世間で醜いと評価されているものに どうしても心が惹かれてしまうのはなぜか 醜さとは拙い知識や世間の評価を信じ込み 決めつけているだけに過ぎない 本当の醜さは目には…
あなたが全うできなかった職に わたしは10年早く就いてしまう 本当ならば わたしのゆく道の先にはあなたがいて ずっと追い越せない星のように 光り続けているはずだった …
君とわたしは 似過ぎているから きっと一緒にはいられなかった 独占欲や嫉妬心や解き放たれた わたしたちの感覚は この世界では理解してもらいにくいらしい 土地を耕し …
ずいぶんと遠くにきてしまい この詩の中で描く人間らしい感情は 私の中にはもうなくなりつつあります 水は毎日注ぎ込まれ 身体中を巡り 排出される 注ぎ込まれる水に 様…
わたしの故郷は意外と近いところにあった 太陽系と同じ天の川の中 果てない宇宙からすれば 謂わば隣国だ あの人の故郷は ここからずいぶんと離れていそうだが あちらの次…
抱かれたいなと 思うことがある それはふとした瞬間 ハンドルを捌く節ばった指 パソコンに落とす眼鏡越しの目線 名前を呼ぶ低い声 朧に霞む目には そのどれもが耽美で妖…
鱗のような欠片が わたしの目に入っていないだけで 世界はこれほどまでに曖昧なのか 水中のような霞み 陽炎のような揺らめき シャツの色は散らばり 改札の切符の入れ口を…
あのひとは笑う お前は俺と似ているね と 何が似ているものか わたしはそんなにすぐ臍を曲げない 疑心暗鬼で世の中のことを斜に見て 他人に噛み付くようなことはしない…
とぷとぷと赤く 泉は湧く 澱みなく 綺麗な泉は 月が満ちるように 湧き出てそして枯れる 何も不浄なことなどない 生み出すことは 痛みを伴うだけ またとぷとぷと優しく…
あのひとが遠くに行ってしまうと聞いた日 静かな水面が一気に粟立った いつも飄々としているくせに 他人に酷く叩きのめされ去ることになったと 夫にも抱かないこの感情は…
キミはよく分からない 感情が表情に出ないからか 気まぐれな故なのか ただその白い腹毛をチラつかせ 喉を鳴らしてやってきて わたしの胸を踏み締めている 眉間を撫でると…
吉井たゆたふ
2023年3月13日 22:14
世間で醜いと評価されているものにどうしても心が惹かれてしまうのはなぜか醜さとは拙い知識や世間の評価を信じ込み決めつけているだけに過ぎない本当の醜さは目には見えないものだという反論はあまりにもありふれていてそのオリジナリティに惹かれるのではなく本当は醜いものなんてありはしないのにそれを世間のせいで醜いと思い込んで恥じている純心さに心を打たれている気がするその心を解したい
2023年3月9日 22:57
あなたが全うできなかった職にわたしは10年早く就いてしまう本当ならばわたしのゆく道の先にはあなたがいてずっと追い越せない星のように光り続けているはずだった空高く登れば登るほど瞬けるのにあなたは人知れず山を降りた聳え立つ山に目を背け麓にとどまってその山の残酷さもわたしの未熟さも痛いほど理解した上でそれでもわたしの知らせを心から喜んでくれる姿が浮かぶからわたし
2023年3月4日 19:36
君とわたしは似過ぎているからきっと一緒にはいられなかった独占欲や嫉妬心や解き放たれたわたしたちの感覚はこの世界では理解してもらいにくいらしい土地を耕し育て方を教え収穫する術を教えるためには同じ場所にいるよりもなるべく遠いところにいた方が効率がいいこの感覚を普及するためにお互い別々のところで生きてゆくことになったそう考えるのが自然だでもたまに世間の馬鹿らしさにつ
2022年6月20日 07:13
ずいぶんと遠くにきてしまいこの詩の中で描く人間らしい感情は私の中にはもうなくなりつつあります水は毎日注ぎ込まれ身体中を巡り排出される注ぎ込まれる水に様々な要素が溶け込み刺激的だった若い頃と比べ何の味もしないほとんど透明になった今は思い出そうと意識しないともう思い出せないものなのです自ら捨ててきたものでありません必要なくなってしまったものなのです慕情や色欲や憧
2022年6月18日 21:21
わたしの故郷は意外と近いところにあった太陽系と同じ天の川の中果てない宇宙からすれば謂わば隣国だあの人の故郷はここからずいぶんと離れていそうだがあちらの次元では遠いも近いもないのだろう昼夜の境もなく存在は皆平等水と戯れ全てを愛し善悪という観点もない世界現世の記憶はないからか望郷の想いは抱かないが肉体を捨ててこの惑星を卒業し魂が宇宙に戻った暁には懐かしく想う
2022年6月18日 21:03
抱かれたいなと思うことがあるそれはふとした瞬間ハンドルを捌く節ばった指パソコンに落とす眼鏡越しの目線名前を呼ぶ低い声朧に霞む目にはそのどれもが耽美で妖艶にうつるしかしもしもあなたも霞んだ目でわたしを求めてきたらそのときは気でも狂ったかと罵倒しその手を振り解き怒りに我を忘れたふりをするだろう一夜の淡い夢は陰をつけ闇を纏い深い沼へと為っていく夢と現実とが
2022年6月17日 12:42
鱗のような欠片がわたしの目に入っていないだけで世界はこれほどまでに曖昧なのか水中のような霞み陽炎のような揺らめきシャツの色は散らばり改札の切符の入れ口を囲う蛍光黄色の円だけが鮮明にみえたすりガラス越しに見つめることに飽きてぼんやりと身を委ねるこの世界にはわたしのことを知ってる人がいてもわたしは知らない見えていないのに見えているふりをしなくていい雑踏の中を
2022年6月14日 23:46
あのひとは笑うお前は俺と似ているね と何が似ているものかわたしはそんなにすぐ臍を曲げない疑心暗鬼で世の中のことを斜に見て他人に噛み付くようなことはしない本当は天真爛漫で素直に人のことを信じてしまうそういう鈍臭いやつなのだわたしがあなたの真似をするとあんまり嬉しそうに笑うからその顔見たさに猿真似をしているだけだあなたの前でわたしの自我は変幻自在に形を変える陰
2022年6月12日 16:42
とぷとぷと赤く泉は湧く澱みなく綺麗な泉は月が満ちるように湧き出てそして枯れる何も不浄なことなどない生み出すことは痛みを伴うだけまたとぷとぷと優しく満ちてゆく
2022年6月12日 15:37
あのひとが遠くに行ってしまうと聞いた日静かな水面が一気に粟立ったいつも飄々としているくせに他人に酷く叩きのめされ去ることになったと夫にも抱かないこの感情はいけないもののような気がするわたし如きが何かできることはない弱っている姿を頑なに隠したがるあのひとに気を遣って何も知らないふりをしてただ心の中ではどうにかして救ってあげることはできなかったのかと自責の念にひとり溺れて
2022年6月12日 13:28
キミはよく分からない感情が表情に出ないからか気まぐれな故なのかただその白い腹毛をチラつかせ喉を鳴らしてやってきてわたしの胸を踏み締めている眉間を撫でるとギュっと目を瞑りピンクの鼻は満足そうに濡れているそれを見ると少なくとも好かれてはいるようだと思わずにはいられない