広がる「就労」のカタチ
column vol.1201
昨日、【「喜び」と「熱中」を仕事にする】という記事で、子どもたちが起業体験として「働く楽しさ(将来への期待)」を育んでいるという話をしましたが
今、就労に壁を感じている方々もいらっしゃいます。
一方、そうした方々に光射す事例も増えている。
そこで、本日はそんな好事例をご紹介させていただきます。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
カギは「フラット」
神奈川県平塚市にあるアトリエ&福祉施設「嬉々!!CREATIVE」では、障がいのある方がアート活動に勤しんでいます。
〈AERA.dot / 2024年4月9日〉
創作物は、そのまま作品としての販売を始め、パッケージデザイン化や書籍や社内報の表紙や挿絵などに使用。
その作品性は高く、それがご家族や関係者の皆さんの誇りとなり、アーティストの喜びになっているそうです。
こちらの施設について、注目したことがあります。
それは、アーティストと職員の関係性。
アーティストは「メンバー」と呼ばれ、お互い「職員=支援する側」「利用者=支援される側」ではない、フラットな関係性が築かれているのです。
このことがアーティストにとって大きなプラスに働いている。
同社代表の北澤桃子さんが、施設を開設したばかりの時、メンバーの方々がどのように地域の方々に受け入れられるか心配だったそうですが
メンバーの皆さんは、自然と近くの商店街の人に毎日あいさつ。
北澤さんはその姿を見て
と、当時を回想されております。
このことがきっかけで、メンバーの方々は特別な存在ではなく、一人の大人であると強く確信したそうです。
そして、2015年に開設した「嬉々!!CREATIVE」は、今では80名のメンバーが所属。
同施設の発展と、メンバーの皆さんの活躍は、北澤さんの「フラット」な心が生み出しているのでしょうね😊
「喜び」の実感を持って社会へ復帰
フラットな心とは、先入観がない状態とも言えますが、先入観なく評価を獲得していると思えるクリエイターがいます。
ちなみに、「いらすと本舗」というサイトをご存知でしょうか?
noterさんを始め、クリエイターならご存知の方も多いのではないでしょうか?
私は「無料 イラスト」で検索し、初めてアクセスしたのですが、後々で分かったことがあります。
それは、作成者がある刑務所で受刑されている方々ということです。
〈ITmedia NEWS / 2024年3月29日〉
いらすと本舗では、日常生活のワンシーンや職業、動物、建築物、食べ物など幅広いイラスト素材を公開。
中には「岸田文雄」首相など、一部著名人のイラストや、アニメーションによる動くイラスト、3Dレンダリング素材などもあります。
1ヵ月に数回、イラスト素材を追加しているようで、素材のリクエストも受け付けているとのこと。
そんな同サイトですが、山口県にある刑務所「美祢社会復帰促進センター」の受刑者が刑務作業の一環として立ち上げたのです。
でも、皆さんの中に、「いらすと本舗の作品=受刑者の作品」という前提でサイトにアクセスした方は、どれほどいらっしゃいますでしょうか?
恐らく、私のように「無料 イラスト」からサイトに辿り着き、何の先入観もなく作品を利用された方は多いのではないでしょうか?
つまり、「先入観なく利用し、いつの間にか身近になっている」という1つの事例だと思うのです。
もちろん、サイト内にはこうした話は記されていますし、同刑務所が私が言っているようなことを意図しているわけではないのですが、
背景を書き立て過ぎず、自然なカタチで社会に浸透させていくこと、
そして、そのことに寛容な社会であることが理想だと思ってはいます。
ちなみに、この活動は作品が使用されることで
といった感動を体感し、社会復帰に生かして欲しいということが狙いだそうです。
冒頭の「働く楽しさ(将来への期待)を育む」という話にもつながりますね😊
「難民・避難民」への就労支援
働く場への復帰ということでいえば、日常を捨て、他国に逃れた難民・避難民の方々にも光射す事例が増えています。
最近でいえば、パーソルグループで、外国人材に特化した人材サービスを提供する「パーソル グローバルワークフォース」が、今年2月に発足したばかりの、一般社団法人Welcome Japanが運営するビジネスリーダー・企業コミュニティ「Welcome Japan CxO Council」に参画。
グローバルワークフォースは、外国人材が日本で活躍しやすいように「異文化理解研修」を提供してきたのですが、その知見を生かして、難民・避難民の皆さんの支援を開始したのです。
同社代表取締役社長の多田盛弘さんは
と、参画の意図をお話しされております。
現在はシリア難民の方に、語学、日本文化の理解などの観点から就職支援を実施。
人口減少が深刻化していく日本の課題と、難民問題の架け橋をつくり、それぞれを解決しようとされています。
確かに、スキルやノウハウがあっても文化的ギャップがあれば、なかなか上手くいかないこともあるでしょう。
その中で日本で働く方と難民の方のフラットな関係をつくるということは理想です。
ちなみに、難民・避難民といえば、昨年、日本の入管庁がウクライナ避難民を難民と同様に保護する新たな取り組みがスタート。
「補完的保護」という認定制度が始まりました。
〈TBS NEWS DIG / 2024年2月20日〉
認定を受けたウクライナ人のインナーさんは
とコメント。
日本には現在、およそ2000人あまりのウクライナ避難民がいるそうですが、こうしたことをきっかけに、一人でも多くの方が単に職を得るというだけではなく、「働く楽しさ(将来への期待)」を手にできればと願っております。
ということで、本日は様々な事例を通して、それぞれの立場の方に対して、いかにフラットな心で触れ合うか、ということを改めて学ぶことができました😊
こうしたことに今後も目を向けていければと思っております。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
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