【詩】四
あのひとは笑う
お前は俺と似ているね と
何が似ているものか
わたしはそんなにすぐ臍を曲げない
疑心暗鬼で世の中のことを斜に見て
他人に噛み付くようなことはしない
本当は天真爛漫で
素直に人のことを信じてしまう
そういう鈍臭いやつなのだ
わたしがあなたの真似をすると
あんまり嬉しそうに笑うから
その顔見たさに猿真似をしているだけだ
あなたの前でわたしの自我は
変幻自在に形を変える
陰であいつは妹だからと人に言うのが聞こえる
それが嬉しくてたまらないから
無理矢理牙を尖らせる
滑稽で醜い性根の持ち主なのだ
繊細すぎるあなたに
どこが似ていると言えるものか
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?