田澤由利

北海道北見市在住。時々奈良県生駒市。テレワーク歴30年。 就職、起業、経営、転勤族の妻…

田澤由利

北海道北見市在住。時々奈良県生駒市。テレワーク歴30年。 就職、起業、経営、転勤族の妻、3人の子育て、親の介護、地方在住、いろんな経験で構成されています。 https://www.tazawa.yuri.com/

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テレワークゆり物語 (1)テレワークは夢物語?

「テレワークなんて、夢物語。事業とは言えません!」 融資担当の銀行員は、冷たくそう言い放った。 「テレワークは、日本に必要な働き方です。国も推進しています。今は厳しい状況ですが、テレワーク事業を進めて業績を挽回させます。」 私の言葉は、担当者には負け犬の遠吠えのように聞こえたかもしれない。 私が株式会社ワイズスタッフを設立したのが、1998年10月(写真)。1997年 楽天、サイボウズ、1998年 サイバーエージェント、1999年 ディーエヌエー という名だたるIT企

    • テレワークゆり物語 (171)育児・介護休業法改正案 閣議決定とテレワーク

      2024年3月12日 育児・介護休業法の改正案が閣議決定された。 四半世紀、テレワークの推進に取り組んできた私にとって、 「テレワークが法律に記載され、世の中を変える」 ことは、まさに、夢見てきたことなのだ。 法律ができる(改正される)までの長い道のりと、その官僚のみなさんの努力 を、今回、勉強させていただている。 正直、私は何もしていないが、勝手に伴走してきた気持ちである。 始まりは、1年と2か月以上前2023年1月26日に始まった、厚生労働省「今後の仕事と育児・介

      • テレワークゆり物語 (170)二地域居住の法改正を、テレワーク視点でひも解く

        「この法律の改正は、一つのエポックメーキングであると考えています」 国土交通省 国土政策局 総合計画課の倉石課長が以下の記事で語った言葉だ。 LIFULL HOME'S 国交省が「移住・二地域居住促進」中間とりまとめを公表。施策の3本柱は「住まい」「仕事」「コミュニティ」 私もその通りだと思う。 時間はかかるが、法治国家の日本において、法律改正は「日本社会を変える」大きな原動力となる。 2024年2月9日。国土交通省の国土形成計画における移住・二地域居住等に関し、「広

        • テレワークゆり物語 【169】前向きすぎる私と、大河ドラマ「光る君へ」

          「お母さん、前向きすぎて気持ち悪い」 「三女がこんなこと言うんですよ。」と、長年おつきあいいただいている脚本家の大石静さんに話をしたら、 「そのセリフ、面白いわね。いつか使わせてもらうわ」と。 えっ?面白いのかなあ。 でも、よく考えてみると…。 「前向き」なことは一般的には良いこと。でも、それがひどすぎると「気持ち悪い」と感じる人もいるということか。 さすが「言葉」のお仕事を極めてらっしゃる、大石静さん。感度が自分とは違うと感心して、「まさか脚本の中に入る」なんて

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          テレワークゆり物語 【168】2024年の年賀状は、紙とデジタルの「ええとこ取り」

          「今年で紙の年賀状を区切りにしようと思います。」 2022年の我が家の年賀状は、1990年の新婚旅行から始まる、すごろく年賀状(?)による総集編だった。 娘三人がそれぞれの人生を歩み始めたことを機会に、 紙の年賀状からデジタル(ネット)の年賀状に移行することを決意し、冒頭のメッセージを入れた。 しかし、翌2023年は母の喪中はがきを出すことになり、紙どころかネットの年賀状も出すことはできなかった。 そして2023年12月31日の朝。日々の忙しさの中、年賀状について考え

          テレワークゆり物語 【168】2024年の年賀状は、紙とデジタルの「ええとこ取り」

          テレワークゆり物語 (167) 「テレワークの努力義務化」だけでない、大きな一歩

          2023年12月26日 厚生労働省「第66回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会」において、「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について(案)」が合意され、武見厚生労働大臣に建議することが決まった。 この会議を傍聴するために、久々の北見へのクリスマスイブ帰宅を1泊2日に短縮し、開催前日の最終便で東京へ移動した。 なぜ、そこまでして傍聴したかったのか。 理由は、テレワークが初めて法律に記載されるための、大きな節目の会議だからである。(※注 訂正あり) 自らのテレワーク歴

          テレワークゆり物語 (167) 「テレワークの努力義務化」だけでない、大きな一歩

          テレワークゆり物語 (166)母の一周忌に思う、私の「死生観」

          今日は、母の一周忌である。 私は、ちゃんとした宗教を持たず、また霊が見えたり、存在を感じたりすることもなく、「死」について何も考えずに生きてきた人間である。 しかし、この1年。家族が亡くなった後にすべきこと(お葬式から各種手続き、財産整理などなど)を初めて経験するとともに、自分なりに「死」というものが、どういうもので、どう向き合うべきかを考えるようになった。 それは一般的に「死生観」と言うらしい。 死生観は、宗教によって異なるし、個人によっても異なる。正解はないものの

          テレワークゆり物語 (166)母の一周忌に思う、私の「死生観」

          テレワークゆり物語 (165)ノーベル賞受賞・カリコ氏のコピー機をクラウド上に作りたい

          『1997年に、私たちはコピー機の前で知り合いました。だからもっとコピー機を増やすべきかもしれませんね。』 2023年ノーベル生理学・医学賞の授与が発表されたカタリン・カリコ氏のインタビュの一言。共に受賞したワイスマン教授との出会いを、ジョークを交えてこう語った。 このカリコ氏の言葉を聞いて、 「やっぱりオフィスに出社しないと、イノベーションは生まれないよね」 そう思った方は、少なくないかもしれない。 しかし、このデジタル化の時代にコピー機を増設するのは、現実的でない。

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          テレワークゆり物語 (164)テレワーク屋のワーケーションは美味しいか?[実施編]

          「そば屋のカレーは美味しい」に無理やりかこつけた「テレワーク屋のワーケーション」。 2023年8月25日を中心に実施した様子を「こだわり」スパイスと共にお届けします。 ちなみに、[企画編]はこちら。 それでは、[実践編]の、はじまり、はじまり~! こだわりは『車座のハイブリッド会議』ワーケーションの『ワーク』にこだわるテレワーク屋。今回のメインワークは、これからの我が社の方向をディスカッションする全体会議だ。 ただし、ひとりだけ「リモート参加」。そこで講演でいつも主張し

          テレワークゆり物語 (164)テレワーク屋のワーケーションは美味しいか?[実施編]

          テレワークゆり物語 (163)テレワーク屋のワーケーションは美味しいか?[企画編]

          『そば屋のカレーは美味しい』とよく言われる。 そば用の「和風だし」を使ったカレーなので、日本人の口に合っているという説がある。 テレワークで「仕事」と「休暇」を同時に可能になった『ワーケーション』。 テレワークのコンサルティング歴15年の「こだわり(だし)」で、「ワーケーション(カレー)」に取り組めば、美味しいものができるのではないか。 ・・・ということで、かなり強引ではあるが、(株)テレワークマネジメントが、自社のため、取り組んだ企業ワーケーションの顛末をご紹介する

          テレワークゆり物語 (163)テレワーク屋のワーケーションは美味しいか?[企画編]

          テレワークゆり物語 (162)『テレワーク&喫茶』と『大人のオムライス』の話

          『このカウンターで、ランチを食べる日が来るなんて・・・』 思わず、涙が出そうになった。 母が60歳で始めた『ブティック&喫茶 パステル』。 2020年春、コロナ禍に加え、母の心臓弁膜症の入院手術があり、店は長期休業状態に・・・。 でも「店を閉めるのは寂しい」と言う母の願いを叶えるために、2022年6月、『テレワーク&喫茶 パステル』として、リニューアルさせた。 『テレワーク&喫茶 パステル』は、仕事をするスペースなので、月~金はの営業のみ。 土日は『喫茶 パステル』と

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          テレワークゆり物語 (161)テレワーク実施率『半減』に物申す!

          日本生産性本部が、第13回 働く人の意識調査 を発表した。 この調査の発表を受けて、コロナ5類移行後の調査において「テレワーク実施率が半減」という記事が、メディア各社から出された。 しかし、テレワークの現状を『半減』や『激減』と表現することに、一言申し上げたい。 日本生産性本部の7月調査で、個人のテレワーク実施率15.5% 日本生産性本部は、コロナ禍が始まった2020年5月から、「企業」ではなく、「働く人」を対象に調査を続けてきた。信頼できるデータとして、私も講演など

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          テレワークゆり物語 (160)国の「国土形成計画」とテレワークの話

          令和5年7月28日、国の国土形成計画(全国計画)が閣議決定された。 思えば、国土交通省の「国土審議会委員」の就任のメールをいただいたのは、2020年11月27日のことだった。 国土交通省は、総務省・厚生労働省・経済産業省と共にテレワークを管轄しているが、メインは「テレワーク人口実態調査」であり、私が関わらせていただくことはほとんどなかった。 「国土審議会」というのは、国土交通省の数ある審議会・委員会等の中でも、非常に重要な位置づけである。 また、今後、審議会で検討するこ

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          テレワークゆり物語 (159)変化の時代だからこそ「温故知新」

          「お母さんがおばあちゃんの事を大切にしているのはわかる。でも、どこかで割り切らないと、キリがないよ。」 昨年亡くなった母のモノを整理する度に、娘たちから何度も言われた。 母の相続手続きでいまだ大変な毎日を過ごす中、倉庫として使っていたスペースをリフォームして、活用することを決意した。 母が25年経営していた「ブティック&喫茶」を「テレワーク&喫茶」にリニューアルするときは、母がいた。「これ、いる?」「これ、いらない?」と本人に確認しまくって、最後に残ったものを保管してい

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          テレワークゆり物語 (158)新しい勤務マネジメント「ゆるやかな柵」とは

          しばしば「在宅勤務は性善説」と言われますが、本当にそうなのでしょうか。 朝日新聞の記者さんから、そんな投げかけと共に「耕論」への取材依頼がきた。拙書「テレワーク本質論」においても、「テレワークは性善説でない」と主張している私は、飛びついた。 (世間であまり受け入れられていない)自論を、新聞で語れるチャンスなんて、めったにない。出張中だったが、すぐにアポをとって取材を受けた。 そして、掲載日の6月16日。これまた東京出張のため早朝に奈良の実家を出発。乗り換えの合間に、大和

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          テレワークゆり物語 (157)少子化対策「こども未来戦略方針」案におけるテレワーク

          6月1日、こども未来戦略会議(第5回)が開催された。 ここで提示された「こども未来戦略方針」案は、いわゆる『異次元の少子化対策』として、今月末に閣議決定されるであろう、重要な素案である。 メディアの報道では、予算をどう確保するか、また「児童手当の拡充」や「出産の負担軽減」「育休の給付金」など、金銭的支援が中心となっている。これらはもちろん最重要であるが、世間の議論の通り、予算の継続的な確保という大きな課題を伴う。 それと並行して実施すべきは、「男女ともに、子育て中でも働

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