「SNS」ビジネスシーンの最新活用法
column vol.458
最近、SNSの活用する企業が増えていることは周知の通りですが、そう言えば、あまりそのことをnoteで取り上げていないなと思いましたので、今日はこの話題についてお話しさせていただきます。
まず、「ソーシャルセリング」という言葉をご存知ですか?
企業の営業活動に積極的にSNS使っていくというアクションのようです。
〈YAHOO!JAPANニュース / 2021年10月16日〉
話としては単純で、SNSで企業の情報発信をしつつ、見込み客(法人)のフォローに的確に反応し、そこから距離を詰めていき商談に繋げていくというもの。
逆に積極的に見込み客のアカウントをフォローして、コミュニケーションをとり商談に繋げるパターンもあります。
以前は飛び込み営業で新規を増やすということが多かった営業の方にとって、徐々に距離を詰められるSNSはありがたい存在。活用への意識が高まるのはよく分かります。
InstagramではUGCに注目
お客さまとの関係を深めていくということで言えば、小売業の現場(BtoC)ではUGCを取り入れる企業が増えています。
UGCとは「User Generated Contents」、つまり「一般ユーザーによって作れられたコンテンツ」のことです。
例えば、シブヤ109のアカウントはUGCが盛んです。
シブヤ109はご存知の通り、ファン顧客が多いので、ファン心理を上手く利用してアカウント運営をしているのがよく分かります。
フォロワーの方に「@109_shibuya」をタグづけしてもらい、投稿されたものをリポストしていく。
ネイルアートなどノウハウを持っているインフルエンサーの方のコンテンツをリポストしたり、109のコンテンツづくりに参画してくれたフォロワーさんのアカウントをタグづけし、お互いのアカウントにとって相互活性を図っています。
以前もお話ししましたが、今日はマーケティング4.0時代。
「顧客と一緒につくる」という共創価値訴求がポイントになります。
フォロワーとしても、ファン心理だけではなく、10.5万人のフォロワーを持つ109アカウント(2021年10月24日時点)で自分を発信できることは大きなメリットです。
自社アカウントをいかにステージに見立てて、ユーザーの自己表現の場として育てていけるかというのが、これからのSNS運営のメインストリームになるような予感がします。
社員をタレント化したファンづくり
ファンづくりということで言えば、社員を起用して親近感でアプローチするという事例はこれまでも紹介してきましたが、今、官僚系ユーチューバーに注目が集まっています。
なんと、農林水産省のチャンネルがバズっているらしいのです。
〈NIKKEI STYLE / 2021年10月16日〉
チャンネルの名は「BAZZ MAFF(バズマフ)」。
「バズる」と農林水産省の英語表記の略称「MAFF」を組み合わせた名前です。
2020年1月の配信スタートからの総再生回数は1500万回(2021年10月16日時点)。チャンネル登録者数も11.8万人(2021年10月24日時点)となかなかの成果です。
コンテンツは「上司にドッキリを仕掛ける」「難しい政策をラップにして歌う」「漫才で和食の魅力を伝える」「人力で荒れ地を開拓する」などお堅い官僚組織のイメージを覆すようなユーモアに溢れるものばかり。
確かに、動画を拝見すると、和み系でクスっと笑える内容で注目される理由もよく分かります。
ルールや政策をつくるだけではなく、それをしっかりと国民の心に届けていくという姿勢は非常に好感が持てます。
バズマフの快進撃は、他の省庁や周りの職員にも刺激を与えており、同じような取り組みをしたいと勉強会に呼ばれることや動画のコラボ、ネタの持ち込みも多くなったとのこと。
新たにユーチューブチャンネルを開設したり、SNSでくだけた表現を使ったりする行政機関も少しずつ増え、農水省の「やわらかい広報」が広がりつつあるそうです。
官僚系ユーチューバーの今後の活躍に期待したいですね。
Z世代就活生のオンライン情報収集術
最後は就活生の話題です。
オンライン就活が主流になり、Z世代の就活情報収集にも変化が生まれているそうです。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2021年10月21日〉
商品・サービスのアイデア着想に活かせる若者研究を提供するプランニング組織「Zs」に所属するZ世代のメンバーに話を聞くと
「学生に見せる情報っていい情報だけ。企業側が学生に向けて発信する情報だけで判断することはできない。(22歳・大学4年生・男性)」
「就活は企業がいいとこしか見せてくれないという疑念はある。(20歳・大学2年生・男性)」
と、就活説明会やOB/OG訪問もオンラインになってしまったため、就活生たちは会社の雰囲気がどうしても分かりづらいという不満を抱えてしまっているようです。
その機運を察知してか、最近就活団体や企業が開催するイベントでも『本音で語る』『裏まで話します』などの冠をつけているところも多いようですが、就活生からするとそれも若干疑わしい…。
若者は大人の作為を見透かしてしまっています。
では就活生が何を参考にしているかというと、例えばオンライン説明会で行われるチャット欄での社員同士のやり取りです。
「オンライン説明会で、チャット欄が社員同士で盛り上がっている企業は風通しがいいんだなと思う。登壇者に対して『出た誰々』とか社員が盛り上がっている企業はいいなと思う。(22歳・大学3年生・女性)」
「Zs」が作成した画像を見ると、とてもイメージが湧きます。
画像:「Zs」作成
よりリアルを見抜こうとしている。
名前やニックネームなど、どう呼び合っているかも確認している学生さんもいるとのこと。
そして、冒頭の話にも繋がるのですが、人事部のTwitterアカウントを見つけ、その企業がどこの企業と関わりや交流を持っているのかをチェックする就活生も多いらしいのです。
企業のSNSアカウントはコンテンツの発信や反応だけに目が行きがちですが、どういう人や企業をフォローし、逆にフォローされているかということもユーザーからは結構見られているという証拠。
ソーシャルセリングへのアクションが実はリクルートにも繋がっているというわけですね。
SNSが検索ツールとしても重要視されている時代だからこそ、SNS運営は全方位に目を配らないといけません。
ある意味ではなかなかしんどい時代でもありますね。
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