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#小学生

【1話完結小説】親指隠し

【1話完結小説】親指隠し

「救急車が来たら親指を隠さないと親の死に目に遭えない」

そんな都市伝説めいた話を学校で聞いて以来、僕は救急車のサイレンが聞こえるたびに親指をしっかりと隠した。僕だけではない。一緒に登下校するクラスメイト達も同じように親指を隠すことに夢中だった。

「あっぶねー!もう少しで隠すの遅れるとこだったわ!」「セーフ!」「もう俺ずっと手ぇポケットに入れとくわ」「うわ、それ最強!」
救急車が近くを通ると、僕

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【連作】ヨッチのこと5

【連作】ヨッチのこと5

校外学習の自然公園でヨッチが迷子になった。

「世話の焼けるヤツだな」

僕は班長として責任を持って広い公園内をあちこち探し回ったが、ヨッチは見つからない。そのうち見慣れない場所に出てしまった。当然辺りには誰もいない。急に不安が押し寄せてくる。

「世話の焼けるヤツだな」

後ろで声がして、振り向くとヨッチがいた。

「ヨッチ!道わかるか?」

焦って問いかける僕に、ヨッチはニヤリと笑って答えた。

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【1話完結小説】僕とジュリエット

【1話完結小説】僕とジュリエット

 通学路にあるボロアパート。その2階角部屋の窓から、下校中の小学生に向かって毎日怒鳴ってくるおばさんがいた。6年生の僕が入学した時からずっと繰り返されている光景だ。
「ぎゃいぎゃい煩いんだよ!このクソガキどもが!親連れてこい!」
 怒鳴られるたび、女子達は足早に逃げていくし、僕ら男子は敵と対峙したヒーローみたいな気分で言い返したりする。おばさんは部屋から怒鳴ってくるだけで実害がない為、半ばゲーム感

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【連作】ヨッチのこと5

【連作】ヨッチのこと5

給食時間。

ツヨシが一方的に絡んできたから悪いのに、何故か一言だけ言い返した僕まで先生に酷く叱られた。

喧嘩両成敗…なんて理不尽な理由で叱られるのは納得いかない。

机で一人突っ伏していると、ヨッチの声が降ってきた。

「5時間目、“ぼいこっと”しようぜ。付き合うからさ!」

顔を上げるとイタズラっぽい笑顔がそこにある。

僕は立ち上がった。

きっと先生に叱られても納得できる、と思えたんだ。

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【連作】ヨッチのこと4

【連作】ヨッチのこと4

「押忍!」

振り向くとヨッチだった。
最近空手を習い始めたらしい。

「俺、上手いよ!毎日100時間は稽古してるからさ!」

押忍!押忍!押忍!…
連続で挨拶ポーズを見せてくる。

初回は延々挨拶練習だったんだろうな、と思いながら僕は笑って言った。

「うっせーよ!」

end

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【連作】ヨッチのこと3

【連作】ヨッチのこと3

新学期の昼休みはまだどこか落ち着かない。

「な、お前絵上手いんだろ?キメツ描いてよ!」

ヨッチがおもむろに自由帳を差し出してきた。

*****

「…できたよ。」

描き終わり顔を上げると、僕の周りには誰もいなかった。

校庭からは皆が楽しそうにサッカーする声が聞こえてくる。

(…あぁ、またこのクラスでも一人かな。)

そう思った瞬間、

「ごめんごめん!これとこれにも描いてよ!」

連絡

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【連作】ヨッチのこと1

【連作】ヨッチのこと1

ふーせんの実をガラガラいわせながら、
ヨッチが公園にやってきた。

1人でブランコを漕いでた僕に向かって叫ぶ。

「探検ごっこしよーぜ!」

駆け寄った僕に

「はい!きび団子。」

ふーせんの実を1粒。

「犬じゃねーし!」

笑いながら2人で駆け出す。

夏が一気に膨らんでいく。

end

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【連作】ヨッチのこと2

【連作】ヨッチのこと2

放課後、ヨッチが急に声をかけてきた。

「今夜10時、お前んち近くの三角公園集合な!」

*****

翌朝。

「お前昨日来なかっただろ!母ちゃんに怒られんのビビッたな!?」

笑顔で空手チョップをかましてくるヨッチ。

実際来なかったのはヨッチの方。

だから僕が10時10分まで待ってた事、知らないんだ。

end

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