一分で読めるタクシーエピソード『タクシードライバーは見た』

183
記事

#タクシードライバーは見た「マッチングアプリ」

「出会いはワンタップで。」
マッチングアプリが世間を賑わしている。特に東京は多いのではないだろうか。
スマホでは広告を見ることがあるが、それだけではない、街中の看板広告にもマッチングアプリが多く掲載されている。
「出会いはワンタップで。」確かそう書かれていた。
マッチングする者にもそれぞれ目的があるのだろうが、少々濃厚なマッチングアプリも存在しているようだ。

六本木で深夜、男性二名をお乗せした。

もっとみる
ここだけの秘密ね、実はハゲてきたかもしれない。あ~どうしよ。
2

#タクシードライバーは見た「目茶目茶」後編

前回の続き
―――
二組のご家族が2台に分かれてタクシーに乗ることになり、
後ろは付いてこさせるのか、場所は知っているのか、そんなやり取りが続く。
お客様の都合に合わせて運転していたら他の車の邪魔になるし、事故の危険性だって高まる。

厄介な客だな~とは思いながら、少々無理やり後ろのご家族の乗るタクシーを待つために停めることにした。
「後ろ来たら前に入ってもらおう」奥さんは電話の呼び出しの間に夫に

もっとみる
ここだけの秘密ね、実はハゲてきたかもしれない。あ~どうしよ。
2

#タクシードライバーは見た「目茶目茶」前編

大分前に、困るというか少し腹が立った時があった。
いや、少しというより、お客様が降りた後に「クッソが!」と語頭も語尾も強めながら蛮骨で粗っぽく、可愛げのない醜な言葉が口から滑り出てしまったことがあった。
おそらくだが、私は普段からそういった言葉遣いをする方ではなく「クッソが!」と言ってしまった後も「あ~クッソが!とか言ってしまった―」と宥めようとする自分が現れたりする。
だからなんというか、深い憎

もっとみる
スキだけ?スキだけ?スキだけですかーーっ!?
6

#タクシードライバーは見た「現実を感じる」

ネット上の世界は所詮ネット上の話でしかない。
Twitterでワニの話題やその他の話題がトレンドとなろうが、タクシーの車内ではお客様からその話は出てこない。
結局どの現実もその人が見ている世界が広がっていて、同じ空間、次元にいるはずなのにどこか違う感覚がある。
でも今回のコロナ騒動によって、「あ、同じ現実を生きているんだな」と実感することが出来た。

タクシー運転手をするようになって、同じ世界にい

もっとみる
あなたはだんだん、タクシーが好きにナール、僕も好きにナール
1

#タクシードライバーは見た「温かい伝染」

新型コロナウイルスの影響でタクシーを利用する人は減っている。
それでもタクシーに関して、もしくは自分にとってはそこまで大きな影響は受けていないが、イベントを予定していた方々にとっては準備してきた全てが水の泡となり、個人経営の飲食店や旅館は休業のみならず閉じるという選択をしたという話を聞いたりもする。
それぞれの立場の人たちが困難な状況に立たされ、ウイルスによる感染だけでなく、悲愴な病に侵されかけて

もっとみる
あいがとう・・・  (サボリ)
4

#タクシードライバーは見た「愛くるしい歩行拒否」

ペットを連れて歩く女性は都心部ではよく見る。
人間より嗅覚の優れた動物でありながら、排気ガスが舞うこの都心部を歩くときにどういう気持ちなのだろうと気になったりするが、
夜間のライトも、同じように厄介なのではないかと思う。
人間の顔の高さには当たらないがちょうど犬の高さに行くようになっている。
実際のところどうなのだろう。
話さないから気持ちは分からないが、眩しいはず。

そんな本当の気持ちの分から

もっとみる
はっ( *´艸`)   ・・・あ、いや、別に嬉しくないし。
12

#タクシードライバーは見た「極小のサーカス」

清涼な風が肌をさすり、夏の終わりを感じる日の0時を回った頃、
お客様をお送りしていた。
何度もお送りしたことある地域へ向かう道はいつもと変わらず、ところどころ夢の世界へ誘われる別のルートが現れる時がある。
お客様は眠りに入り、互いに一言も喋らないこの時間は、
心地良い訳ではなく、ただただ凡常の時間だった。

そういう時は大体、今見えているものか、最近気になっていることについて
考えを回していないと

もっとみる
いつか、僕のタクシーに乗ることがあったらその時は。
8

#タクシードライバーは見た「突然の一騎打ち」

そいつの目に迷いはないようだった。
タクシーを走らせているとこちらへの目線をズラすことなく、一切の弛みもなく真っ直ぐに滑空してくる。
一騎打ちの火蓋はこちらの任意無く始まろうとしていた。

そいつはまだ20mほど先にいるが互いに相対していることから交戦まで2秒とないだろう。
その瞬間に、これまでの戦歴のが脳裏に蘇った。
今回同様、
急にこちらのラインに入り込み一騎打ちを始めるとき、
道路の真ん中に

もっとみる
ここだけの秘密ね、実はハゲてきたかもしれない。あ~どうしよ。
2

#タクシードライバーは見た「銀座で幽居する外れ者」

時折見かける事があった。
身を潜めるように背を丸め、そそくさと速足で駆け抜ける。
見かけたとしても声を掛ける余地はない、そもそも向こうも声を掛けられたくはないだろう。
でもこの間は少しだけ、近づくことが出来た。

日曜日の夜、銀座は閑散としていた。
並木通りや花椿通り、平日夜なら通りの両側に総じて停まっているスモークのクラウンやレクサス、アルファードは一台もいない。
停められて狭くなった通りを少し

もっとみる
いつか、僕のタクシーに乗ることがあったらその時は。
4

#タクシードライバーは見た「赤坂のど真ん中に出来た群り」

赤坂を走っていると、ある群りが出来ていた。
その中心には50代後半ほどの男性がいて、男性を中心にひしめき合う周りの者たちは我こそはと男性に逼り、中には側にいる者をはたき落とすように押しのける者もいる。
数にして四、五十といったところだろうか。
まんざらでもない表情をみせる男性はハーレム状態で目の前の信号を渡っていた。

年に数回は目にすることがある。
赤坂に限らずどこでもその群りは出来る。北海道で

もっとみる
今この瞬間から、あなたはタクシーが大好きになる。
3