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テレワークゆり物語 (1)テレワークは夢物語?

「テレワークなんて、夢物語。事業とは言えません!」

融資担当の銀行員は、冷たくそう言い放った。

「テレワークは、日本に必要な働き方です。国も推進しています。今は厳しい状況ですが、テレワーク事業を進めて業績を挽回させます。」

私の言葉は、担当者には負け犬の遠吠えのように聞こえたかもしれない。

私が株式会社ワイズスタッフを設立したのが、1998年10月(写真)。1997年 楽天、サイボウズ、1998年 サイバーエージェント、1999年 ディーエヌエー という名だたるIT企業が創業した時期でもある。

スペイン語学科卒業、北海道北見市在住、転勤族の妻、5歳、3歳、1歳の母親。企業経営とは無縁な私が、「会社に毎日通わなくても、しっかり働ける会社を作りたい」という思いだけで設立した会社。なんとか、ITバブルの崩壊、リーマンショック等を乗り越えたものの、黒字と赤字を繰り返し、貯金を使い果たし、親にも借金をしている、厳しい時期のエピソードだ。

しかし、冒頭の言葉は、その後の私の「テレワーク」推進の原動力(エンジン)となった。「絶対にテレワークを事業にしてみせる!」

その後、テレワークは、長く「下積み生活」を送ることになる。2020年、新型コロナ対策として、多くの国民が知ることになるまでは。

このnoteは、年間100近くの講演や研修で話をしている「テレワーク導入・推進」の話の記録場所ではない。田澤由利という1人の人間の人生と、テレワークという働き方がどうからみ、どんな人たちに助けられ、どう動いてきたか、そして、今後どうなって欲しいかを、心をこめて書き留める場としたい。

つまり「テレワーク夢物語」ではなく、「テレワークゆり物語」である。

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