに相談してたんだけど...私...不器用だから、どうすればいいかわかんなくて....

さくら:でも....大好きだよ...別れたくないなぁ...。


思いの丈を語った。さくらの今までの行動は、自分の気持ちと〇〇の仕事を考えた上での行動だった。


〇〇:........さくら、ごめん。起きてる。

さくら:えぇっ!? どこから!?

〇〇:膝枕してくれた時に目覚めちゃって....。

さくら:え....嘘//


〇〇は起き上がってさくらと向かい合って、抱きしめた。


さくら:えっ...

〇〇:ごめんね。僕の事考えてくれてたんだ。

さくら:......でも〇〇君に気遣わせちゃって...

〇〇:....僕はもっとさくらに甘えて欲しいなぁ..

さくら:え?

〇〇:小説書いてて辛い時とかは、さくらを見ると元気が出るし、僕もくっついてたいし...

〇〇:それに...さくらがいるから僕は頑張れるんだよ。あの日からさくらと付き合ってて後悔した日はないしね。

さくら:〇〇君....。

〇〇:だからさ、もっと甘えてよ。僕も甘えるからさ。

さくら:...いいの?

〇〇:うん。だって大好きだもん。

さくら:うぅ....グスッ...ごべんねぇ...グスッ

〇〇:よしよしナデナデ

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2人の間での誤解も解けて、後は楽しむだけだった。豪勢な夕食。そして部屋についてる露天風呂を堪能した。


〇〇:ふー....良い湯だったなぁ...

さくら:そうだねぇ...


2人は部屋の窓を開け、夜風に当たっていた。


〇〇:....なんか修学旅行思い出すね。

さくら:....恥ずかしい//

〇〇:僕が温泉入ってたら、さくらが入って来てさぁ笑

さくら:だってあの時間だったら誰もいないと思ったんだもん...。

〇〇:僕も混浴だって知らなかったしね笑

さくら:ふふっ笑 

〇〇:あー...ほんとにさくらに出会えて良かったなぁ...

さくら:私も...〇〇君と会えて良かった。

〇〇:.......よしっ!


〇〇は何か思い立ったように部屋の中にある自分のバックを探り始めた。


〇〇:これ、読んでみて?

さくら:これ....新しく書いてた小説?

〇〇:うん。完成したんだ。

さくら:へー! 私が最初に読んでいいの?

〇〇:さくらに読んで欲しいんだ。

さくら:.....わかった!


さくらは小説を読み始めた。

転校初日、僕は始業式をサボって屋上へ向かった。当時何もする気が起きていなかった僕は、それしかすることがなかった。

屋上へ行くと、もう一人サボっている生徒を見つけた。ひどく綺麗だった。何かを抱えていそうな雰囲気を漂わせ僕に話しかけて来た。

その日以降、僕は彼女に会いに、ほぼ毎日屋上へ向かった。

〜〜

さくら:これって.....


その小説に書かれていたのは、〇〇とさくらの出会いから現在までの話だった。


〇〇:これはさくらに向けた小説だよ。さくらと僕はだけのもの。


さくらは小説を半分まて読み進めた。第1章「最高の彼女」完 と書いてある。そこから先は何も書いていないページが続いている。

だが、ただ一文だけ続けて書いてあった。

        第二章 結婚生活

さくら:.....これ....えっ!?

横を見ると、結婚指輪を持って立っている〇〇がいた。


〇〇:仲直りしたら渡すつもりだった。ここから先のページは今から作ろう。

〇〇:僕と....結婚してくれませんか?

さくら:....グスッ...うぅ....嬉しい、、

さくら:...不束者ですが..よろしくお願いします!

〜〜


屋上で二人が出会ったのは運命なのか、必然なのか、神様のいたずらなのか。奇跡が生んだこの星で起こる全ては、全て奇跡なのである。

この先のページは二人が生きた軌跡だ。二人しか知る由もない。

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                  Finish


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