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テレワークゆり物語 (162)『テレワーク&喫茶』と『大人のオムライス』の話

『このカウンターで、ランチを食べる日が来るなんて・・・』
思わず、涙が出そうになった。

母が60歳で始めた『ブティック&喫茶 パステル』。

母が還暦で始めた『ブティック&喫茶 パステル』

2020年春、コロナ禍に加え、母の心臓弁膜症の入院手術があり、店は長期休業状態に・・・。

でも「店を閉めるのは寂しい」と言う母の願いを叶えるために、2022年6月、『テレワーク&喫茶 パステル』として、リニューアルさせた。

ブティックはできないけど、テレワークスペースならば・・・

『テレワーク&喫茶 パステル』は、仕事をするスペースなので、月~金はの営業のみ。
土日は『喫茶 パステル』として、母の昔からの常連さんとの交流の場として、店を開けた。

でも、暑い夏を乗り越えた11月。突然、母は、天国に行ってしまった。
亡くなる2日前の日曜日、一緒に『喫茶 パステル』を開けて、コーヒーを淹れていたのに・・・。

最後にパステルで珈琲いれてよかったね

以来、『テレワーク&喫茶 パステル』の土日祝日は、シャッターが閉まったままだった。

あれから9か月が過ぎた、母の初盆の8月。

縁あって『テレワーク&喫茶 パステル』が営業しない時間を、フレンチBAR『Le Nord ルノール』と、お店をシェアすることにした。
(必要な時間のみの店舗活用は、両方にとってメリットとなる)

平日の日中(9:00-18:00)は、『テレワーク&喫茶 パステル』。
平日の夜と、土日祝は、『Le Nord ルノール』。

異業種での店舗シェア。
店舗の内装はそのまま。お互い配慮しながら同居する。
私にとっても挑戦だった。

お盆に入り、さっそく、ランチをいただきに、『Le Nord ルノール』へ。

お昼のメニューは、『大人のオムライス』。(土日祝のみ)
『Le Nord ルノール』の前身・ビストロルノールは、ミシュランガイド奈良2017に掲載されたほど。シェフがオムライスに腕を振るう。

お店のカウンターで、『大人のオムライス』をいただく。

シェフが腕をふるう『大人のオムライス』(8月は夏のスパイスカレー)

母が毎日のように立っていたカウンター。
ふと、ここで母と交わした会話を思い出す。

「あんた、せっかく帰って来てんから、ランチ食べて行きや。
  トーストか、ピラフならすぐにできるで。」
「いや、仕事があるから、いい。顔を見に、寄っただけやから。」
「そうか。忙しいんやな・・・。」

私が40代の頃、パステルがお客さんで賑わっていた時代の話

そんな会話を、何度しただろうか。
あの頃の私は、母への「反抗期」が残っていて、本当は、食べたかったけど、長い時間、店にいるのが何となく恥ずかしかった。

そんなことを思い出していると、やっぱり涙が出てきてしまった。

もう還暦のおばあちゃんなのに、情けない・・・。
"まだまだ"やな。


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