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「本当に」決断力のあるリーダーとは?

column vol.552

本日は、私の記事を取り上げていただいた丸山泰さんの素晴らしきリーダー論に刺激を受け、自分も「リーダー」をテーマにお話しすることに決めました。

お題は「決断力」。しかも、あえて「本当の」と付けています(笑)

…というのも、副社長になって経営を任せてもらって丸3年になるのですが、自分が本当に正しい判断をしてきたかは、正直よく分からないからです…(苦)

間違いなく、もっと良い決断はあったと思います。

でも、そもそも果たして100点満点の決断があるのかどうか…?そして、100点満点の決断を目指す上でのリスクも薄々感じています。

決断は「70点を目指す」という考え方

そんな私の予感を実感に変えてくださる記事に出会いました。

コンサルタントの前田鎌利さんの【孫正義社長に学んだ“成功するリーダー”の「七割思考」とは?】という記事です。

〈DIAMOND online / 2022年1月29日〉

前田鎌利さんといえば、2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。

孫正義さんの経営哲学を学び、年間200社を超える企業においてプレゼン・会議術・中間管理職向けの研修やコンサルティングを実施されています。

そんな輝かしい実績を持つ前田さんが、100点ではなく70点の意思決定を目指すことを説いていらっしゃるのです。

まず、前提として100点満点の決断なんて存在しないし、あったとしても、100点満点を目指しているうちに時代に置いていかれてしまうと指摘しています。

時はVUCA時代予測不能な時代です。

昨日の正解が明日の不正解になる可能性はありますし、その逆もあります。

今はコロナの影響もあり、さらに予測と判断が難しくなっています。

勝率7割で見極めて素早く決断する。「間違い」を織り込んだ上で、逆に失敗から学ぶことで的中率を上げていく

動いてみないと分からないことが、ほとんどだからです。

そして、失敗した時に重要なのは、それを潔く認めて、「自分の判断ミス」だと明言することだとお話しされています。

リーダーの「合意形成」における下心

決断のミスを自分のミスだと明言する。

ここが最大のポイントだと思います。

寺田倉庫の経営改革などを果たし、NHK「SWITCHインタビュー達人達」コシノジュンコさんと対談し話題となった中野善壽さんが、それを絶妙な喩えで表現しています。

〈DIAMOND online / 2022年1月28日〉

リーダーというのは「自らなる」ものではなく、周りから期待されて用意された神輿の上に乗るようなもの、という気がします。
リーダーたるもの、皆の合意を形成して組織をまとめようなんて思うのは驕りです。
リーダーとは、すでに思いが形成されつつある場に乗っかるものではないかと僕は思います。
それで上手くやれなくて失格の烙印を押されたとしたら、しょうがない
いつでも神輿から降りる覚悟でやればいいと思うのです。

う〜ん、素晴らしい…。心の底から共感します。

私が副社長一年目の時に、何でもかんでも合意形成のもと決定しようとしている姿を社長が見て、「お前、全てのことを『みんなの意見』で決めるなよ。みんなの意見をちゃんと聞いて、最後はお前一人で決めるんだよ!」と注意されました。

正直、その時は社長の指摘した意味がよく分かりませんでした。

でも今なら、よく分かります。当時の私は失敗を自分一人で受け止める覚悟がなかったのです。

(正確に言うと、副社長は二人体制なのですが、もう一人の副社長は基本的には最後は私の決断を尊重してくれています)

当時の私は「合意形成」という大義名分のもと、みんなにも責任を押しつけたかっただけなのです。

みんなの意見はちゃんと聞く、その上でリーダーが決断する。

言い換えると、民主主義的に決めて、最後はリーダーが一人で責任を負う。それがリーダーとしての最大の仕事であり、それがあるからこそ、社員が伸び伸びと仕事できるものなのだと思います。

決断力は「誠意」を続ける力

それを、投資の神様であるウォーレン・バフェットさんは「誠意」という言葉で表現しています。

〈lifehacker / 2022年1月18日〉

我々が人を雇うときには、次の3つのポイントを見ます。知性、自発性やエネルギー、そして誠実さです。
もしその人に一番最後の誠実さが欠けていたら最初の二つはかえって害になるでしょう。
誠実さに欠けた人は、愚かで怠け者でいてくれた方がマシだからです。

誠実さを欠くと、ビジネスの重要な意思決定が下される場面で、それが大きな代償に繋がることがあるというのがバフェットさんは意見です。

間違いや失敗をおかすことは誰にでもある。

それでも他からの影響を受けない高いレベルで責任を果たすことが本物のリーダーだと。

結局は決断力というのは、失敗を一人で請け負う覚悟と、実行する勇気と、上手くいかなかった時の謙虚さ、そして批判を受ける忍耐力が必要で、逆に上手くいった時は社員みんなに感謝する心なのではないかと感じます。

それを一言で言うと「誠意」

当然、上手くいかないことが多々あるので、転んでも転んでも心折れずに誠意を持ち続ける力が最終的には「決断力」の正体なのではないかということですね。

…果たして、…当社の社員から私が誠意ある人間であると思われているかどうか分かりませんが(笑)、そう思われる努力をすることが良い会社をつくる唯一の道なのかな?と思う今日この頃です。

今期も残り2ヵ月ですが、最後まで気を抜かず航路を進め、来期という新しい旅路に向かいたいと考えております。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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