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美術館ギャラリーめぐりにハマってしまいました

こんにちは、ちゃくです。
今回は何の記事かと言いますと、アートです。この2年くらいアートにずっぷりと浸かっています。美術館やギャラリーに行くのはもちろん現代アートに関するものを中心に書籍も集めて読んだりもしています。ただお金はないのにあれもこれも欲しいものを買ってしまっているのでどうも積読がふえてしまったりで新しいドデカ本棚を新調してしまいました💸 もともと絵を習っていたりとかしていて、小学校の頃から音楽よりもビジュアルのアート派なのですが(今までの記事で言っているように音楽を聴くのは大好き!) 、ついに僕の中で大大爆発が起こってしまいました。

きっかけ

きっかけは大学受験が終わった去年の春、溜まっていた遊びたい欲、外出したい欲で少し美術館に行ってみたりしていました。その時は美術館メインというわけではなく、遊びの行き先のひとつみたいな感じ。実家は千葉なのですぐに都内に出かけて行って大きな、そしてダイバーシティに富んだ展示をたくさんみれる機会がありました。そのときは、何気なく行った岡本太郎記念館と国立新美術館の佐藤可士和展でした。(その時、一緒に行ってくれた人の補正もあると思いますが、)なんだかとっても楽しかったんですね。今回の見物では物足りす、もっとそういうところに行ってみたいという欲は少しずつ芽生えていっちゃいました。しかしその気持ちとは裏腹に大学入試終了後は無事にいく大学が決まることになりその準備でバタバタ。その次の瞬間には僕は地方の大学に進学していました。残念すぎる! 鉄が冷えちまうぜ!!

佐藤可士和展

そんで引っ越した先の都市というのが、それがまた美術やアートが盛んな地域ではなかったんですね。青森や金沢は現代美術が盛んなイメージがありますが、全然そんなこともなく、大きな県立の近代のコレクションが多い美術館がひとつと少し大きめの多目的スペースに近いアートスペースがあるくらいでした。もちろんそんな小さな都市の施設では美術ウォッチャービギナーの欲を満たすことなど到底できるわけもなく…。初めてのお盆ではコロナ関係で帰省できず、結局次に実家に帰ったのは11月でした。まあ実家に帰ると言っても、実際には都内に遊びに行くために実家を拠点にさせてもらってい流ってくらいのニュアンスでして、これからは帰省という言葉で都内の美術館に回るのがセットになっていきます。という感じで一人暮らし始めた後の帰省ではいつも実家にはいずにほとんど都内に行ってます。

2021年11月の帰省

初めての帰省では印象派から小さなギャラリーから、ルイヴィトンのアートスペースまで、1日で回ったにしては色んなジャンルの展示を見たと思います。そこで、興味があったと思っていた美術、アートにも僕の好き嫌いがあってなんとなーくそれがわかってきたような感じがしました。何か自分にハマる作品、ハマらない作品。その時から、楽しんで美術を観ようと思って意識的にしているのが、コンテキストをよむ、どうしてその作品を作ることになって、この作品にはどんな意味があるんだろうか、と言ったようなことを考えながら展示を観るということです。美術ウォッチャーの方たちにとっては当たり前なのかもしれないですが、こういうことを考えながら観るというのは今までただ見てきただけのものが、縦横の知識でもって立体的にみえてくる。でもちろんその作品の見た目、表象が素晴らしくどうしてもうっとり眺めて好きになってしまう作品もありますし、表象の美しさというのはもちろん別の評価軸として存在していますが、これを作ってこんなことをどうしても表現しなければならなかった、みたいなことを考えるとじわじわとその作品の思考の沼にハマって好きに(?)なっていってしまうんですね。「うーーん、どういうことだ」なんて少し考えて立ち尽くして知恵熱で顔を真っ赤にしてみる。そうすると展示の数を重ねるほど思考が面白くなっていってもう考えずにはいられなくなってしまうんです。

鯉江桃子「黄昏時」
購入した作品。
同じ作家さんの作品をまたお迎えしたいと考えている限界大学生。

といって沼っていった経緯をつらつら書きましたが、結局、表象とか曲がりくねって考えなくともみてうっとりすることも自分の好きな作品の半分くらいはあるんですね。前述の初めての帰省の時初めて行ったギャラリーで作品を買っちゃうんですね。ほぼ一目惚れみたいなもんですが、花と女性がモチーフのA4くらいのカンバスの作品。今も自分が座っている机の横の壁にかけてありますが、いつみてもうっとりしちゃいますね。自分が初めて買った作品ってことも相乗効果になっているのかわかりませんが、アートを持つってなんだか良いですよ。
そもそもアートにハマったきっかけが岡本太郎の文章だったりするので、実際は頭で考えるよりは、結局のところ直感的な鑑賞の方がスキなのかもしれませんがね。まあどっちも良い塩梅に鑑賞の仕方として好きなんですかね。最近ではその鑑賞の頭の使い方も鑑賞中に考え始めたりして直感的な鑑賞体験ができなくなっている、できていないっていうのもありまして、なかなかよくわからんもんです。

2022年3月の帰省

11月の帰省の後は年が明けた3月でした。このときは11月の帰省で得た要領を活かして計画を立てました。結果としてクッソハードな日程になりましたが楽しかったですね。

この時は大きな展示ばかりを見に行ったんですが、それでも飽き足らずに今になって行っておけば良かったなんて反省している展示があるんです。Chim↑Pomの大回顧展です。実はこの帰省から帰ってすぐに存在を知り、チンポム特集の美術手帖を取り寄せたりと結構ハマったというかそのとき考えていたこととシンクロしたというか、ワンテンポ自分中でブームが遅かったのでしょう。という感じなんですがまあいくら嘆いてもまたみれるというわけではないのでしょうがないですね。この展示の非恒久性というのも自分が美術館ギャラリー巡りが好きな理由の一つなのですが。
3月の帰省の時に行った展示で印象に残っているのはやはりダミアンハーストの桜の展示でしょうか。その当時、だんだんとコンテンポラリーアート、現代美術の面白さに惹かれていたときでダミアンハーストの名前もうっすら知っているような感じでした。鮫の人として認識していましたから本当に同じ人の作品か疑いましたね。彼の作品の幅というかその仕事の幅は、日本人だと村上隆も精力的に取り組んでいるNFTにも及んでいて、現代美術の第一線をいくアーティストなんだなあと実感させてくれます。彼はYBAの出身というのを後で知ってYBAをもっと掘ってみたいと思います(いつものやります詐欺)。最近ではダミアンハースト仕事としてはNFTかフィジカルかオーナーに選ばせてNFTが選ばれて時にはフィジカル作品を暖炉で燃やすなんていう、結果的にネットでそのプロジェクトが半ば炎上気味に批判されちゃったプロジェクトやってましたね。このプロジェクトも彼自身のコンテキストの中に位置づけられるのでしょうが、今回は時代の方が早かったみたいですね。そんなダミアンの「絵画の死」の時代からのコンテキストを追うと桜の展示を観てからリサーチしている時間が一番楽しかった。これが美術ウォッチャー(こんなヘタレがこれを名乗って良いのか少し後ろめたいが自分のことをこう読んでみるとする)をやめられない理由なんですね。いつでもどこでも思考を巡らせ想像を膨らませることができる。といってもそれを文章化することはそうそう簡単に素人ができないので、プロのライターさんはマジですげえんだなってわかりましたね。いつか論評やってみたいです。アカデミックなやつ。

ダミアンハースト 桜

この3月の帰省では割と展示をみて回った記憶なんですが、それほど当たり、要は自分に刺さるような展示に当たらなかったですね。もちろんもともと好きでいつも行く岡本太郎記念館の展示は良いものなのですが、自分の守備範囲外だとと引き当てるのがかなり難しい。それは、原因として美術にハマり始めて日も浅く予備知識として作家やその周辺、ジャンルの事前のリサーチは知識がなかったりするのでしょう。たくさんのテキストを読まないとアートがわからないという新規のファンを呼び込めない事情と重なるようですが、完全な門外漢としてはかなりハードルが高いものだと思わされます。今回スペイン大使館のガウディの展示をみたりして、建築に手を出したいなんて思ってますが、丹下健三くらいしか知らない今からでも入門できるものがあれば教えて欲しいです。やはりコツコツテキストを読んでいくしかないですかね…。嗚呼…軍資金が…。

2022年7月の帰省デラックス

1日目

その次、帰省は7月でした。
今回は、今までの経験を活かして(?)外さないであろうとこをラインナップにあげていきました。逆に新しい発見はないのですが。また、展示を何個も見て回るのはなかなか体力的にしんどくて夕方を過ぎると移動の電車で意識がアブナイ感じに天に飛んでいきます。なのでみたい展示を行けるところまでなるべく多く回るために3日間の日程にしました(脳筋)。
まず手始めに移転直前のチームラボ ボーダレス。勘違いしていたみたいで、行った後ちょっと経つまで移転ではなくて展示自体がなくなると勘違いしてなんとか閉まる前に行かなきゃなんて躍起になっていました。今移転や展示の再開の情報は仕入れてませんがどうなんでしょう。チームラボの展示自体初めてでしたが、とっても楽しかったですね。超巨大な迷路のようなインスタレーションで二、三時間展示をみて回りましたがおそらく足を踏み入れていないエリアもたくさんあると思います。ネットを見ていると見たことない展示の写真があったりします(悔しい!)。三半規管を狂わされるようなインスタレーションの体験ができたのはとっても楽しかったですね。でも、展示を回っていると、「この裏でどれだけ計算機がどれだけの電力を使ってこの展示を出力しているんだろう」なんていうしょーもないことを考えたり…。そのあとは、日本科学未来館に落合陽一先生の常設展を目当てに行きました。AKIRAの音響に関する展示があったりと小さい頃に見た展示に加えて落合先生の展示を含め新しいものが多くて楽しかった。小さい頃の記憶を辿りながら、同じ展示をみて当時とは違うことを考えたり…。その後も、落合先生の展示でした。大手町のビルの間で展示していた、nullの木漏れ日。確かその日は展示の最終日でしたが展示が行われている通りは盛況でした。落合先生と自分は大学での専攻のバックグラウンドがちょっと、理系工学部っていうとこが似ていて、作品も好きでよく追っかけるようになっていました。アート×科学という組み合わせをどう消化するのか新しい視座と思考を促してくれるような感じが観ていてします。

チームラボ ボーダレス
長時間いると平衡感覚を失って本当に酔う

2日目

2日目はリヒターからスタートでした。いわゆる現代美術の大家(比べるのもではないでしょうがダミアンハーストよりもずっと年上)の展示でしたから、緊張というか、どう観たらいいのか考えてしまって作品を純粋に楽しむのができなかったような記憶です…。作品自体がバカデカかったり、リヒターの出身であるドイツの背負う歴史、作家の歴史とか結構直球な表現な気がしたのですがあってますかね…? といった具合に他の人と答え合わせをしてしまうような感じ。そこまでキャプションがめちゃくちゃ詳しいというわけではなかったと思います。うーん現代美術難しい! でもビジュアルは最高にかっこいいし美しいと思います。かっこいいんですよね。あんまりわからないけど。リヒターのチケットで入れる国立近代美術館のコレクション展にその後入ったのですが、それが結構楽しかった。後述しますが9月にこのコレクション展のためだけに国立近代美術館に行きました。明治の西洋絵画の日本での興りから近代の海外の抽象画、藤田嗣治の戦争画、村上隆の最初期作、会田誠の戦争画RETURNSとかもう盛りだくさんでした。20年くらい前までの近現代美術を一気に摂取できるような感じで気持ちが良かったです。7月の時点では会田誠についてほとんど知らなかったのですが、9月にはすっかり会田先生のファンになって帰ってきましたw 

会田誠 戦争画RETURNSから「美しい旗」

そのあとは、KITTEの展示に行ったりGINZA  SIXの個展や芸大先端修士の方の展示をみたりとか。個展のブースがあるフロアの、というかその個展ブースの持ち主ですがGINZA SIXの蔦屋書店がなかなか美術に関する書籍の取り扱いが半端なくてその時残っていた体力ではぐるっと見ることができなかったの記憶。次行く機会があれば必ず行こうかな、なんて思ってます。ただ積読を増やすだけなのでお財布の状況も見ながらという何とも苦しい状況…🥺 とりあえず、そこにいけば人気の作家さんの展示が観れるので今度機会があればそこに行きます。てな感じで今回二日間の巡業は終了です。一年間留学に行く高校時代の友人であり美術館ギャラリー巡りに付き合ってくれる良き友の早目の見送りも兼ねていたのですがとても楽しかった。帰って来たらまたどっかいこね〜 

3日目

ただこの時の帰省では、それだけでは終わりません。まだまだみたい展示がありまして。3日目の展示周回です。その日は、国立新美術館からスタートです。新美は建物がとっても綺麗でそこで五億点。また展示室がたくさんある、逆にいうとコレクションを持たない美術館なので毎回行く度に展示が入れ替わってくる回数が多くなるって感じですね。この前のダミアンハーストの桜の展示も新美でしたよね。展示の天井もものすごく高いので僕が好きな現代美術家の展示が多いってのもありますが。

そこでまず観たのはワニ。しかもピッチ方向とたまにロール方向に回るワニ。タムラサトル先生のインスタレーション作品です。無料で観れてこの圧倒感、たまらなく好きな作品でした。とにかくなんで回るのかわからないし、兎に角、ワニがカラフル。カラフルすぎるし、回りすぎている。たまーに一瞬だけ高速回転するワニもいたりワークショップの作品もあったり。ところでワークショップといえば会田誠先生の「MONUMENT FOR NOTHING 2」ですよねみなさん。「MONUMENT FOR  NOTHING」シリーズは今どこで観られるんでしょうか。もしかして個人蔵とか…。それはさておいて、ワニの次に観たのが、ルートヴィヒ美術館展。20世紀の頭、からロシア構成主義やピカソを通ってポップアート、そして現代へとつながる幅の広い展示でした。まさか初めてウォーホルのホワイトブリロボックスを直に見ることができると思ってなかったし、ピカソの作品が多かったり、ひとくちには言い表すことが出来ない、とっても満足度の高い展示でした。これでちょこっと現代美術のコンテキストがわかったようなよくわからんような。こういう時代、分野横断的な展示は勉強するのに一番いいかもしれないですね。キュレーターさんすごい。青山を後にして、次は渋谷へ。自然界にあるアルゴリズムを用いたベクターデータから、プロッタで出力した作品、Nature/Code/Drawingを観に行きました。ちょうどこのときProcessingというJavaScriptの派生?のような言語でCreative Coding を始めた時期でちょうど面白い展示があったので足を運ぶ。初めてプロッタで出力されたモノを見る機会だったのだが、精細でインクによるわずかなシミの乱雑さはじっくりと眺めていて飽きが来ないとても楽しい体験だった。3DPよりも今ではプロッタの方が欲しい。自分も自分で書いたプログラムがフィジカルな作品にしてみたいのだ。この後、渋谷から駒場に向かい、タテカンを見て帰った。といっても、もちろん渋谷に寄ったなら必ず通る場所がある。それは、岡本太郎の「明日の神話」。核爆発をモチーフにしたといわれているこの巨大な作品は通路の頭上に設置されていて何気なく通りかかるだけでは気にもかけないだろうが、僕は必ずじっくり眺めることにしている。パワーがもらえる気がするから。そろそろ明日の神話をチャージしたいです。ちなみに展示されている通路はガラスの窓がついていてハチ公やスクランブル交差点の方、タワレコ辺りからもその姿を拝むことができて渋谷の町にも緊張を巡らせているような感じがする。
というわけで本当に今回の帰省は終了。なんだかんだいろんなことして楽しかったです。写真見返すとあれもこれもこのときの帰省だったんだなんて自分でも密度の濃さに半分くらい引いています。

2022年夏休みの弘前小旅行

7月末の学期末のテストやお盆のサークルの共同実験(10日間の実験参加者側も実験運営側もやったので心身共に疲労困憊でした)でやらが落ちついた8月末にもうすぐ会期が終わってしまう弘前れんが倉庫美術館の池田亮司個展を観に来ました。青森は、奈良美智さんの出身地ということもあり現代美術が栄えている場所なんですね。今度は青森県美術館とか十和田市現代美術館とか行ってみたいです。今回は弾丸で行ったので、池田亮司とシードルくらいしか堪能できなかったのがとても残念。
しかしなんでいま池田亮司かというと、僕の今考えていることと大きく関係します。先ほどのProcessingのこともありますし、いま理系の学部に通っているのですが、それでもやっぱり美術に関わってみたいなんていう気持ちが大きくなってきていて、自分なりのコンテキストをさがしているんですね。そこで池田亮司。圧倒的な作品の圧力。この世の中の事象をデータで捉える人間の営みみたいなものをインスタレーションのような身体を包み込む作品の大きさで感じました。これってやっぱりチームラボの展示を観た後だからでしょうか? 彼が作曲出身ということが何か僕に微かな希望の光のように思わせてくれました。これは学生には大きい旅費を払ってして弘前に来て観た甲斐がありましたね。展示が終わった先には美術館のちょっとしたアーカイヴがあって、奈良美智さんの資料やかなり前までの美術手帖のバックナンバーなども収蔵していました。じっくりは見ることができなかったのですが、美寿手帖の気になるバックナンバーをその場でペラペラっとめくって、後で中古をAmazonで注文しました。また弘前、青森に行きたいです。

弘前れんが倉庫美術館 池田亮司展にて

行きは高速バスで昼頃到着でしたが、帰りは豪勢に新幹線でシードルをひとりで乾杯しながら帰宅。楽しい小旅行でした。

ふらっと寄った宮城県美術館

この次は宮城県美術館のポンペイ展を観に行きました。ポンペイ展はいつだか上野に行ったときも恐らく同じものを展示していたのですが、人気すぎて予約のみ入場可能で涙をのんで帰った記憶があります。今回宮城県美術館に巡回してくるとのことで観に行かない理由がなく観賞。内容は、古代遺跡などのことを知らない僕にとっては新発見の連続でしたが、現代美術を観るよりは刺激が足りなかったような。
実はこの後が楽しくて、国立近代美術館の時と同じで、メインで観に行った展示よりその半券で入れるコレクション展の方が面白い類いの展示でした。スペインの広告美術に続いて、日本の近代抽象芸術、吉原治良、白髪一雄、藤田嗣治、クレーや、カンディンスキーの時代横断的なコレクションと僕の興味にどんぴしゃの作品がズラリ。楽しくてしょうがなかったです。


宮城県美術館は建築もいい。
裏庭もいい。

2022年夏休み関西遠征

この次で最後のなのですが、これが今回取り上げる過去最大の1週間の遠征なので大阪パートと東京パートに分けて行きたいと思います。本来なら東京パートの代わりに愛知県で行われていたあいち2022パートが差し込まれる予定だったですが、残念ながら台風のせいでおじゃんになりました…。無念。

1日目

ということで大阪パートですが、久しぶりの飛行機で関空へ。夜は短し歩けよ乙女の森見登美彦さんの太陽の塔を読みながら。小説作品は森見さんのものくらいしか読んできませんでしたが、最近はちょっと小説に挑戦しようかななんて思ってます。それはそうと今回の大阪遠征の目的は岡本太郎です。ホテルに荷物を置いて万博公園に直行。大阪って狭いイメージでしたが、結構移動には時間がかかるもんですね。慣れてないからでしょうか。万博公園駅についてモノレールから降りるとミャクミャクさまのポスターがお出迎え。駅から出るとスロープから太陽の塔のがこちらを覗いて歓迎してくれました。木々の中からむくっと立ち上がったその姿は圧倒的な雰囲気を醸し出して何かをずっと守っているよう。公園に入場して塔の前で写真撮影。塔の中の展示は最近きれいになって再デビューしていて、太陽の塔の第四の顔、地底の太陽と万博で太郎がオーガナイズした仮面の展示、生命の樹など岡本太郎のファンであれば一度は観ておきたいものをじっくりと観賞することができました。じっくり展示を見た後はたんとミュージアムショップでお買い物。

太陽の塔
4つの顔の中では背面の黒い太陽が一番好き

万博公園内にもうひとつ大きな、ちょこっと有名な展示施設があります。民族学博物館です。閉館まで一、二時間といった感じの時間帯に入ったのですが、圧倒的に時間が足りない。これは明らかに半日あっても足りない超ボリューミーな内容。平日ということもあってほぼ貸し切りで圧倒的呪術な空間を同行者と独占できました。今度はもっとゆっくりみたいです…。さらに万博公園のお庭がめちゃくちゃ広くてそれもいろいろおいてありそうな雰囲気だったのでそれも今度ゆっくり散歩したい…。という感じで太陽の塔以外は不完全燃焼で万博公園を後にします。
次は、長居公園のチームラボの展示。昼間は植物園の場所なのですが、夜間はオブジェなどへのライトアップをする展示。チームラボの展示は2件目で野外ものは初めてでしたが、やはりチームラボは屋内が強いのかなという印象。後でツイッターで検索をかけると植物園とは相容れない光など文明的な展示の組み合わせに否定的な意見が多く、なんとも複雑な気持ちに。
ホテル近くに帰った後は福島駅前の高架下の屋台で旅の相方と飲んで1日目終了。

2日目

2日目は朝一で最近新しくできた中之島美術館での岡本太郎展。最近パリで見つかった最初期作の三点や、太郎の大作、明日の神話の下絵など見所がたくさん。個人的に好きな作品もたくさん展示してあったり、NHKで放送されたタローマンのグッズも含めた物販も魅力的でとっても楽しかったです。東京会場もいきたい。

岡本太郎 「愛」
岡本太郎 (左から)「雷神」「午後の日」

この後オランダのアーティストのテオヤンセンの展示をみて終了。祖父母のところに移動です。この後1,2泊してから名古屋のあいち2022に行こうと思っていたのですが、台風で断念。ちょっと様子を見てみることにしました。

今回の記事と全く関係ないですが、あまりにもじいちゃんのところのわんこがかわいすぎました。とことん癒やされる。

ちこちゃん

祖父母、いとこと京都へ

祖父母のところで1日だけ余裕があり、車で好きなところに連れてってくれるというので、京都でやっていたアンディウォーホル展につれて行ってもらいました。ファクトリーと言われる彼のギャラリーで作られたシルクスクリーンの作品が有名で今回の展示でもたくさん置いてありとっても楽しかったです。しかしシルクスクリーン以外にも有名人のポートレイトや冒頭で彼の京都への観光の時のものなど展示されていてウォーホルを全然知らない私でも楽しく観賞できました。ただ、作品の写真だけパシャパシャして行くだけの人がちらほらいてちょっと悲しかったですね。

アンディウォーホルキョウト

そして予定外の実家へ

ここで祖父母のいる兵庫から予定していた名古屋ではなく実家にいろいろ考えた上で行くことに。身寄りの無い名古屋ではなくて実家に台風に追いかけられるような形で移動しました。名古屋にホテル予約してなくて良かったです。ただ、愛知に行けなかったことが結構心残りなのでまた今度行きたいです。あいち2022はもう観れませんが。
おばあちゃんに旅費をカンパしていただき新幹線で東京着。サークル関連で出会った都内の先輩と飲み。そして実家着。翌日には直ぐに都内の展示に出かけました。自分でもびっくりのアクティブさ。これで体調崩してないのが奇跡ですね。

2022年9月の予定外帰省

今回は行き慣れた場所にしか行ってないですね(またかよ)。なにせ予定外の帰省なのですからじっくり展示の情報を集めて予定を組む時間が無かったです。普段はツイッターで面白そうな展示が流れてくる(完全に自分好みに調教してあるTL)ので、そこから情報収集しています。皆さんはどこから情報周してるんですかね。特に小さいギャラリーや有名というわけではない作家さんの展示。直前や会期になってからでないと美術ウォッチャーの方のツイートが流れ来ないし、そこそこ人気が出た展示が会期の終了直前とかにTLに流れてきて知って予定に組み込めず行けないこととが多々あります。わたしはここから仕入れているよーって方は教えてくださると助かります。いつも行ったりとか作品を買ったりしているギャラリーの情報はDMとかで手に入るんですかね。

それはそうと、今回は六本木アートナイトから始まります。アートナイトと冠していますが昼間からやっていました。小さい会場にはほとんど行けず、森ビルのでっかいドラえもんたちと新美の展示しか観れませんでした。結構たくさん展示があるんですね。森ビルから国立新美術館へ。そのわずかな距離の途中で意味分からんくらいのゲリラ豪雨に襲われました(記憶が最近のものなので冒頭のルポよりは描写が細かいです。とてもしつこいようで済みません)。新美ではまず最終日だった二科展へ。そして李禹煥(リウーファン)展へ。もの派の展示は初めてでミニマリズムな感じは分かるのですが、どうもこうにもよさがあまり分からず禅の修行をしているような感じがしました。決してネガティブな意味ではなくて、何かこう自分の中のものがすーぅっと浄化されような、如何に自分の好みが装飾華美すぎるものだったかというのが相対的に知らしめさせられました。美はもっと要素が少なくてもいいんじゃないかって教えてくれた感じがします。そこから歩いて南青山のカリモクのマルチスペースで開かれている落合陽一×若佐慎一 ぐわぐわぬるぬるへ。質量感が堪らなかったです。落合先生の作品はメディウムが様々変わっていくので次はどんな作品を作ってくださるのか気になります。そしてそのまま岡本太郎記念館へ。毎度お世話になっています。今回は全国3カ所を巡回する岡本太郎展に合わせて彼の一生を振り返るような企画をしていました。記念館にいくのはもちろん作品を鑑賞するというのが第一の目的なのですが、やはり自分を(小学生の頃に美術を習っていたので)再び美術、アートの世界に引き入れてくれた存在、自分自身の原点に出会ってくるお参りのような行為なのではないか、なんて思ったりもしてます。そして今回の帰省の締めは国立近代美術館。このときはまだ、前回観たリヒター展をやっていましたが、スルーしてコレクション展のみ観賞。今回は前回と違って会田誠の大ファンになっての観賞で彼の文章や過去の映像をYouTubeを通して取り込んだことで解像感がまるで違いました。会田先生の思想というか美術家としての彼が形成されていった過程などがとても興味深く、半年くらいいろいろリサーチしてきました。これからも追っかけていく対象になるのかなと思います。これからの先生の活躍が楽しみです。現代美術は作家さんが今この時間も生きていて次作を作って新しい作品、コンテキストをこれから観ることができるというのも一つの楽しみだと思います。どんなことをして驚かせてくれるのだろうか、と。
これで1週間あったこの遠征も帰宅です。このときにGINZA SIXも寄っておけば良かったなんて思ったりもしています。


今度の帰省は…

といった感じで、だらだら11000字を超える文量で今まで回ってきた展覧会等の主観的なルポをお送りしましたがいかがだったでしょうか。これに需要があるのか全く思いませんが、自分としては今までの紀行を文字に起こしたかっただけですのでそこはあしからず。特にまとめとかはないですね。はい。自己満。
というわけで次の帰省はいつだって話になりますが、明日です。これを公開する次の日2日の日程で帰ります。観たかった岡本太郎展の東京会場とか行ってみます。一番の心配は無理な日程とお金です。過去一お金がないのに行きます。ではまた、次の記事でお会いしましょう。


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